NO団体名主な企画内容
40 尼崎市立成徳(せいとく)小学校(兵庫県) 「成徳小学校の自然を持続可能な形で「豊か」に開発しよう」
卒業生から継承した校内の自然に対する思いや活動を今につなぐ。森が3つあり、せせらぎなど大きなビオトープがあるような校内の自然をどうしたら「豊か」にできるのかSDGsを知り、考え、調べ、動き、発信することを通して、社会や世界の困難な課題に立ち向かう力を身につける。

速報レポート1

活動日: 令和4年10月5日
活動場所: 尼崎市立成徳小学校 体育館 校庭 理科室 中庭
参加人数: 児童43名、教員2名、講師4名、計49名
これまでの活動

5月2日 成徳の自然を持続可能な形で「豊か」に開発しよう!発進!!

まず去年の6年生も教えてくれたSDGsとは何かを詳しく知ろうです。
SDGsの考え方を知らないと活動の方向が定まりません。「持続可能って?」となってしまいます。
学校の中だけで、完結させるのではなく、世界の中で、どんなことが起こっていて、どんな課題があるのかを知った上で、身近な所から具体的にアプローチすることが大事だと考えます。
尼崎の役所と連携し、小田生涯学習プラザから講師の先生に来てもらい、SDGsの大きな枠をつかみました。
子ども達からは、「今だけ、自分のまわりだけでなく、未来のみんなのことも考え、環境や資源を壊さずに、次の世代に残しながら、今の生活をよりよいものにするための17の目標なんだと分かった。」「このままの生活の仕方では、地球がなんこあっても足りへんって、びっくりしたし、こわいなぁと思った。」などの声が聞かれました。
このインプットを次にどう子ども達はつなげていくのでしょう。

5月6日 今年の「豊か」とは何かについて徹底議論!

去年の6年生からの活動報告を振り返り、成徳を「豊か」にするためには、一年だけの活動でそれを達成するのは、難しいということ。持続していくことが、必要であると確認し合いました。
ということで、活動の柱は2本。先輩の活動を引き継ぐ。自分たちで新たにアクションを起こす。

まず、自分たちの学校生活を振り返りました。自分たちが毎日行っている朝掃除(朝ピカ)や下級生の休み時間の様子などをもとに、成徳の自然を「豊か」にする、「豊か」とは何か。入り口が大きいだけに、難しい。
国語の時間に使っているウェビングの手法をつかいながら、学年全体で、広げていきました。

その結果、今年の「豊か」とは、

  • 守る
  • 育てる
  • 活用する
  • つながる
  • きれい
  • 共同して生きていける場(住み家) となりました。
    これらは、私たちが下級生に残したいものにつながり、それがやがて「成徳らしさ」になる。

〈大きなゴール〉は
SDGsを知り、自分たちにできることは何かを考え、調べ、動き、発信する。
だということも確認しました。

フィールドは、池・せせらぎ・森・土・水田・畑から絞っていきます。

5月17日 成徳の「今」をフィールド調査!

今年の「豊か」とは、・守る・育てる・活用する・つながる・きれい・共同して生きていける場(住み家)と決めた子ども達は、早速フィールド調査を始めました。森やせせらぎなどが今年決めた「豊か」の観点での課題を見つけるのです。
その活動の結果、池・せせらぎチームと森チームに分かれることにしました。

池・せせらぎチーム
引き継ぐ…浄化
始める…池の修理・生き物の隠れ家

森チーム
引き継ぐ…堆肥・役立つ草(藍染)
始める…森の中を明るく・生き物の住み家

森チームは、早速、「尼崎21世紀の森」の方に協力していただき、花壇の土づくりをして、藍の苗を植えました。

6月3日 チームに分かれて、課題解決について講師の先生からヒントを学ぶ!

森・池・草木・小鳥のチームに分かれて、自分たちが課題としたことに対してどんな風に解決の手段があるか、自分たちで調べた上で、講師の先生から学びました。
今回は、森チームにフォーカスをあてます。
まず、堆肥を専門にされている講師の方から、良い土について学びました。また、その良い土が学校のどんなところにあるかということも、調べました。すると、良い土は、ふかふかで、黒い。森の落ち葉の下をめくってみると、ありました。「運動場の色とは全然違うね。」「柔らかい~。」
では、堆肥を作るにはどうしたらいいか。朝の清掃活動(朝ピカ)で出た落ち葉をごみとして捨てるのではなく、活用するために、堆肥のつくり方について、学びました。
また、池グループが、学校の池の水が老朽化のため底から抜ける問題を解決したい!ということと連携したらよいということもアドバイスをもらいました。
なんでも、大きな視野でつなげて考えていくことが大切ですね!
池チームが、池のヘドロをさらう時に、それをためておいて、定期的に堆肥箱に入れるというものです。
藍染の仕方については、21世紀の森の人が地域にむけてワークショップをするので、それを見に行って、藍染の仕方を学ぶことになりました。

6月8日 池の生き物救出!池の再生のために一度ZEROに戻す!

