主催団体 (財)キープ協会 自然学校 実施期間 9月21・22日 「清里わんぱくスクール」は、通年で計11回行われる。コンテストへの応募プログラムは、当コンテストの指定期間内に実施された、第5回にあたる今回がその対象である。 今回のテーマは、「中間トライアルプログラム(1)」とあった。これは、春から毎月1回1泊2日で開催されている、同スクールのいわば中締めのようなものだ。
各班にはマッチ5本、新聞紙3枚が支給された。これだけだ。ここで、子どもたちは薪に火をつけるのがいかに難しいか学ぶ。新聞紙に火はつくが、薪の絶対量が決定的に不足しているため、すぐに消えてしまうわけだ。当然マッチも新聞紙もすべて焼失した。そして、なぜ焼失したかを申し出て、再支給を受けることになる。これが学習というものだろう。当然、薪はたらない。子どもたちは手分けして、すでに暗くなった森の中へ、薪集めに行かなければならない。このあたりで、薪集めの係り、火を焚く係りが、必然的に発生してきたようだ。 試行錯誤を重ねて、ようやく火のつけ方を学んだ。そして、2時間ほど経過しただろうか、ようやく飯盒の米が焚きあがった。遅い夕食になったが、リーダー達はとくに何かを言うわけではない。途中で、ついつい口を挟みそうになったが、子どもたちに考えさせ、体験させるというのが、いかに重要かということを私達も学んだ。
さて、主催団体のキープ協会は、日本を代表する環境教育機関の一つである。その傘下にある自然学校がおこなう「清里わんぱくスクール」だから、さぞかし特色のあるプログラムを見ることが出来るだろうと思っていた。だが、実際は「食べる、寝る」という人間にとって基本的な作業を、子どもたちに思いやりの心をもって、じっくり考えさせ、体験させ、生きる力を学ばそうという、きわめてオーソドックスなものであった。 しかし、これは簡単なようで実は難しく、主催者の能力、実力が試される。進行は一見スローに見えたが、環境教育や自然体験学習に対する、しっかりとした哲学と実践力、さらには訓練されたスタッフが必要とされる、熟成されたプログラムだと思った。 プログラム検索に戻る |