NO団体名主な企画内容
2 阿寒アイヌ工芸協同組合(北海道) 「「アイヌ文化体験キャンプ」〜アイヌ伝統的生活空間「イオル」の再現〜」
"狩小屋作り(2棟)を体験し、実際に宿泊することでマツの香りによる快適な睡眠を実感する。また、渓流釣り・オハウ作り(アイヌ料理-汁物、鹿、鮭を利用)により漁撈・食生活を学ぶ。"

速報レポート1

実施日  8月9日(木)10日(金)、11日(土)2泊3日
開催場所 阿寒湖アイヌシアターイコロ周辺
     阿寒湖に注ぐ硫黄山川
参加者数 小学生(小3~小6)12名、中学生(中1、中2)5名 計17名
       内中学生2名は、参加2日間
スタッフ 全体指導2名、各部門指導8名   計10名
活動の目的

 アイヌ文化キャンプは今年で4年目を迎えます。先住民族であるアイヌ民族の伝統的な生活体験をすることにより、アイヌ文化と自然とのともに生きることの意味を学ぶことを目的とする。

活動内容

 開催日が台風13号の影響により、1日半の雨と1日半の曇り空の中での開催となった。1日目の狩小屋作り、2日目の丸木舟体験は中止として、雨天用のプログラムの実施となりました。

※〔 〕はアイヌ語です。

1日目(8月9日)雨のち曇り
 自分のニックネームを名札に書く。-アイヌ民族は、山に入る時など悪い魔物に名前を知られないように、決して本名で呼ばなかったため、このキャンプでも3日間にわたり全てニックネームで呼び合います。

 初日の作業は狩小屋〔カシコツ〕作りにより、宿泊はこの狩小屋に泊まるというのが最も楽しみな活動ですが、雨のために出来ませんでした。そのため、宿泊はアイヌ民族の家〔チセ〕を復元し小さな家〔ポンチセ〕に宿泊することになりました。


後方は昨年作った狩小屋。この小屋を解体し、手前のあるトドマツの枝葉で作る予定でした。なおトドマツは山を所有する地元の財団の協力を得ています。

〇はし作り
 ヤナギの木を削り3日間使用する箸を作ります。そのあとはアイヌの民族楽器である〔ムックリ〕作りです。音が出るように竹を削っていきますが、最後に丈の厚さの微妙な加減が難しいです。


はし作り

ムックリ製作

〇今日の夕食は、〔ユックオハウ〕鹿肉の汁ものと飯盒で炊いたご飯です。



〇夕食後は、アイヌシアターでの古式舞踊公演を鑑賞し、〔ポンチセ〕での宿泊になります。アイヌの人たちは囲炉裏の火を決して絶やすことがなかったこと。そして、囲炉裏には火の神〔アペフチカムイ〕がいて、アイヌ民族にとっては一番身近で大切な神であることを教えてもらいました。



2日目(8月10日)小雨後曇り
 朝から小雨でした。朝食はパンとサラダです。自分で焼くなど好みの食べ方を自分で決めます。



 午前中は、古式舞踊の体験です。女子は鶴の舞〔サロルンカムイ〕で阿寒アイヌ民族古式舞踊保存会の指導を受けました。男子はキャンプに参加している地元の中学生3人が、弓の舞〔ク リムセ〕の指導をしました。アイヌコタンの子供たちは小さい時から踊りを踊っているため指導も大変素晴らしく、参加した皆もしっかり踊っていました。




 午後からは曇りでしたが、硫黄山川で渓流釣りを行いました。この釣りに関しても、地元の阿寒湖漁業組合の特別許可をもらっています。昨日からの雨のために水量が多く流れがいつもより早く、釣りとしてちょっと難しかったようですが、ニジマス、イワナなど29匹の釣果がありました。
 夕食は、豚肉オハウと釣った魚をから揚げにしていただきました。とてもおいしかったです。




 夜は囲炉裏のそばで、アイヌのお婆さん〔フチ〕のお話しを聞きました。フチの子供のころ話しフチのおじいさんやお婆さんの事、子供を集落〔コタン〕で育てることや名前を付ける事などの他、クマの霊送り〔イオマンテ〕の話や神様へのお祈りの儀式〔カムイノミ〕についても教えてもらいました。




3日目(8月11日)曇り
 午前中は朝食後に後片付け、荷物整理、掃除等を済ませ、11時よりアイヌコタンの横の新設した駐車場の安全祈願の為のカムイノミ(アイヌのお祈りの儀式)が行われました。普段カムイノミを見る機会はありませんので、いい機会なので見学させてもらいました。今何をしているのかを、全体指導の椎久慎介氏が小さな声で解説しながら勉強しました。みんな神さまの前では神妙な顔をしてました。




 閉会式では、一人ずつ感想を話しました。






■別年度のレポート
2015年度 『アイヌ文化体験キャンプ』~アイヌの伝統的生活空間「イオル」の再現~ 実施レポート

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