主催団体:東京都渋谷区立中幡小学校 実施期間:10月23日〜25日 飯田自然体験学習の目的は、自然の中で生活し、協力や自立の精神を養うこと。自然環境に触れて、豊かな自然観、科学観を育てること。そして、この体験学習のメインイベントとが森づくりだ。現地で採取したどんぐりを持ちかえり、学校で発芽させ、1年後、育てた苗木を後輩たちが植樹して、「中幡の森」をつくる取り組みである。 囲炉裏のある暮らしにタイムスリップ
中幡小学校の6年生は2クラス。クラスごとに、昭和初期に建てられた、「からまつ屋」と「ますや」に、それぞれ分宿した。屋内の明かりは、裸電球と破れた障子から差しこむ光だけだ。黒光りした上がり口の床に囲炉裏が切ってあり、天井は煤ですっかり黒ずんでいる。宿泊出来るようにと、水道や電気は引いてあるものの、炊事はすべて囲炉裏とカマドでまかなわねばならない。「ますや」にはカマドが二つあった。 一歩家の中に足を踏み入れた子どもたちは、カルチャーショックを受けたようだ。このような環境で、どう生活するか、一瞬、思考が停止状態になった。しばらくして、「わーぉ」という歓声とも、驚きとも聞こえる呟きが耳に入った。 学校生活の延長の自然体験 校長は名プロデューサー 自然体験学習が奨励義務になったからといって、全ての学校が自然体験に力を入れているわけではない。 熱心な先生達に加えて、仕事を休んで手伝いにきた保護者、休暇をとって参加した看護師。地元飯田市のビデオ制作グループも、記録係としてボランティアの密着取材。川崎からは樹木鑑定の専門家が指導に加わった。「中幡の森」の土地も、地元農家の提供である。渋谷区の教育委員や指導主事も応援に駆けつけた。これも杉原校長のネットワークの賜物だろう。 杉原校長は「私はスタッフに恵まれました。だから出来ました。」しかし、「あと2年で定年です。これをだれが引き継いでくれるのか、それが心配です。」と寂しげな表情を見せた。 20年後に「中幡の森」を見にいこう
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