NO団体名主な企画内容
1 阿寒アイヌ工芸協同組合(北海道) 「『アイヌ文化体験キャンプ』~アイヌの伝統的生活空間「イオル」の再現~」
イオルとはアイヌ語で山林・川筋・水辺を中心とした衣食住から儀式まで行う自然の領域の事。小屋を作り、山菜採りや釣りをし、丸木舟体験、山林ウォーキングやムックリ(アイヌ楽器)演奏などアイヌの伝統文化や自然と共生することを学ぶ体験活動。

速報レポート1

実 施 日 2015年7月29日(水)~31日(金) 2泊3日
参加児童数 15名 (内訳 中学生-1名、小6年-3名、小5年-6名、小4年-3名、小3年-2名)

29日11:00
開会式
「アイヌは、森の中で自分の名前を言わない、悪い魔物に知られるので。そこで名札の名前は愛称にしました。」



キャンプ場に移動して、テント設営。
最初に説明を真剣に聞いています。
ほとんどの子供は、家型テントは初めてでした。



13:00  アイヌの仮小屋 クチャ(アイヌ語)
ここ阿寒湖は、昔、釧路や網走方面のアイヌが、狩猟・漁労に来る場所で、湖の湖岸に湧き出る温泉のそばで、仮小屋(クチャ)を立てて、数週間から1カ月間ぐらい生活したそうです。
ヤナギの木で骨組みを作り、トドマツの葉で屋根を作ります。中にはヨモギの葉を敷き詰めました。これにより蚊などの虫を防ぐ効果があるようです。トドマツは、地元の前田一歩園財団
の職員が、直径20㎝のトドマツを3本を伐採して提供してくれました。ここには、ボランティアの青年1名と大学生3名が、2日間実際に泊まりました。





15:00 
キャンプの3日間、使用する「マイはし」作りです。イチイ(地元の呼び名オンコ)の木2本(20㎝)を、切り出しナイフで切っていきます。参加者中、カッターで鉛筆を削った経験のある子は3人でした。けがをしないように細心の注意を払いました。おかげで手を切った子はいませんでした。このはしは3日間使用し、お土産として持ち帰りました。




30日6:30
アイヌの楽器ムックリの練習中です。3日間の課題で最後の日に発表があります。みんな一生懸命練習してました・。ボランテイアの大学生の指導によるラジオ体操です。




9:30
白湯山(標高950m)登山の出発です。キャンプ場から阿寒湖スキー場へ、スキー場のゲレンデの途中から、白湯山の登山口になります。登山口まで約約1時間15分(頂上展望台までは2時間15分)の行程になり、特にスキー場のゲレンデの坂が急で、このコースで一番の難所でした。曇り空で気温、湿度も高く雨の予報だったため、元気な6名が頂上を目指す事になりました。他のメンバーはスキー場で断念し、阿寒湖畔のネイチャーセンターの見学に行きました。木や草花のアイヌ語名の解説や途中温泉がわき出ている所ボッケ(アイヌ語)を見ながら頂上の展望台を目指しました。頂上では、自分たちで朝に作ったおにぎりを食べました。天候が悪くなりそうなので、早々に下山をしましたが、やはり雨が降ってきて、カッパを着ての下山となりました。キャンプ場についてから、体が濡れているので、すぐにみんなでアイヌコタンの温泉に入りました。







16:00炊事風景です。
2日目は豚汁です。1日目はカレーライスだったので、作っている様子に少し余裕が見られます。隣りは飯ごう炊飯です。こちらは3回目なので余裕が出ています。



20:00 アイヌのフチ(アイヌ語でおばあさんの意味)からお話しを聞きました。
アイヌ語によりイランカラプテ(こんにちはの意味)の意味や、あいさつのことば、この言葉も北海道の南の方と、東の方では違う事も教えてくれました。アイヌは自分たちに関わりがあるものだけに名前がついていること。そして、それは、神の国から来た神さまたちであることなど。アイヌの人たちの神さまに対する考え方を教えてくれました。そして、自然と共生してきたアイヌの智恵も教えてくれました。



21:00阿寒湖アイヌシアターにて「イオマンテの火まつり」鑑賞
昨日は、20:00から「アイヌ古式舞踊」を鑑賞。今日は、「イオマンテの火まつり」です。2日間に渡り、アイヌの人たちが伝承してきた歌や踊り、楽器のムックリやトンコリの演奏などを堪能しました。どちらも最後にお客さんが参加して「輪踊り」を踊る演目があり、全員参加して踊り子さんや観光客の皆さんと一緒に踊りました。ちなみにアイヌ古式舞踊は、国の無形民俗文化財であり、ユネスコ世界無形文化遺産に登録されています。(阿寒湖アイヌシアターは、キャンプ場から国道を横切って、徒歩5分の所にあります。)



31日8:00
朝食の後、荷物整理し、テントの撤収をする。テントのたたみ方の指導を受ける。



9:00 
キャンプ場から徒歩で20分の硫黄山川で渓流釣りを行う。ヤナギの木のさおで釣りに挑戦する。釣果はニジマス・アメマス・ウグイなど釣れました。初めて渓流釣りを経験した子供たちは、とても喜んでいました。



12:00 閉会式
ムックリの発表はグでループ単位での発表になりました。また、学年順にこのキャンプでの楽しかったことを話しました。キャンプの指導者からは、炊事や片付けなどみんながもう少し積極的に取り組んで欲しかった旨話がありました。2日目の午後は雨が降ってやんだ後、高温多湿の上無風で,蚊の大群に襲われみんな被害に合い、来年度に向けては虫の対策が課題となりました。また、いただいたチキンラーメンは、2日目の朝食と3日目の昼食として利用させていただきました。誠にありがとうございました。






■別年度のレポート
2018年度 「アイヌ文化体験キャンプ」〜アイヌ伝統的生活空間「イオル」の再現〜 実施レポート

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