NO | 団体名 | 主な企画内容
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社会福祉法人 扶助者聖母会 星美ホーム(東京都) |
「琵琶湖一周プロジェクト〜特性を自信に変えて〜」 "特別支援級通級児童たちが琵琶湖一周(約212km)を徒歩で7日以内に歩く活動。特別支援級通級児童の特性を踏まえ、活動内容が「わかりやすい」ことを重視している。" |
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速報レポート1
実施日 8月12日(月)~8月20日(火)
開催場所 琵琶湖
参加者数 小中学生 男子 10人 (特別支援級通級児童)
スタッフ 当施設職員5名
活動目的
児童養護施設に関わらず、発達や知的に特性をもつ、いわゆる「発達障がい」や「知的障がい」と
呼ばれる児童の割合が社会の中でも増加傾向にあり、当施設も例外ではない。
その特性から、学校生活も含めて日常から注意や指導をされることが多く、自己肯定感の低さなどにつながってしまっていることがある。
そのような児童に対しても、「特性を抱えているから」というだけで特別扱いし、チャレンジする機会を 奪うのではなく、特性に配慮しながら自らがチャレンジする機会を提供し、達成感や自己肯定感を高め、日常での意欲やチャレンジ精神につなげていくきっかけとする。
グループワークではなく、個人の挑戦に特化したプログラムになっていることも特徴的であるが、まず自分の 限界に挑戦し、乗り越えることで自信がつき、集団での共同作業に取り組めるようになるという段階的な取り 組みである。
活動内容
琵琶湖を舞台とし、午前7時から午後5時までの活動時間の中で、各自がどこまで歩くことができるのか という個人のチャレンジとなる。
活動中、自分で使用する荷物(テント・寝袋などのキャンプ装備・水など)は各自がザックに背負って歩く。
活動終了後は、伴走車が各自ピックアップし、キャンプ場でテントを張り、食事、ふりかえりを行う。
翌日は前日歩いた場所まで伴走車で送り、そこから活動再開し、琵琶湖1周を目指す。
特別支援級通級児童の特性を考慮し、活動と生活を明確に区切ることで児童にとってもメリハリをつけやすく、特性のある児童が活動に集中しやすいように配慮している。
また、特性のある児童にとっても活動の「わかりやすさ」を重視し、視覚的にも達成感などをより体感できる ものとするために「琵琶湖1周」というインパクトの強い活動にしている。
8月12日(月)
東京から伴走車で琵琶湖スタート地点である「神明キャンプ場」へ。
8月13日(月)
神明キャンプ場 ~ 道の駅あじかまの里・片山公民館 など 歩行距離 24km~38km
初日は各自の気持ちに差があり、先にどんどん進む児童、先に進む児童に置いて行かれまいと、必死についていこうとする児童、反対に少し歩いてはすぐに立ち止まり、休憩してしまう児童など、ペースに差が出る。
毎日行うふりかえりで、自分がどう取り組みたいのかということを改めて言語化してもらい、翌日につなげた。
8月14日(火)
道の駅あじかまの里・片山公民館 など ~ 白浜キャンプ場・今津港など 歩行距離 31km~36km
初日より明らかに各自の歩く距離が伸びた。モチベーション、気持ちは何においても大きく影響する。
8月15日(水)
西日本に台風上陸のため、活動中止。キャンプ場バンガローで待機。
8月16日(木)
白浜キャンプ場・今津港 など ~ 大津市坂本丸亀製麺・逢菜駅 など 歩行距離32km~36km
台風一過の中、各自、自分の目標設定をし、黙々と進む。
個人チャレンジではあるが、どうしても近くを歩く児童を意識する。
「ついて行きたい・負けたくない」という思いが交錯する。
8月17日(金)
大津市坂本丸亀製麺・逢菜駅 など ~ 琵琶湖大橋・矢橋規範島駐車場など 歩行距離33km~38km
連日30km以上の徒歩は想像以上に体力を消耗させる。足などの身体の痛みを抱えながら、それでも 前を見据えて必死に歩き続ける。歩行距離の差もなくなり、各自の意識の高さを感じさせる。
8月18日(土)
琵琶湖大橋・矢橋帰帆島駐車場など ~ 滋賀県立大学前・近江八幡付近など 歩行距離36km~38km
8月19日(日)
滋賀県立大学前・近江八幡付近 など ~ 神明キャンプ場 歩行距離 12km~25km
活動最終日。早い児童は午前中にゴール地点である「神明キャンプ場」に到着。活動終了時間までに全員がゴール。安堵、雄叫び、笑顔など充実した表情が見られた。年によっては、早い児童との差が1日空くこともあるが、今年は全員が同日にゴールすることができた。
活動後は、お互いをたたえ合ったり、大変だったことを笑顔で語り合ったりするなど、明るく穏やかな雰囲気であった。
総歩行距離:約191km
8月20日(月)
総まとめのふりかえりを実施(ふりかえりシート・アンケート・作文など)し、帰京。
2014年からこの活動を開始し、毎年継続しているので連続して参加している児童もいる。昨年度の自分とも比較しやすいため、昨年度と比べた自分の成長を感じることができている。
子どもの感想(抜粋・原文のままですが、ひらがなを漢字に変換したものもあります)
- 「2年目はクリアしたけど、全然追いつけなくて今年は少し心配だったのです。ですが、これにかんしては今年の内容はよかったと思うので、自分的にはよいと感じることができました。」
- 「始まる前の気持ちは簡単だと思っていました。歩いている時は、簡単ではありませんでした。歩いている 時はいやだなって思った時もありました。しかし、ゴールした時、達成感がありました。終わってみて 給水も食事も自分でしっかりできたのが、ゴールにつながったのかなと思います。これからは、琵琶湖1周と同じで、最後まであきらめないですることをがんばろうと思います。」
- 「最初歩いているときはあきらめかけちゃったけど、どんどん歩いていくと、成功するかなーと思いました」
- 「終わったあとは達成感がありました。来年もクリアできるようにがんばりたいです。」
- 「最初はちょっと簡単だろうと思いました。歩いたとき、自分は琵琶湖1周プログラムをなめているなと思いました。なぜなら、1日目の歩くスピードではゴールにたどり着けないとわかったからです。途中、疲れて気持ち的にあきらめてしまいましたが、クリアしたとき、自分の目標時間よりも大幅に速くゴールできたのがうれしかったです。」
- 「自分のせいにはしていなくて、他のことのせいにしていたけど、でも本当は自分自身でやるものなんだなと思いました。」
- 「毎日決めた目標の場所にたどり着いたことがうれしかったです。」
- 「これからは何でも人のせいにしないということをがんばりたいです。」
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