NO団体名主な企画内容
3 公益社団法人 日本山岳会 北海道支部(北海道) 「日本山岳会北海道支部 第17回子供サマーキャンプ(自然児学校)」
北海道・日高の自然豊かなキャンプ場でテント生活をしながら、ツリークライミングや登山、星座観察などを体験して自然と親しむ。パン作りやスイカ割りなどの生活体験を通して、チームワークや自立心を育む活動。

速報レポート1

実施日:2016年7月29日(金)~31日(日)
場 所:北海道日高町 国立日高青少年自然の家 からまつキャンプ場
参加者:小学生2年生~6年生 29名 児童保護者2名
    運営スタッフ 25名(うち医師1名 看護師1名)
    ツリークライミング講師 5名

29日(金)
梅雨前線の北上で局地的に大雨の降る不安定な天気となり、キャンプ初日は予報通りの雨。予定したプログラムを消化できるか危ぶまれる中、案の定キャンプ場はテントが張れない状態に。急きょ開校式も雨のあたらない炊事棟で実施することになった。それでも昼食を食べてしばらくすると雨はあがり、初日のメインプログラム「ツリークライミング」は可能ということでフィールドに移動する。用具やセットしたロープの数の関係で子供たちは2グループに分かれてツリークライミングに挑戦した。専門のスタッフからヘルメットの付け方やロープの操作方法、安全確保のポイントのレクチャーを受けた子供たちは瞬く間に見上げるような高さに登り、普段は見られないところからの絶景を楽しんだ。一方のグループがクライミングをしている間、もう一方はキャンプ場に残り、スイカ割りを楽しんだ。
夕食は北海道らしくジンギスカンに焼きそばを食べ、テントで初日の夜を迎える予定だったが、雨が止んだ後もキャンプ場のコンディションが悪くテントが張れないためこの日は急きょ青少年自然の家の研修ルームでの宿泊となった。


ツリークライミングを楽しむ子供たち

30日(土)
2日目は5時半に起床後、自然の家からキャンプ場に移動し、ラジオ体操をする。朝食後、登山用に昼食のおにぎりと飲料水、おやつを配布し、バスで日高町のとなり町、むかわ町にある「坊主山(790m)」の登山口に向かう。登山は当初、日高町にある日高山脈で唯一コマクサがみられるペンケヌーシ岳(1750m)を考えていたが、下見登山の結果、沢伝いのコースで大人数の小学生を安全に引率するのは無理と判断して、以前にこのキャンプで登山の実績のある「坊主山」に変更した。登山口は林道を標高530mまで登ったところにあり、そこからよく整備された登山道をワイワイ言いながら頂上を目指す。この日も予報は雨だった時折陽も差す、まずまずの天気で雨具を使うことはなかった。ただ数日来の雨で水が流れる登山道を歩いたり、やや水量の増えた小さな沢を渡ったりしたのは、子供たちにとっては新鮮だったようだ。また、この山は標高700mを超えると樹林がなくなって、斜面がほぼ一面笹原という独特の景観が広がり、標高のわりに高い山に来たような気分になるが、頂上に着いたときは残念ながら霧がかかり、遠くの景色があまり見られなかった。下山後はキャンプ場に戻り、子供たち、スタッフが一緒になってテントの設営。12張りのテントをおよそ1時間かけて汗をかきながら設営する。また、翌日の炭火のパン焼きに使う柳の枝の皮むきをする。若い柳の枝の皮がナイフを使わなくても手で簡単にむけるのに驚きながら子供たちはあっという間に100本ほどの枝の皮をむく。夕食は定番のカレー、そしてその後はいよいよお楽しみのキャンプファイヤーとなる予定だったが、夕食を食べ終わると突然、スコールのような激しい雨降りに。キャンプファイアーは中止かと思われたその時、スマホで雨雲レーダーを確認したスタッフが「雨は1時間で止む」と予報、その通りに午後7時前に雨はあがり、予定通りキャンプファイヤーを決行。スタッフが扮する火の神が、女子児童が扮する火の女神に種火を授ける厳かな点火式のあと、盛大に燃え上がるキャンプファイヤーを囲んでの歌やゲームでサマーキャンプは最高潮に達した。


坊主山(790m)頂上で記念写真

31日(日)
ラジオ体操、朝食のあとこの日も突然の雨が降りだすが1時間ほどで止む。各自荷物の整理の後、昼食用の炭火のパン焼き講習とダッチオーブン講習を開く。炭火で焼くこのパンはサマーキャンプの定番プログラムで素朴な味が子供にも大人にも大好評だ。作り方はいたって簡単で小麦粉に卵、牛乳、砂糖、塩、オリーブオイル、イースト菌をビニール袋に入れ暖かいところにおいて2時間半ほど発酵させるだけ。あとは生地を柳の枝に巻き付けて炭火にかざすだけ。一方、ダッチオーブン講習は今回新たに取り入れたプログラムでキャンプ料理の王道といわれるダッチオーブンの仕組みと料理方法、できた料理の味を楽しんでもらおうと考え、野菜たっぷりのローストチキンを作ることにした。予算や手間の関係で今回使ったのは3個のダッチオーブンで材料の仕込みなどはスタッフが行い、子供たちには炭火の使い方、鍋の下だけでなく蓋の上にも炭を載せて加熱するなどを実演してみせた。
お昼前いよいよパン生地の発酵が終わり、参加者全員が一斉に柳の枝にパン生地を巻き付け炭火にかざすとあたりにはパンの焼ける香ばしいにおいが漂う。焼きあがったパンはそのまま食べるもよし、ジャムやバターをつけるのもよし…、それぞれ思い思いの食べ方で手作りの味を楽しむ。そうこうしいているうちにダッチオーブンのチキンも焼き上がりスパーシーな香りが食欲をそそる。こちらは一緒に焼きあがった野菜とともにさらにとりわけ、
豪快にして豪華なランチとなった。テントの撤収、キャンプ場の清掃などのあと全員で記念写真を撮影、閉校式を行い、キャンプ場近くに温泉で汗を流し2泊3日の充実のキャンプを終えた。





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