NO団体名主な企画内容
6 NPO虹のかけ橋(千葉県) 「南房総館山で『元気に遊んべぇさ〜』」
福島の被災地小中学生を対象とした心と体の元気を引き出す体験プログラム。竹ドーム・ハンモック・ツリーハウス作り、里山ワクワク探検隊(山菜・虫捕り・秘密基地作り等)、海釣り、磯遊びなど、里山と海で思い切り遊んで一週間を過ごすキャンプ。

速報レポート

実施日時:8月5日(金)~12日(金) 7泊8日 
参加者 :福島の小中学生男女…14名、幼児…5名、父母参加…7名
     地元小中学生プログラム参加…32名
指導者数:プログラムのべ人数23名   
スタッフ:NPO虹のかけ橋スタッフ…14名  ボランティアスタッフ…15名 
活動場所: 千葉県館山市神余 (宿泊・体験プログラム・ワークショップ)
      千葉県館山市坂田 (海)
はじめに…

 2011年3月11日 突然襲った大地震、大津波、さらに福島第一原発事故による放射能汚染の被害が広がり、日本中、世界中が揺さぶられました。
 この夏休み、子ども達は放射能の線量計を毎日身につけることを義務付けられ、放射能汚染がいつ収束するか分からないまま夏休みを迎えました。福島県外に田舎のない子ども達は、夏休みであっても、外遊びをはじめ、海やプールでも泳げず、家の中で過ごすことを余儀なくされているのが現状です。福島に留まることしか出来ない親の不安と恐れは、精神的にも肉体的にも頂点に達しています。
「今、自分に出来ることは?」と考えた時・・・
「自然溢れる南房総館山で元気いっぱい過ごしてもらいたい。心も体も元気になるようなプロジェクトをサポートしたい!」という地元住民の心が集まりました。
 そして、「NPO虹のかけ橋」――子ども未来応援プロジェクト――がスタートしたのです。

目的

* 放射能汚染のリセット期間7泊8日を、心身共にリラックスして、元気に遊ぼう!
* お兄さんお姉さん役のリーダーと一緒に、福島の子ども達・地元の子ども達との触れ合い、共に過ごそう!
* 自然溢れる里山を思いっきり駆け巡り、館山の美しい海で遊ぼう!
* 里山の自然の恵みと玄米菜食をメニュー(放射能除去食品・・・発酵玄米、味噌、豆、海草、発酵食品、手作り酵母パンなど)に盛り込みながら、体に良い食べ物について学び、作ることの喜びも一緒に味合おう!
* PTSDに対処するために、子ども達には、音楽&アートセラピスト、言語聴覚士、親御さんには、家庭医とのグループディスカッションやアロママッサージ、理学療法士の先生方のご協力を頂き、心身のリラクゼーション! 

一日の基本スケジュール

7:30~     朝食&後片付け
9:00~      午前プログラム
12:00~      昼食&後片付け
13:30~     午後プログラム 
17:00~     英語で遊ぼう!
18:00 ~   夕食&後片付け
19:30~     親子分離のリラックスタイム~20:30
21:00~      就寝

事前アンケート

 「遊びたい!」という子ども達の自然な思いや行動が制約されてから約5ヶ月。スタッフの数と出来ることにも限界があるので、その「遊びたい!」を実現させるために、事前アンケートをしました。

プログラム

 *1日目と8日目は、送迎日

8月6日(2日目);
am:自己紹介・ふれあいタイム
pm:音楽セラピー(ドラムサークル)、英語で遊ぼう!
ねらい&方法: 
① 初めての場所・人との出会いを楽しく・ゲーム感覚で、心も体もほぐしていく(自己紹介)
② 一つのリズムからスタートし、一人一つ様々な打楽器を使って音を重ね、徐々に深みが増していく過程を体験する。(ドラムサークル)
③ 皆が、自分の「音」(役割)を出し合うことによって、「ハーモニー」(協調)が生まれ、「一つの楽器」(一人の存在)がとても大切であることを体感してもらう。
④ アメリカ人の先生と一緒に英語を使って体を動かし、ゲームをしながら、「楽しく学ぶ」ことを体感する。(英語で遊ぼう!)
感想:
  最初、硬かった表情が、アクションが伴うごとに笑顔が見え、皆が打ち解けていく様子がとても印象的でした。特に、音楽は心を開く鍵があるようです。一人一人の存在がとても大切で、みんながいるから、それぞれ違った音が存在し、それによって音楽が楽しめるように思います。


