NO団体名主な企画内容
29 京都市立唐橋小学校(京都府) 「長期宿泊自然体験活動『ミッションin花背・(唐橋っ子探検隊)』」
「やる気」「根気」「元気」「活気」「勇気」と日毎モットーを設けて各モットーに合うプログラムの展開や、活動全体にストーリーを持たせてねらいを子どもたちに明確に伝える4泊5日の長期宿泊自然体験活動。

速報レポート1

日 時:平成23年5月23日(月)〜27日(金)【4泊5日】
会 場:京都市野外活動施設 花背山の家
名 称:花背チャレンジ キャンプ(長期宿泊自然体験活動)「行くぞ!唐橋レンジャー」
参加者:京都市立唐橋小学校 5年生      88名
指導者:(1)京都市立唐橋小学校 教員     9名
    (2)学生ボランティア         5名
    (3)京都市立唐橋小学校おやじの会   5名
活動内容

【5月23日(1日目)・「ヤル気」】
体育館にて出発式を行い,これからの活動のめあてを確認した後,ボランティアの紹介をする。花背山の家への特定バスで移動する。
入所式は,雨天のためオリエンテーションホールで行う。
最初の活動は,施設めぐりオリエンテーリングで,雨の中,雨具をつけての実施となった。子どもたちは,雨をものともせずに,暗号解読をした班からスタートして,次々とポイントを回り,これから使うお箸の材料と,一つ目の「気」としての「やる木」(木メダル)を手に入れることができた。グループに渡したチェックカードも,雨でボロボロになってしまった。風の影響がなかったので,傘を持たせるべきだったと反省する。
続いて,オリエンテーリングでゲットした竹で,マイ箸をつくる。研修室で,花背山の家のスタッフの指導により,箸を作った。ナイフを持つのが初めてという子どももいたが,全員それらしい箸ができた。食堂で箸の持ち込みができることを知らなかった。すべての食事をマイ箸で食べさせることで,より一層愛着がわいただろうとこ悔やまれる。
夜は,プレイホールで,班ごとに作ってきたローソクランタンに火をともし,大ファイヤーでの出し物や歌の練習をした。初日の夜ということもあり,異様に高いテンションのファイヤーであった。

【5月24日(2日目)・「根気」】
朝の集いは雨のため,オリエンテーションホールで同宿の小学校3校と合同で行った後,唐橋小学校だけの集いをロッジ棟横の宿泊第3営火場で行う。朝の歌(一人の手)を歌い,前日のオリエンテーリングでの頑張りを表彰する。表彰に応じて,班ごとにレプリカを授与した。
朝食は,野外炊事でパックドックに挑戦した。パンに調理済みのキャベツとウインナーをはさみ,アルミホイルで包んだ後,1リットルの牛乳パックに入れて,火をつけるという簡単調理をした。ここでは,学生ボランティアがお兄さん・お姉さんとして活躍してくれた。
続いて,所内を流れる川をせき止めて2交代で川に入り,岩魚を手づかみする魚つかみだ。花背山の家のスタッフから,「捕まえた魚を食べることは,命をいただくこと」と,その意義の説明を受ける。なかなかつかめない子もいたが,水しぶきを上げて魚と格闘していた。捕った魚を調理して,おやじの会のメンバーがおこした炭で,おいしく焼き上げてもらった。
夕食は初めての野外炊事。薪の組み方や燃やし方,米のとぎ方や野菜の切り方まで,ほとんどの子どもが初体験であった。ここでもおやじの会のメンバーに活躍してもらった。学生ボランティアも各班に入り,おいしいすき焼きが食べられた。
魚つかみが終わった後,ナイトウォークの安全確認のため全員でコースを歩いた。同じ道であっても,昼と夜で歩く感覚が違うことを意識させるねらいもあった。肝試し的な要素は全く出さず,真っ暗な夜の気配を感じ取らせることにウエイトを置いた。10分ほどのコースであったが,闇の静寂とわずかに聞こえてくる生き物の息吹を感じ取ったと思う。





【5月25日(3日目)・「元気」】
朝の集いの前に,杉の落ち葉を中心に薪拾いをする。これは,火起こしをした後,昼の炊事の炊きつけとした。火おこしは,花背山の家のスタッフの指導により,全部の班が無事ローソクに火をともすことができた。早い班はものの5〜6分でつけてしまった。
続いて,火おこしでつけた火で炊事をする。昼食は,定番のカレー。かまどの数が班の数よりの2穴少なかったが,2回目の炊事とあって,食べるところまでは割と手早くできた。しかし,100名が動き回るにはあまりにも狭いスペースで,後片付けに大きく時間をつかってしまった。
ゆっくりした後,親水広場のある別所川まで,班ごとに追跡ハイクで行く。歩いても20分ほどのコースで,ネイチャービンゴとカモフラージュゲームで楽しんだ。川では,思い思いに水に親しむことができた。ボランティアも子どもたちと水のかけ合いをするなど,急速に関係が近づくのが分かる。
夜の天体観察では,あいにくの曇り空となり,観察を断念して星と星座のDVDを見る。
木はがきに,今の気持ちを家族や知り合いに向けて書いた。

【5月26日(4日目)・「勇気」】
今回のキャンプのメインの活動である山登りは,雲取山〜天狗杉のコースだ。800メートル余りの山ではあるが,山頂から京都市内が望めたことは,多くの子どもにとってインパクトがあったと感じた。途中の寺山峠で,一人体調を崩して下山した。夕方,自宅へ搬送する。後で母親から,泣き声を上げるほど,ずいぶん悔しかったと聞く。
そして,大営火。台風が接近し,強風が予測されたのでオリエンテーションで,キャンドルファイヤーにした。火を囲み,班で協力して練習した出し物を発表する。どの班も,一生懸命に出し物をしていた。また,エールマスターをした子どもは,意外な一面を見せたと担任から聞くことができた。

【5月27日(5日目)・「活気」】
最終日は,朝から台風2号の影響で風が強くなり,すべて室内での活動となった。しかし,使える部屋がなく,曇り空で暗い通路で作業をしなければならなかった。宝箱作り・木メダルを完成させるクラフトを行った。牛乳パックを和紙で包んで作った宝箱には,火おこしでつけた後の消し炭やキャンドルファイヤーの燃え残りなどを入れた。木メダルには白いひもを通し,表彰でもらったレプリカをつけた。しかし,活動でレプリカを落とした班があり,全員にいきわたらないとの訴えがあった。各班のリーダーに考えさすと,たくさんもらったところから渡すことになった。余分はあったが,子どもたちは助け合ったらいいのだという結論を出してくれた。宝箱を作りながら,それぞれの班の中で楽しかったことなどの思い出を話し合い,振り返りとした。また,生きる力のアンケートにその思いを綴った。
台風による雨のため,退所式はオリエンテーションで行う。キャンプディレクターの総括の後,花背山の家の方からの話をうかがう。「一人の手」を歌いながら,旗おろしで幕を閉じた。

まとめ

今回のキャンプでは,初日と最終日が雨で,活動に制限があった。しかし,天体観察以外は,当初の計画を変えずにできた。子どもたちは,活動を通して互いの存在を一層意識するようになり,学級として,学年としてのまとまりができてきたように思われる。


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