NO団体名主な企画内容
21 NPO法人ガイア自然学校(石川県) 「フィッシングキャンプ〜『命』と『食』の大切さに気づく釣り体験〜」
単なる魚作り体験で終わらない体験を提供する。2泊3日とことん魚と向き合い、仕掛けを作り、釣り方、ポイント選び、魚のさばき方など、子どもたち自ら考えて行動に移せる環境を提供する企画。

速報レポート

日 時:2010年8月21日9時〜8月23日17時
場 所:石川県鳳珠郡能登町字姫 姫漁港
参加者:石川県内小中学生 34名(小学校1年生〜中学校3年生) 
    スタッフ体制 16名
    ディレクター 2名
    プログラムディレクター 1名(プログラムの進行管理)
    マネジメントディレクター 1名(プログラムの進行に必要な備品、食事準備などのとりまとめ) 
    スタッフ 3名(プログラムの進行に必要な作業をおこなう)
    グループカウンセラー 9名(参加者である子どもたちと直接関わり、共感、安全管理、ともにあそぶなどする)
日程

8月21日
 9時 参加者集合(金沢駅)
 12時 会場到着(姫漁港)、昼食、インフォメーション  
 13時30分 フィッシングマスター講座(※1)
 15時 グループ毎にフィッシング開始
 19時 施設集合、夕食(※2)
 20時30分 夜のフィッシングツアー
 22時 ツアー終了、就寝 
 23時 スタッフミーティング
 24時 スタッフ就寝
8月22日 朝のフィッシング
 8時 集合、朝食、インフォメーション
 9時 グループ毎にフィッシング、その他海あそび
 12時 昼食(グループ毎)
 18時 集合、夕食(※3)
    ナイトフィッシング
 22時 就寝
8月23日 朝のフィッシング
 7時 集合、朝食、インフォメーション
 8時 フィッシング、その他海あそび、グループ毎のふりかえり
 11時 終了、後片付け、掃除、
 12時 昼食
 13時 全体ふりかえり
 14時 会場出発
 17時30分 金沢駅到着、解散





 プログラムディレクター、マネジメントディレクターをはじめとするスタッフチームが、プログラムの進行、備品管理、食事を管理し、参加者である子どもたちは、1班あたり4〜5名に分かれ、グループカウンセラーであるボランティアリーダー1〜2名がフィッシングをはじめとする3日間の生活をともにしました。

 1日目のフィッシングマスター講座で、海を愛する、自然をよく知るなど、フィッシングマスターの心得を子どもたちに伝え、釣り道具の準備のやり方を具体的に見せながら説明し、準備が整ったグループからフィッシングを楽しみました。釣り竿のセットから釣り糸の結び方まで1から子どもたちもできるようになってほしいとの思いでゆっくりと説明しました。特に釣り糸の結び方に苦労する子どもたちが多いですが、時間をかけ何とか全員がマスターしました。
 準備が比較的早く整った高学年グループからフィッシングを始め、キュウセン、ホンベラ、アジを中心に釣れました。
 夕方までフィッシングを楽しみ、釣れた魚を持って食事会場に集合しました。
 命と食の大切さを体験してもらうため、子どもたちが釣った魚を料理して食べることもメインプログラムとしていたため、スタッフの用意したカレーライスとサラダの他に、包丁、まな板、コッヘルなどを準備し、子どもたちそれぞれの方法で料理をして魚を味わいました。ウロコをとる、腹を切って内臓を出すなど、初めての体験をする子どもたちはおっかなびっくりであったり、興味津々で内臓の構造を見ていたりと個性が出ました。みそ汁、ムニエル、煮魚などをつくり、あちこちで「おいしい」の声が上がりました。
 その後、夜のフィッシングツアーで近くの防波堤で夜釣りをしました。暗い場所であったため、悪戦苦闘していましたが、夜釣りの雰囲気を味わっていました。





 2日目は、グループ毎の活動がメインです。グループ毎に朝起きて釣りに出かけました。特に高学年グループは朝のフィッシングで18尾も釣って帰ってきました。
 朝食後、一日の流れについて説明を受け、グループ毎にフィッシングや海あそびを楽しみました。日が高くなるにつれ、魚が釣れなくなり、暑くなってきたのもあって、海でシュノーケリングを楽しむ子が多くなりました。
 それでも、夕方には再びフィッシングに挑戦する子が多くなりました。
 夕食はかき揚げとご飯ということで、子どもたちは、スタッフから渡された野菜とともに釣った魚を入れてみたりと工夫していました。唐揚げをつくってみたり、包丁でたたいてペースト状にしたあと、薩摩揚げ風に調理したグループもいました。
 1日目にも注意を促しましたが、特に2日目は油を使った料理であるため、安全管理にも注意しました。また、職員が食中毒を防ぐために調理している魚を必ずチェックしました。
 2日目も夜にはフィッシングを楽しむグループが多く、思い思いの場所で楽しみました。夜に釣れるアジをねらった子もいました。少しずつ、時間帯や場所を選ぶことも身についてきたようです。





 3日目は、6時過ぎから各グループでフィッシングを始めました。3日目には、子どもたちも準備にかなり慣れてきて、一人ですべて用意する姿がありました。ただし、相変わらず、海底に仕掛けが引っかかってしまうことは多く、苦労する子どもたちも多かったようです。
 朝食を食べたあと、再びフィッシングや海あそびを楽しみ、午前中の間に施設に戻ってきて、後片付けと掃除、グループ毎のふりかえりをしました。ふりかえりでは、3日間の印象的な出来事を紙に書き、リーダーと気持ちの動きなどについて話していました。
 昼食後、全体ふりかえりをして、初めて魚をさばいて楽しかった、魚に逃げられて悔しかった、アジをねらっていたのに釣れなくて残念だった、海にもぐって大きな生き物をたくさん見ることが出来て良かった、などの感想を聞くことが出来ました。帰りのバスでは、「海を愛しているよ」と語る子どもたちもいて、子どもたちにとって多くの体験ができ、印象に残る3日間になりました。

※1 フィッシングマスターの心得
(1)もちろん釣れる
(2)自然をよく知る、見極める
(3)自然・人、道具を大切にできる
(4)挑戦する心をもつ
(5)海を愛する
フィッシングマスターの心得、釣り場案内、日誌、レシピ、注意事項を書いた資料を各グループ毎に配布した。

※2 スタッフが準備したカレーやサラダは少し少なめに用意し、その他魚料理をグループ毎につくるように、コンロ、コッヘル、調味料などを準備して、思い思いの料理をつくることが出来るように心がけた。
※3 ※2と同様であるが、特に油を使うため、注意事項をしっかり説明した。そのため、油による大きなやけどなどの事故を防ぐことが出来た。



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