NO団体名主な企画内容
44 株式会社 今治.夢スポーツ イノベーション事業部「しまなみ野外学校」(愛媛県) 「シーカヤックで海を渡り無人島を目指す「島の冒険キャンプ8泊9日」」
"里山で最小限の道具で暮らす技を身につけて海を“冒険する・チャレンジする・体験する”を通じて、「本当の豊かさとは何なのか」に向き合う企画。"

速報レポート1 『島の冒険キャンプ8泊9日』

開催日:2018年7月25日(水)~8月2日(木)
開催場所:しまなみアースランド里山野営地・比岐島・平市島
参加者:小学生14人(▲男女比 男8:女6/▲学年別 小学4年4人、5年7人、6年3人/
▲地域別 愛媛県7、香川県1、福岡県1、愛知県1、静岡県1、大阪府2、埼玉県1)
    スタッフ4人・ボランテイアスタッフ1人・講師(技術指導含む)3人

◆1日目
 全国から14人の小学生が集まり、島の冒険キャンプ8泊9日が始まった。
 開村式を終え、各自のザックを背負って、本日の野営地を目指す。1日目の今日は、テントの建て方から、火の起こし方、お米がご飯になるまでの行程など野外生活術の基本を学び、今後の暮らしの中での役割を決める班会議などを行った。
 初日から、個性がぶつかり合ってはいたが、初めての活動の中で、お互いを感じ合いながらの時間となった。




◆2日目
 本格的に島暮らしの準備がスタート。朝の森の散歩と朝食を済ませ、無人島生活用のソロテント張りの練習を行った。無人島生活で1人一つのテントで寝ると言う事は、自然と人の距離がグッと近くなることを意味しており、子どもたちにとっては、寂しいのか、広い野営地に、みんな固まってテントを張っていた。昼ご飯には、自分の食べる分だけのお米を竹に入れて、配給された5本のマッチだけで火をおこしての竹ご飯作りに挑戦。
 いくつもの竹ご飯が、石のかまどの上を転がり、炊き上がる前にご飯をこぼしながら、なんとか完成。自分が食べる米の分量を知ると共に、失敗からモノの大切さを学ぶ機会となった。午後からは、海を横断する時の旗作り。チーム名も「協力班」「β班(べーター班)」と決まった。





◆3日目
 朝から野営地のベースキャンプを撤収し、いよいよ島へ出発。島から島へと渡る為、暮らしの道具の一切を防水バックに積み込んで、班で手分けして船へと積み込む。
 まだ見ぬ島の姿にワクワクが募るものの、台風の動向も気になり、出発前には、台風の動きと現在地の関係、決して人は自然に勝る事は出来ない事と、適応することの大切さを、ゆっくりと時間をかけて伝え、話し合った。
 準備が整い、今治の沖合5キロに位置する「比岐島」へと船で移動。班毎に生活の基盤を作りあげ、島暮らしが始まった。その後も、釜戸作りに、薪拾い、井戸水の汲み方と濾過の方法、洗い物の方法など島での野外生活術を学びながら自分達で実践していった。




◆4日目
 いよいよ、台風が近づいてくるため、朝から〝今までに経験の無い動きの台風だから、大人も子ども皆経験がない台風である事″を伝え、今後の活動について話し合いの場を設けた。その結果、必要なことを全力でやりきる、そして みんなで島に残るという決断に至った。その後は、風の向きを考えシーカヤックを陸に揚げ、薪や井戸水も確保し備え、テントやタープなどすべてを片付け、夜は廃校の校舎で全員で眠るという形で、台風に備えることになった。片付けと準備が一通り終わったため、無人島への旅が続けられる時がいつ来てもいいようにシーカヤックの練習へ。シーカヤックのパドリング、転覆後の再乗艇の方法などを学んだ。個性がぶつかり合い喧嘩も多いが、少しずつチームワークが生まれてきていた。




◆5日目
 台風12号が接近。ここはTVも電気も無いけれど、雲の流れ、気圧の情報、天気図は十分にとれ、波や潮の情報は、何処よりも目の前の海を眺める事でリアルタイムに手に入った。
 子どもたちは、刻々と変わる自然環境の見方と、何を準備し何をすればいいのかを、解るまでとはいかないだろうけど、備える動きをスタッフと共に一所懸命に行った。そして、台風が過ぎ去るまでの間、潮の満ち引きや潮流のこと、ロープワークなどを学んだ。午後には天気も回復、風と波が共に明日おさまれば、いよいよ無人島へ出発するため、お世話になった校舎の掃除や片付けをし、班毎に無人島生活計画書を作成するなど準備を進めた。




◆6日目
 朝を待っても、風は一向に収まらず、風待ちの時間が続いた。いつ出発のタイミングが訪れても良いように準備を進めながら、じっくりと自然の変化に向き合う時間。風と波が、みんなの行く手を拒んでいた。次第に気持ちは焦り出し、今直ぐでも行きたい子と、風のタイミングを待って行くべきという子の間で、話し合いを超えた衝突が起こり始めた。それでも風も波も容赦なく、目の前で繰り広げられる自然の変化になすすべもなく16時のタイムアップを迎えた。さまざまな思いが交差する中、互いにぶつかり合いながら、一歩また一歩と自然の事を学ぶことが出来た1日となった。明日は、再び無人島へとトライ!





◆7日目
 この日も風と波が行く手を拒み、島から島へ渡るには、たった1回のチャンスしかないだろうと、そのチャンスに、全ての行動を合わせて動いた。自然は常に一定ではなく、人が自然に合わせ行動することが大切だと何度も伝えられ、いつでも、出航できるようにシーカヤックの練習も重ねた。波と風を見つめ、まだ見ぬ無人島をイメージし、島と島の間の海が一体どんなんだとか知る由もなくただイメージして待ち続け、午後の凪の時間にそのチャンスが到来。小さな身体の全てを使って海の動きに合わせシーカヤックを漕ぎ、仲間と力を合わせ頑張って前に進み続け、無人島「平市島」に到着した。




◆8日目
 朝から、無人島で最後のご飯を済ませ、出発の準備を整えた。いよいよ5.5㌔先のゴール地を目指し、無人島を出発。仲間たちと漕ぎ進む時間を体いっぱいに感じながら、むき出しの自然の中、頑張ってゴールした。到着後は、少し前まで当たり前だと思っていた蛇口から水が出て、電気がある暮らしに戻り、冒険で使用した道具たちを洗っての片付けを行った。





◆9日目
 キャンプも、最終日。冒険の締めくくりとして、個々の振り返りを行い、班毎で冒険の報告書を作成した。閉村式には、家族も来られ、冒険の報告と写真によるスライドショーを行い、無事にキャンプは終了した。9日間の冒険を終え、今までに経験したことのない自然の変化を目の当たりにし、自然の中での時間は自然の変化の時の目安であり 常に自然の変化に合わせて動く事、そして このタイミングに合わせるために、時間を大切にすること、自らが動く大切さを感じてくれたことだろう。





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