NO | 団体名 | 主な企画内容
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NPO法人 国際海洋自然観察員協会(東京都) |
「"「イルカのKちゃん」を救える、未来のヒーローは君だ!"」 "小学校への出張・環境教育授業「イルカのKちゃん」のフィールド版として、野生のイルカと一緒に遊ぶことに挑戦する3泊4日のサマーキャンプ。" |
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速報レポート1 「イルカのKちゃん」を救える、未来のヒーローは君だ!
日時:2019年8月19日(月)~8月22日(木)3泊4日
場所:石川県七尾市能登島の海岸、浜辺、内湾。能登島・民宿山水荘
参加人数:計32人(小学生18人・大人6人・指導者7名・地元の子1人)
主催:株式会社ルネサンス、NPO法人PACI国際海洋自然観察員協会
協力:能登島民宿・山水荘
1日目
●水族館見学
子供たちが初めて顔合わせをして、さっそく「のとじま水族館」へ!
みんな緊張した顔つきでまだまだ笑顔が少ない様子でした。
今回のプログラムでは4つの班に分かれて行動しました。
入館して魚やアザラシなどを観察していくうちに班の仲間やスタッフとも会話が増えていき、笑顔も見られるようになってきました。お土産もみんなで選んでいる姿が印象的でした。
もっと水族館にいたいという声が多く聞こえ、好調な滑り出しができました。
●『イルカのKちゃん』
その夜、山水荘にて今回のメインプログラムを実施しました。
ここで私たちが考えるヒーローとは環境問題に興味を持ち、イルカについて学び、海で泳げるようなスキルを身に着け、将来イルカを救えるような人になるための一歩を踏み出せる勇気を持つことです。
人が出したゴミによって苦しんでいる生き物たちの画像や、絵本『イルカのKちゃん』を使い子供たちに現状を伝えました。
みな、騒いだり、寝てしまうこともなく真剣に聞いてくれていました。
中にはメモを取っていた子もいて驚きました。
後半はもっと知るためにいくつかクイズを出題したところ、元気に答えてくれました!とても興味を持ってもらえた良いプログラムになりました。
2日目
●スキンダイビング講習
前日からの雨と風の影響で、予定を一部変更して午後からスキンダイビング講習を行いました。
まずは陸で、フィン・マスク・シュノーケルの装着練習から始めます。
装着の手順を学生たちが指導します。不慣れながらも、見よう見まねで一生懸命に取り組む子供たちの姿が印象的でした。
入水後は陸でやるものに比べてさらに難易度が上がります。学生スタッフの手を借りながらも、水面の移動やマスク・シュノーケルクリアに挑戦です。
魚を自分の目で確認すると、「魚が見えた!」とあちこちで歓声が上がっていました。
約1時間半の講習を終え、苦戦しながらも一生懸命に取り組んだ子供たちからは泳ぐことが楽しいといった声が多く、また講習の休憩の時間には前日の授業を受けて浜辺のゴミ拾いに取り組む子供の姿も見受けられました。
前日からのドルフィンスイムへの動機付けによって、子供たちの海に対する心の変化が目に見えて現れました。
●ウミホタルの採集、観察会
海から帰った後は、夜のプログラムに向けた準備を行いました。
山水荘周辺の海で見ることのできるウミホタルの観察です。
学生スタッフ手作りの仕掛けを使います。
仕掛けにはウミホタルのえさである生肉を入れていきます。
えさを入れた仕掛けを、各班ごとに海に入れて夜の観察会を待ちます。
夕食後に、みんなで食堂に集まって夜光虫について少しだけ勉強会を行いました。
ウミホタルの生態などクイズを交えて解説します。
どうして光るのか、オスとメスの違いは?といった疑問を投げかけると、子供たちは自分なりに考えて、私たちに伝えてくれました。
勉強会を終えて早速仕掛けを開けると、子供たちの歓声とともに青白く光るウミホタルが表れました。
ウミホタルを大きなトレイに乗せて観察します。
学生スタッフの「触っていいよ!」の声に、子供たちは恐る恐る、でも興奮気味にトレイに手のひらを浸します。
パッと手を挙げると、小さな手のひらには無数のウミホタルの光が。
見て、触れて、里海に棲む命を体験した後は、全員でウミホタルを海に返しました。
三日目
●ドルフィンスイム
三日目はいよいよ船に乗り込んで、内湾ドルフィンスイムです。
ドルフィンスイムの前に、全員で野生のイルカを見るための「作戦会議」と称したブリーフィングをイルカのガイドでもある山水荘スタッフの方に行っていただきました。これから目の当たりにする野生のイルカたちに、子供たちの期待と緊張が伝わってきます。
ブリーフィングを終えて、いよいよ乗船です。
勢いよく風を切って進む船に、子供たちは大興奮。
どのくらいの速度で走っているかを船長に聞くと、一日目の授業を思い出したかのように「イルカと同じ速さだ!」と話す子供たちが印象的でした。
それと同時に、一日目からのイルカや海に対する気持ちは、大きくなっていると感じました。
また、三日目ともなると地元枠で参加した子供も打ち解けてすっかり仲良くなっていました。どの土地で生まれ育ち、どこから来たのかというような壁は取り払うことができたのではないかと思います。
いよいよ船から降りて、野生のイルカと泳ぎます。
子供たちは前日の講習を活かそうと、自分なりに考え、工夫する姿が多くみられました。
学生スタッフの指さす方向には、数頭のイルカたちが。大きな背びれに歓声が上がります。イルカの回り込む進路を予想して、一斉に潜ります。
しばらくして水面に顔を上げた子供たちは、「イルカ見れた!」と嬉しそうに報告してくれました。
イルカの他にも魚を見つけては報告してくれる子、足のつかない海で泳げるようになった子など子供たち一人一人がそれぞれに成長を遂げていました。
ドルフィンスイムの後は、このキャンプの趣旨であるヒーローを決める表彰式です。
3、4年部門からは女子一名。5、6年部門からは男子が一名選ばれました。
選出者は、ルネサンスのスタッフの方々。
受賞者へのコメントは、以下の通りです。
3、4年部門
「このキャンプを通して、一日目に習ったことを最後まで実践していたのは誰よりもごみを拾っていました。一番ヒーローに近づこうと努力していたように思います。」
5、6年部門
「一番意外な彼ですが、人知れず食事の後の片付けをしたりと、縁の下の力持ちとしてみんなを支えてくれていました。誰もやりたがらない、気づかないところまで気を配ったりと、全体を通して一番成長が見られました。」
4日目
●最終日
最終日の朝に、子供たちは学生スタッフと別れます。
最後の最後まで、子供たちも学生スタッフも全員が笑顔で過ごすことが出来ました。この結果は、変えることのできない事実であり、私たちが四日間で得た何よりの財産だと思います。
このひと夏の四日間を、子供たちと共にすごし、ヒーローになるプログラムを実行していく中で、自然を守るヒーローとは私たちが当初考えていたものより、はるかに大きいものだと分かりました。
イルカを見る観察眼があったり、潜る技術があることも大切ですが、それ以上にリーダーシップ、ホスピタリティなど総合的な人間力がヒーローになるうえでは重要だと感じます。
また、未来のヒーローになる子供たちは自然体験を通して、それぞれに成長を遂げ、各々のヒーローになっていくのだと四日間の子供たちの成長を見て感じました。指導や、授業を工夫し、現場で試行錯誤しながらプロジェクトを進めた学生スタッフも、子供たちと共に学び・成長することができました。
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