NO団体名主な企画内容
49 公益社団法人 日本山岳会宮崎支部(宮崎県) 「第17回こども登山教室」
小学校低学年から高校生までの年齢差のある集団で、稲尾岳への登山やフィールドアスレッチックなどを通じて豊かな自然に親しみ、また、年齢に見合った役割を担当することで、社会性や協調性、責任感や判断力を養う企画。

速報レポート1

実施日   平成26年8月19日(土)~20日(日)
実施場所  (1) 鹿児島県鹿屋市  鹿屋航空基地資料館
      (2) 鹿児島県鹿屋市  国立大隅青少年自然の家
      (3) 鹿児島県錦江町  稲尾岳ビジターセンター
      (4) 鹿児島県錦江町  稲尾岳登山(枯木三角点959.0m)
参加人員  31名(こども17名:1年生1名・2年生4名・3年生2名・4年生1名・5年生5名・6年生3名・中学3年生1名)
引率者   公益社団法人日本山岳会 宮崎支部会員 14名
はじめに

 第17回こども登山教室は、8月9日(土)~10日(日)実施の計画でしたが、台風11号接近のため、8月19日(火)~20日(水)に延期して実施しました。今回で17年目を迎えますが、第一に「安全登山」を期するために事前に実行委員会を立ち上げ、5月10日(土)~11(日)稲尾岳登山道の下調べ及び関係団体との事前打合せを行い、さらに、7月11日支部会員20名による任務分担等の打合せを行いました。その後7月末には、「第17回こども登山教室 しおり」を47部作成して、参加するこども・父兄、サポートする支部会員全員に配布して準備を進めました。ところが台風11号のため実施を延期せざるを得なくなり、こどもの学校行事、会員の勤務の都合等から17名が参加でいなくなりました。

活動報告

 こども登山教室の目標は、こどもが日頃親もとを離れて、一人で団体に参加して活動することの機会の少ない現代のる社会現象にあって、登山という大自然の厳しい登山道を親の力に頼ることなく、こども自分の力で目標に向かって一歩一歩前進挑戦し、強靱な精神力や耐久性、協調性、責任感を身につけることに努めました。さらに、IC社会から離れた大自然の山野での活動により、動植物と触れ合い感性を豊かにして、探求心と癒しとの心を育くむことができました。

○人を愛する心を育てる~鹿屋航空基地資料館見学
登山のできる幸な国にあって「平和」とは何か、そして人を愛する心を育くむために「鹿屋航空基地資料館」を見学しました。
ここでは、「過去」を学び「今」を知り、「未来」考えることを学び、第二次世界大戦の歴史を通して「平和」で「人を愛する」ことの大切さを全員で学ぶことができました。


修復された零戦の説明を受けました

展示公開の零戦搭乗体験しました

模型による旧鹿屋海軍航空基地の説明

○野外活動:インラインスケート・アスレチック(サルの散歩道)~国立大隅青少年自然の家
インラインスケートは、全員初めての体験でしたが、炎天下の中汗だくになり、こども同士が手を取り合い、転倒を繰り返しながらも必死に練習に励むこどもの眼差しが印象的でした。
その結果、こども同士が上手に連係して滑るようになりました。また、童心にかえりこどもに負けずと練習に取り組む会員の姿も真剣そのものでした。
アスレチック(サルの散歩道)では、照葉樹林の中を散歩しながらインラインスケートでの疲れを癒しました。


御岳などの連山をバックにインラインスケート全員滑るようになりました


サルの散歩道を楽しみました

創作活動(革細工)~国立大隅青少年自然の家
午後7時から、あらかじめ指導を受けていた支部会員3名が指導者となり、ほかの会員はこどもと一緒に挑戦しました。作り方は、用意された革を約5㎝の円形に2枚切り、表裏になる方に好きな模様・文字など刻印します。染料で好きな色に染めて、接着剤を塗り、2枚を貼り合せます。(このとき確実に接着するように下敷の下に置き上から金槌でたたく)この後、はと目で穴をあけて、レザーコート(つや出し)を塗り、キーホールダーを取り付けて完成しました。
約2時間の革細工でしたが、全員が真剣に取り組み、革をハサミで円形に切る要領など道具を安全に正しく使う方法など覚え、刻印する模様・文字の選び方や校正など個々の特徴のある出来映え映えで、楽しい時間を過ごすことができました。