成徳の休み時間の憩いの場であるひょうたん池に水がたまらなくなって、校務員さんが毎朝、水道から水を足してくれていました。校長先生や教頭先生も動いてくれているようですが、お金がない。そこで、6年生が立ち上がり、みんなのために動こうと、このコンクールに応募するきっかけにもなりました。
まず、ヒメタニシ・スジエビ・メダカ・アメンボ・ドンコなどの生き物や半夏生やアナカリスなどをビオトープの一部(せせらぎ)に避難させます。
そこから、石をよけてから、底に溜まったヘドロを掻き出していきます。
家庭科室の金桶がひん曲がるくらい、何回もその作業を繰り返しました。
池の底が見えるようになるまで、必死に活動できたこと。一人一人の中に大きなお土産をもらえた気がします。

6月11日 地域に出ていき、藍染の仕方をプロから伝授してもらう!

今日は学校を出て、保護者と共に地域の学びに参加します。
藍染の仕方については、「21世紀の森」の方が地域にむけてワークショップをするので、それを見に行って、藍染の仕方を学ぶにやってきました!
今回は、生葉染めです。
この方法は、1年生でもできるので、覚えて帰れば、下級生に6年生が教えてあげられるとあってみんな真剣!このチームの目標の一つである、「自然は役立つし面白い、それを遊びを通して知ってほしい」にもぴったりだからです。
どうして、藍染ができるのか、そのしくみについても詳しく教えてもらいました。
他にも、地域の高校や企業がSDGsにつないでブースを出していたので、いろんな視点からSDGsについて学ぶことができました。

7月1日 一年生と一緒に藍染をしよう!~植物のあれ?不思議!~

太陽と植物のパワーってすごい!
暑くなってきたなぁと感じたと同時にぐんぐん成長した藍!
今日の活動は、森チームの提案で藍染をします。
目的は、成徳にある自然(藍)を使って、遊びながら自然の面白さを知り、自然を大切にする心を一年生に育てるです。
地域に出て習ってきた、藍染の生葉で染めるたたき染めをします。
まず、6年生全体にチームからやり方や注意点の説明がありました。
一年生の動線の確認をして、いよいよ、一年生の教室に行きます。
寸劇や紙芝居を使いながら、どういう仕組みで藍染ができるのかを説明!
いよいよ、一緒に藍染をします!教員は、この日一切口出しなし。6年生が最後までフォローします。
緑から藍色に変化する瞬間は、「わぁ~」と歓声があがりました。
後日、一年生から手紙が届き、「はっぱをたたくと、はっぱの模様もハンカチにうつってきれいでした。」「色が緑から、藍色に変わるのが、不思議でした。」「またしたいです。」との感想がありました。

7月8日 あるチームの挑戦!池の浄化のためにヒメタニシを増やしたい!

池チームは、池を浄化するために、ヒメタニシに着目した。
この子達は、5年の国語の教科書で「大造じいさんとガン」という物語を知っている。その中で、出てくるものがタニシ。あの時は鳥の餌だったが、今回はそのタニシが池を浄化することに着目した。

まず、池の浄化を手助けしてくれるヒメタニシの数が少ないからどうしたら、数がふえるのか。
数を増やすためには、ヒメタニシが何を食べるのかを学んで、ヒメタニシが生きやすい環境を作ろうと考えた。
なかなか見つからないヒメタニシを観察の為に集めるのだけでも一苦労である。
最初に試したのが、アナカリスをバットの中に入れてみた。30分もたたないうちに、アナカリスのまわりには、ヒメタニシが鈴なりになった。
次に、泥を入れてみた。池の泥は、ヒメタニシの好物のはずだ。
だがしかし、食べるどころか、泥をさけるように、バットのふちへ集まり、泥を食べる様子はまったくない。
おかしい! インターネットにもその答えはなかなかでてこない。
泥の中やアナカリスについている、餌は見えないかと顕微鏡を使いながら、いろいろな方法を試した。
ダメだ。見えない!わからない。
近くにある運河のつながりで、徳島大学の先生と知り合いになった。なんでも、聞いていいと言ってもらえたので、メールした。
すると、その泥をしばらく教室の窓辺においてみなさい。とかえってきた。
子ども達は、理科室でそれを試した。
ヒメタニシは泥の中で食事をしだした。どうしてだ!?
話し合いがもたれた。「日光だ!」池に行ってみると、日光のあたっているところの岩の上に、ヒメタニシがいた。日光で成長した植物の小さいのを食べているのではないかと子ども達は仮説を立てた。

7月8日 森と池チームがタックを組んで竹を切る!

