NO団体名主な企画内容
9 NPO法人エコライフ(群馬県) 「虫捕物語〜肉食系へのステップ〜」
清流で水生昆虫の採取を行い、川虫を捕る面白さを子どもたちに伝える。また活動も採取に留まらず、生態について学び、最終的には調理して試食する。

速報レポート

日 時:平成22年8月21日(土)、22日(日)
場 所:群馬県甘楽郡下仁田町平原
参加者:子ども 29人 大人8人(延べ)

虫捕物語 〜肉食系へのステップ〜







下仁田町を流れる平原川で水生昆虫の捕獲をしました。
石をひっくり返したり、足で川底をかき混ぜたりしながら、逃げ出した水生昆虫を網で捕まえるのですが、捕れているかどうか、確認するその顔は、子どもも大人も真剣そのもの。
あちこちで「○○が捕れた」、「これなに」、「でかい」、「サワガニ発見」等という声がしていました。
この平原川は地元の人が飲料水として利用しているもので、川の水がそのまま飲めます。
その澄んだ流れの中で、ハコネサンショウウオを捕獲した子ども達がいました。また、カワノリを見つけ、食べている子どももいました。その他、成体がカマキリなどの消化管内に寄生するハリガネムシも見つかりました。







子ども達が捕ったものを持ち寄り、カゲロウ、カワゲラ、トビケラ、ヘビトンボ、サワガニ、その他に分類しましたが、サンショウウオを捕った子は、「サンショウウオが可愛そうだったから逃がしてやった」と言い、ハリガネムシを捕った子は「逃げられたみたいだ」と言って、それらは残念ながら皆で見ることができませんでした。
しかし、帰る途中、アリに運ばれているカマキリを見つけました。良く見ると、ハリガネムシが出てきていましたので、早速それを捕り、水の中に入れました。ハリガネムシはその名のとおり、外見が針金に似ているので、最初子ども達もそれが生きものだと言うことに半信半疑でしたが、水の中でそれが動くのを見て、「え、動いた」、「え、虫なの」と、驚いていました。
また、子どもが「サワガニの赤ちゃんがいる」と言うので見てみると、子ガニが孵ったところで、母親ガニのお腹の中に子ガニがたくさんいました。
そこで、「自然界には水生昆虫が食べるものも、水生昆虫を食べるものもいるので、見方によると弱肉強食の社会に見えます。また、お互いがバランスを取りながら生存しているので、共存共栄の社会にも見えます。でも、自然界はそれだけではありません。この母さんガニが子どもをお腹に大切に抱えているように、自然界には愛情がたくさん見られます。それはみんなのお母さんがみんなのことを大切にしてくれているのと同じことです」と説明すると、子どもたちは納得してうなずいていました。




観察が終わった後、川で冷やした採れたてのトマトと、きゅうり、スイカを食べました。小学校1年生の女の子は、川にあるトマトを見て、「あれ何しているの」と聞いてきました。「川で冷やしているんだよ」と教えたところ、意味がすぐに分からなかったらしく、ピンとくるまで、数十秒掛かりました。
また、この地域は標高が700mと高いため、皮の薄い美味しいきゅうりが採れます。一汗かいた後で、よっぽど美味しかったのでしょうか。1年生の男の子が、きゅうりにかぶりついたところ、揺れていた前歯が取れました。




川虫は長野県伊那地方等で食用とされてきました。またヘビトンボは別名「孫太郎虫」と呼ばれ、疳(かん)の薬として用いられてきました。このヘビトンボは薬用昆虫の中では珍しく、成分が明らかにされています。
そこで、今回、2匹のヘビトンボから貴重な命を頂き、試食することとしました。
命の大切さを知ってもらうと共に、物があふれる豊かな現在とは違う生活に思いを馳せました。
しかし、いざ試食となるとなかなか勇気がでません。その中で、つわものが「俺、食いたい」と言ってきましたので、食べてもらったところ、無言になりました。思ったより、美味しくなかったようです。それとも、疳の薬がすぐに効いて、おとなしくなったのかな。
最後に、子どもたちに感想を聞いたところ、「俺、またここに来たい」と言っていました。


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