みんなで力合せ革細工作に一心不乱


○団体生活での活動
私たちが宿泊となった当日は、大隅青少年自然の家には、ほかに7団体・276名が宿泊していました。
野外活動で疲れた体を大浴場で癒し、みんなお腹もぺこぺこで、美味しく夕食をいただきました。記念残る革細工のキーホールダーも出来てこどもは大満足、ゆっくり就寝出来ました。
翌朝のつどいでは、私たちの教室から6名が国旗などの掲揚に選ばれ、元気よく朝の体操をしました。
退所前の各部屋やトイレなどの清掃・整頓の点検も何ら指摘されることなく、団体行動による生活を学び、退所式ではこどもの代表がお礼のあいさつをして、予定の時刻に稲尾岳登山のためバスに乗り込み出発しました。


美味しく笑顔で朝食

朝のつどい  国旗掲揚

大隅青少年自然の家で記念写真です

○照樹林の森を学ぶ~稲尾岳ビジターセンター(標高800m)
センターの所長さんより、模造で作られている稲尾岳山地の登山コースや西日本最大級の照葉樹林帯などの説明を受けました。
センター内には、参加団体の展示品や貴重な標本など、自然や動植物に関する情報がいっぱいでした。北川デッキからは
ガスがかかって、桜島、高隈山系、霧島連山、肝付山系の大パノラマを見ることが出来なくて残念でした。


稲尾岳山地の模型で説明を受けました

出発前に登山上の諸注意を受けました

○稲尾岳(枯木三角点959,0m)登山
8月20日(日)曇り、予定通り08:45分、国立大隅青少年自然の家を大型バスと緊急用の自家用車で全員元気に出発しました。国道220号から錦江湾を眺めながら南下すると、開聞岳が雲の傘をかぶっていました。天候を心配しながら錦江町に入り、県道563線を南下するころには雨がパラパラと降り出し、林道花園線入り1時間20分で、稲尾岳ビジターセンターに到着しました。バスから降りるころには雨もやんでおり、稲尾岳ビジターセンター内で所長さんの説明を受け「運が良ければサンショウウオが見られるかもしれません」とのことでした。山々には、ガスがかかっており雲行きも怪しいので、こどものリックには全員、雨に対応出来るようにビニール袋で覆いをしました。この後、山行委員長より登山上の注意事項があり11:05登山口西口から会員のリーダーを先頭に1年生から大きな声で番号をかけながら順次出発し、こどもとの間に会員が入りサポートすることにしました。登山は初めてのこどもいてやや緊張の様子でした。出発の登山道西口には(1)の札が掛けられており、照葉樹林の中の緩やかな登りの沢添いの登山道と沢を横切りながら登ること1時間で48番札の「川の源流」に到着しました。ここでは菓子パンを食べながら休憩をとり、会員より川の源流について説明がありました。
川の源流からは、沢からはずれやや急騰の登山道で滑りやすく、こどもたちは会員よりサポートを受けながら元気よく「頭に注意」などと大きな声を掛け合いながら懸命に登って行き25分でヤブツバキ・ミヤマシキビ・アサビの灌木林の稜線に出て58番札の「自然石展望台」到着しました。しかし、残念なことにガスかかっており、太平洋に浮かぶ種子島をこども達に見てもらうことが出来ませんでした。
最高点にあたる85番札の「枯木三角点959.0m」に、午後1時6分に到着となり、予定の時間より1時間の遅れとなったことから、こども達には昼食をすませて下山することを説明し納得してもらいました。そこで会員が「三角点」の基準点標石などにについて説明して昼食をとりました。下山は、登った登山道をヒガラなど小鳥の囀りを聞きながら折り返しの下山でした。登山道の沢では、こども達が長さ4㎝くらいのサンショウウオや2~3㎝くらいの沢カニ・カエルなどを見つけて、手のひらに入れ観察しながら大喜びして楽しい下山となりました。
午後3時25分登山西口に全員無事に下山し、稲尾岳ビジターセンターにお礼を申し上げ、帰途につきました。バスの中の4時間は、こども達は登山での疲れも見せず元気そのもので、午後7時55分、父兄が迎える新冨町JA駐車場に到着、解散式となりましたが、こども達からは早くも来年の登山教室を約束されるなど、楽しい実り多いこども登山教室でした。


川の源流について説明を受けました

岩場の登山道を声をかけながら登る

枯木三角点基準標石などの説明を受けました


遅れた昼食美味しくいただきました

元気よく番号かけながら登山口西口へ

沢の登山道を足もと確認して登りました


全員元気で閉会式を行いました

むすび

 今回のこども登山教室は、台風11号のため、教室を開いて初めての日程変更となり、予定をして参加できなかったこどもさんにご迷惑をかけることになりました。登山は、曇り日であったため視界は良くありませんでしたが、みんなで力を合わせ元気で大自然を相手に多くの活動を体験することが出来た二日間でした。楽しい記念に残る登山教室が出来たことに感謝しています。



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