今回は、活動が絡んだようで、森チーム・池チーム共に竹が必要だ。
森チームは、森を明るくすることが目的で森を手入れしたい。
池チームは、目的が2つある。
1つ目は、池やせせらぎを浄化するために竹炭をつくり、それを池に沈めたい。
2つ目は、下級生が生き物を大胆に観察するので、生き物の隠れ家をつくりたい。
竹が生えている所には、あの生き物が…。蚊である。みんな、蚊に刺されながらも、今日は、ただひたすらに竹を切りに切った。

7月14日 どうして、自然を大切にしないといけないのか!?

講師の先生が「私たちは、世界中の生き物とつながっている」という題で話を始めた。
地球の誕生の話から、水の循環・空気の循環・栄養の循環、様々な方面から話をしてくれた。
その中で、「どうして、自然を大切にしないといけないのか。」と問われた。
とても、大きな話のように思えるが、ここまで学んできた子ども達からは、わりとすっと出た。
それは、もののジュンカンがとまってしまうから。
多様な生物がいるからこそ、様々なものが循環する。
ヒトもその環の一つに過ぎないことを忘れてはならない。

子どもの新聞の一部である。水は約40億年前にできたものが、循環している。それは、地球が「閉じている」ものだからだ。入ってくるものは、太陽の光と熱だけ。僕は、循環の中に生きている。壊しては、いけない。

7月21日 夏休み!特別炭づくり体験!!

まず、堆肥箱のお世話だ。
下の方から、中に入っているものを掻き出してみる。白い菌糸のような塊がでてきて、この子はいい働きをすると講師の先生がいった。
ふるいで、まだ分解されていないものをより分ける作業の中で、この堆肥の中には、多様なまた、多数の生物がいることに子ども達は気づいていた。
2学期に、この堆肥を使って、普通の土とどう違うのか、実験をするらしい。どんな風にするのか、楽しみだ。
次に、1学期にみんなで切った竹を、さらに細かくしたり、池の隠れ家づくりのために穴を開けたりした。
それを大きな缶にいれて、あまり火を出さないで燃やす。

10月5日の活動内容

さあ、2学期も、それぞれのチームがそれぞれの課題に挑む。
まずは、プロジェクトタニシXの続報だ。
ビオトープの掃除をしてくれるヒメタニシの食べ物になるものを探し続けて、3カ月がたった。
自分たちで、行き詰った時は、講師の先生を通じて知り合った、生物を研究している大学の先生にメールをし、どうしたら、餌を自分たちの目で見つけられるかを聞いた。
すると、ヒメタニシがいる所の泥をバットに入れて、窓辺に置くように言われた。
「日光だ」
子ども達は、日光によって、ヒメタニシがいた泥の中に、何かが増えていると仮説を立てた。
しばらくすると、バットのへりに緑のもやもやがつくようになった。
「これだ!」
ヘリに増えた、緑のもやもやをとって、顕微鏡で見てみた。確かにそこに餌がうつった瞬間だった。
プロジェクトタニシX!!
試しに、その緑のもやもやが増えたバットの中に、タニシを3日入れてみた。3日後には、緑のもやもやがすっかりなくなっていた。
ヒメタニシは、日光で増えた藻の仲間を成徳小学校の池でも食べていることがわかった。
池の修理が終わって、再び、生き物を入れる時には、池のデザインや環境に生かしたいと!

竹炭チームは、講師の先生のもとで、竹炭を作った。池の水を本当に浄化してくれるか実験してみた。しかし、できたばかりの炭は、炭の粉のようなものがついていて、水槽の水は、逆に真っ黒になってしまった。では、しっかり、できた炭を洗ってから使うとどうなるか、次の課題が見えた。

エビの住み家チームは、池を掃除してくれるエビの家を竹でつくった。竹炭チームの炭で作った家。竹でつくった家。近くの運河のチチブの住み家を参考にし、作るところまで進んだ。今度は、それを、どこにどうやってしずめるかだ。そして、そこにちゃんとエビが住み着いてくれるかだ。検証は続く。

堆肥チーム。堆肥チームは、落ち葉がどのように堆肥になるのかを研究した。そこにいた虫の数を数えたり、虫の種類を写真に撮ったりした。多くの種類と数の虫が、堆肥づくりにひつようなことを突き止めた。そして、5月に土の中に実験で埋めておいて落ち葉を取り出してみた。5カ月で落ち葉は、ほとんど網の中にのこっていなかった。5カ月で、土の中の生き物が堆肥にしているという時間的なものもわかった。堆肥と普通の土では、どちらがよく植物が育つかの実験を始めた。そして、最後に米ぬかを堆肥箱に混ぜる作業をした。

鳥チームが、学校に来ている鳥について調べ、餌について研究を続けている。

草木チームは、ドングリを使って、下級生に次の活動の準備と計画を進めた。


















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