その松尾小学校の森は,京都市から遠く離れた福島県只見町の山林にある。去年は,現地で植物観察や調査を行ったので,今年はもっと自分たちの身近な自然について目を向け,息長く継続して環境を守る実践活動を行えるように配慮した。
今年の取組の大きなものとして「自然と人間との共生を考えるキャンプ」「嵐山・桂川のクリーン大作戦」「水を守るために山を守ろう」を行うことにした。
子どもたちは,毎月1回,環境について考える機会を持ち(松尾エコクラブ月例会)環境について講師を呼んで理論的に学習し,「地域を美しくしよう」といったクリーン作戦,空き缶や古紙集めを精力的に行ってきた。夏の環境キャンプでも,自然に対して受け身で動くのではなく自然のよさを感じようと能動的に動いていた。3泊4日のキャンプの中で,できるだけ環境に負荷をかけないようにしたが,人間がそこで生活すること自体,大きな負荷であることも感じることができた。
また,京都の名所の1つである嵐山周辺でクリーン作戦を行うことで,各地から来ている観光客にも環境を守る運動をアピールできたし,地域の住民も子どもたちが動く姿を見て,ゴミをそこいらに捨てなくなったためなのか地域のゴミがうんと少なくなるという効果があった。この活動も,自分たちと水との関わりを視野に入れた活動として,川に住む野鳥や生物などにも目を向けられるようにしてきた。
さらに,自分たちの飲み水と山との関連について理解し,行動していく力をつけようと間伐や植林を行った。
これらの野外での体験活動から「環境を守るためには,木を切ってはだめで,木を植えなければいけないと思っていたのに,逆に人間が手を入れた森を守るためには,木を切らなければいけないことも分かった。」
「僕らの飲み水を守るために,山を守らなければいけないことが分かった。山と川がつながっていることにはびっくりさせられました。」
「僕らの住んでいるすぐ近くの桂川にもオオサンショウウオが棲んでいて,身近な自然を守る大切さが分かり驚きました。」など
今まで知らなかったことに気付き,新たなものの見方ができるようになったことに感動していた。
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こんなところまで缶が落ちている
缶はできるだけ小さくね
地域の人を巻き込んでクリーン作戦 |