NO団体名主な企画内容
35 京都市立鞍馬小学校(京都府) 「元気くらまっ子キャンプ」
校庭にテントを設営、野外炊飯や貴船川での生き物観察、裏山探検、自然遊び、クラフト活動などを通じて、地域を深く知り、仲間と協力することを学ぶ体験企画。

速報レポート1 1泊2日宿泊学習プログラム

実施日時 2014年7月17日(木)~18日(金) 1泊2日
参加者  小学生18名(18名参加予定)スタッフ11名
開催地  京都市立鞍馬小学校

全校生徒18名で1泊2日のキャンプの様々な課題に力を合わせ取り組むことでむことで,力を合わせる事の大切さや仲間の大切さを学び,異年齢での交流を深め,よりよい学校生活をおくれるようにするとともに,生きる力の育成と鞍馬小学校周辺の自然を通して環境学習をおこない,郷土を愛し,自然と仲間を大切にする心を育めるように活動した。

活動紹介

鞍馬小学校の校内キャンプは代々続いてきた伝統行事であり,鞍馬小学校卒業生の保護者の方々にとっては懐かしい行事でもある。そのため,保護者と子どもたちの会話には「お父さんの時はこんなキャンプだった。」というような話が聞かれ,今年はどんなキャンプなのか楽しみにされている保護者も多い。

タイムスケジュール
17日
8:30 登校
8:50 健康観察・学級活動
9:15 開村式(司会:6年生,村長:校長先生)
9:30 テント設営
10:45 グループミーティング・健康観察
11:00 環境学習:火起し体験(1~6年生全員で鞍馬産出の石で火起し)
12:00 たてわり給食
13:10 自然観察:裏山探検と川の生き物観察(貴船山・貴船川)
15:30 飯盒炊飯(1年生:ご飯炊きと薪集め,3~6年生:おかず作り)
19:00 キャンプファイア
19:35 1日目のふり返り・就寝準備・健康観察
19:50 鞍馬温泉(入浴)
20:45 温泉のロビー集合
21:00 就寝
※ 目が覚めても6:30までテントから出ません。寝ている人もいるので,しゃべったり       大きな音も出しません。

18日
6:30 起床・洗面・荷物整理
7:00 朝の集い
     テント干し
7:30 朝食準備
8:00 朝食
9:00 テント撤営・掃除
9:50 フライングディスクゴルフ
10:20 クラフト(焼板作り)
11:30 ふり返り(各班)
11:45 閉村式(司会:5年生)
12:10 下校

【鞍馬の石で火起し】
 1830年ごろにマッチが登場するまで,火を使うのは大変な労力がかかっていた。それでも,木の摩擦に比べて火打ち石の登場は画期的なものであった。
 江戸時代,街道が整備され全国の火打ち石が江戸に集まるようになると,鞍馬の火打ち石はその着火力の高さから一大ブランドになりました。
 現在,火打ち石で火をつけなくても簡単に火を扱う事ができるようになり,火打ち石の需要と共に忘れられてきた鞍馬の石のことを子どもたちに伝える為この活動を取り入れる事にした。
 子どもたちは,初めて聞く火打ち石の話に興味をもち,鞍馬の自然の豊かさやありがたみを再確認していた。


火打ち石は川原で拾い・打ち金は3~4年生で作成







【裏山探検・川の生き物観察】
 学校から川までは山道を5分ほど歩く。しかし,今回はいつもの道から少し離れ,大きなチャート(火打ち石)が露出しているのを見に行った。午前中に触った火打ち石と感触や形が似ている事に気づき,この岩を砕いた(砕けた)石が火打ち石なのだとわかったようである。
 川では,初めに高学年がもんどりを仕掛けに行った。魚が好みそうな場所を探し,流れがゆるやかで,エサの匂いにつられそうな場所を鞍馬の子どもたちは自然と知っており,静かに,素早く設置していた。
 他の児童はもんどりから少し下流で水生昆虫や魚,サワガニなどを網を使って捕まえていた。幸い貴船川の水系にはオオサンショウウオはほとんどおらず子どもたちが誤って捕まえたり,噛まれたりする心配は少ない。
 下流に網を構える児童と上流で石を反す児童に別れ水生昆虫や魚を網に追い込むと,ヘビトンボの幼虫・ミズカマキリ・おたまじゃくし・アブラハヤの稚魚?・名前のわからないワームなど多くの水生生物を捕まえる事ができた。子どもたちは予想外の大漁に驚き,とてもよろこんで,観察をしていた。
 20分ほどしてもんどりを引き上げに行くと,中にはアブラハヤが入っていた。今回仕掛けたもんどりは全部で4つだったが,その全てに1匹~4匹のアブラハヤを捕まえる事ができた。子どもたちは新たな観察対象に興味を持ち,見たり,触ったりしながら観察をしていた。





 今回,もんどりはペットボトルの上下を切り飲み口の部分は上下を逆さまにして差し込み下の部分には台所用の水切りネットをガムテープで張り付けた。低学年でも安全に作れるように錐を使わない方法を考えてみた。





【フライングディスクゴルフ】
フライングディスクゴルフはフリスビーでゴルフを行う競技である。グランドゴルフと同じように大人と子どもの力差が出にくく,グランドゴルフほど広い場所を必要としないことが特徴である。また,今回は道具を全て作ることにした。
フリスビー:18cmの紙皿2枚を貼り合わせて作成。軽く風に乗りやすい。こわれてもすぐに修理ができるのが特徴。
ゴール:雨傘を逆さまにして代用。安価で入手しやすい。学校の非常用の傘を使用。

 子どもたちは,始めて見る競技に興味しんしんであった。フリスビーを投げた事がない1年生には上級生が優しく教える場面が見られ,協力することの大切さが浸透してきているように思えた。また,お互いに応援する姿は正しく紳士のスポーツたるゴルフに相応しい態度であった。








 郷土を愛し,自然と仲間を大切にする心を育めるように,協力・仲間・生きる力をキーワードに組み立てた今回のキャンプを子どもたちは本当に楽しんでくれたと感じている。最後のふり返りでは,楽しかった思い出だけでなく,協力することの大切さを発表してくれたり,仲間の大切さを発表してくれる児童もいた。
 郷土の自然や産業について子どもたちがさらに興味を持ち,鞍馬の自然や産業に対し疑問や問題を考え,その事について調べる力のベースになってくれると信じ,来年のプログラムを早速考え始めたいと思う。



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