NO | 団体名 | 主な企画内容
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NPO法人ECOPLUS(東京都) |
「持続可能な社会を目指し、自然とひとと伝統に触れる『山里子ども夏休みキャンプ』」 限界集落化が危惧されている集落で沢登りや、川遊び、野外料理などの活動を行うが、「指示しない」「怒らない」「世話をやかない」の3原則で対応し、自主的な成長を促す。 |
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速報レポート
日 程:2010年8月5日(木)〜8日(日)
場 所:新潟県南魚沼市清水
参加者:計26名
川っ子(小5~高1)12名、山っ子(小1~小4)14名
おもな地元指導者:4人 協力者:指導者他多数
スタッフ:8名
活動概要
戸数が20戸弱にまで減少し「限界集落化」が危ぶまれている山里を舞台に、小中高の子どもたちを低学年とそれ以外の2グループに分け、年少チーム(山っ子チーム)は公民館での合宿で、年長チーム(川っ子チーム)は川沿いでのキャンプで、3泊4日を過ごした。活動には地元の住民が指導者役として深く関わり、子どものころに遊んだ沢での水遊び、村に昔から伝わるとりで跡への山登りなどを実施。さらに地元の大切な伝統行事である山伏の火渡り神事に準備も含めて参加し、山里の自然と、その土地に根ざした暮らしを、深く感じ取る活動を行った。
このキャンプの特徴
・都市生活では触れることができない、深い自然に触れる。
・自然のそばで過ごしている山里の人々、異なる場所から集まってきた様々な年齢の仲間たちと触れ合う。
・日本の農山村にある「持続可能性」の秘密を、その暮らしの中から学ぶ。
・子どもたちが自分たちで考え行動できることを目指す。スタッフは、安全確保をした上で、「指示しない」「怒らない」「世話を焼かない」の3原則で対応する。
活動詳細
4日間の活動は、基本的に川っ子、山っ子それぞれのグループ単位で実施したが、最初のオリエンテーションや、最後の全体ふりかえり、また、3日目の農作業や祭りの参加など合同で行う場面もあった。子どもたちは毎日、その日に活動したこと、感じたことを活動ノートに記録し、発表していった。
【川っ子の活動内容】
川っ子のキャンプサイトの周囲にあるのは山と川と休耕田のみ。人工物のまったく見えない場所で、子どもたちは自分でテントを張り、トイレ作り、火起こし場を作って生活の場を整えていった。
子どもたちは2グループに分かれて、それぞれリーダーなど役割を決め、話し合いながら、食事の計画やゴミをどうするかなどを決めていった。
活動のハイライトは2日目の沢登りと3日目の火渡りの祭り。
沢登りでは、清水の自然環境を熟知した地元の小野塚高一さんに案内してもらい、巻機山の沢の中を、標高差で150mほど登った。大きな岩が多く進むのは簡単ではなかったが、約3時間かけて登りきった。
山伏の修行である火渡りの祭りには、集落の人たちが行う準備から参加させてもらった。火を付けるシバ木を束ねているのがロープではなく、よくしなる木の枝であることを見つけて、自然を利用した知恵に子どもたちは驚いていた。夜の本番ではほぼ全員が実際に火渡りにも挑戦した。
3日目は、祭りの他にも山っ子と合同の活動を多く行った。午前中には集落内のジャガイモ畑一区画すべてを、山っ子と集落の人たちとともに掘り起こす作業を手伝った。
午後は山っ子14人がキャンプサイトを訪問し、川っ子が近くの川や、生き物のいる場所に案内したり、火を起こしてお菓子作りを教えたりした。
地元のベテランの案内で、子どもでも楽しめる沢を歩いて楽しんだ。
火渡り祭の準備の手伝い。地元の人と一緒にシバ木を運ぶ。
毎回の食事は薪を割り、火を起こすところから始めた。
【山っ子の活動内容】
山っ子は集落内の公民館を借りて生活をした。グループに分かれて、食事の準備や後片付け、掃除など、普段家ではあまりやらないことにも挑戦した。食事作りにはみんな意欲的だった。
山っ子の活動のハイライトは山登りとナイトハイク。
2日目に、「城の腰」という山を登った。山道は幅の狭いところや急なところで怖がる場面もあったが、地元のおじさんたちにサポートしてもらいながら、全員登りきった。
ナイトハイクは地元のおじさんと共に1日目と2日目の夜に行った。家の少ない清水の夜は人工の光がほとんどなく、山に向かって歩くと真っ暗になる。子どもたちは夜の散歩に興奮してしゃぎつつも、怖くて懐中電灯を付けたり消したりして歩いた。
他にも川っ子のキャンプサイト側の池での生き物探しや川遊びなどを体験し、清水の夏休みを満喫した。
自然の中で、自分たちだけの暮らしは普段と違うことばかり。思うようにいかず葛藤する場面もあったが、大きな怪我などはなく、みな元気に4日間を過ごした。
地元のおじさんと山登り。山の話を真剣に聞く子どもたち。
生き物探しではオタマジャクシ捕りに夢中に。
食事の配膳も自分たちで。
子どもたちの感想
・沢のぼりはとても大変だったけど、ゴールできたときは気持ち良かった。
・火渡りは怖かったけどできてよかった。
・みんなで作った料理はおいしかった。
・友だちがたくさんできてよかった。
・満天星空や流れ星がきれいだった。
・リーダーとしての責任感と自覚ができた。
・自然や土地の文化、ゴミを出さないこと、人と協力することの大切さを学んだ。
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