ふれあいタイム

英語で遊ぼう

8月7日(3日目)
am:竹のマイ食器&竹玩具(箸&器、竹ぽっくり&竹とんぼ)、流しそうめん              
pm:小麦粉粘土&スライム作り・・・室内組
pm:ツリーハウス・ターザンロープ・ブランコ作り・・・キャンプ組   
夜 :BBQ、キャンプファイヤー、ドラムサークル
ねらい&方法
① 竹をのこぎりで切り、竹を鉈で割り、小刀で削るなどの経験をしながら、竹箸、竹器、竹ぽっくり、竹とんぼを作る・遊ぶ・食べる。
② 自然の素材を生かして、自分達の遊び場作りをしながら、みんなで協力し合い、楽しむ。
③ お兄さんリーダーと一緒に作業し遊ぶことで、頼もしさ逞しさを見て、感じとる
④ 地域の方々からの協力を頂くことで、人と人、心と心を繋ぎ、福島と館山の距離をなくし、温もりと安心感を与える。 
感想:
 初めて、のこぎり・鉈・小刀を持つ子ども達がほとんどで、親御さんからも「危険なのでは?」との声がありました。危険だからこそ、教える方も教わる方も真剣な面持ちで、しっかりと取り組んでいました。やはり、自分で作った物には特別な思いが入ります。ここに手作りの良さ、物を大切にする心が育まれるのではないでしょうか。また、子ども達の間で友人関係や上下関係に良いコネクションが芽生え始めています。流しそうめん、ターザンロープ、ブランコは、大好評。そして、
ツリーハウスも皆の協力で、早くできたのは驚きでした。


竹の器づくり

鉈で竹を割る

箸を小刀で削る


箸に鑢をかけるを小刀で削る

竹ぽっくり

竹とんぼ


そうめん流し

トマト流し

スライムづくり


竹を使ってはしご作り

竹を利用しツリーハウス作り

キャンプファイヤー


完成したツリーハウスの上で

8月8日(4日目)
    am:樹木と遊ぶ、カレー作り(キャンプ組)、
    pm:花火鑑賞
ねらい&方法
① 自分で作った自然の遊び場を思いっきり遊び、「楽しい」を体感する
② カレーライスとご飯を釜戸で作り、非常時に備える
感想
 子ども達の笑顔がはじけるのは、はやり自然の中で何の制約もなく自由にのびのびしている時。それも自分が作った遊具なので、その楽しさも格別です。子ども達の心が開放され、自然と一体になっている…そんな姿を見ていると、平和な世界、幸せな世の中は、存在し得るのだと確信させられます。


ターザンロープ

ツリーブランコ

8月9日(5日目)
    am:ペタンクゲーム、サッカーゲーム、
    pm:英語で遊ぼう!、しそジュース作り
ねらい&方法:
(プログラム半ばを過ぎ、疲れが出てきている様子なので)ゆっくりながらも子ども達の「遊びたい!」の要求に応えることに寄り添う。
感想
 スタッフの心配を他所に、子ども達は疲れも見せずとにかく遊びたい!動きたい!じっとなんかしていられない! 確かに、このエネルギーを部屋の中で発散させられなかった分、思いっきり遊ばせてあげたい。フランス発祥のゲームペタンクも静と動で分類するなら「静」のスポーツと言えるが、子ども達の中の「静」の性格にぴったり合った遊子ども達の遊びの中に、生き生きしている笑顔がとても眩しく感じられました。
http://www.youtube.com/watch?v=nnkIzr5cP04

8月10日(6日目)
    am-海遊び、pm―スイカ割り、温泉入浴
ねらい&方法:
① 自然、特に海の美しさを心と体で、思いっきり感じてもらう。
② みんな一緒に遊ぶことは「楽しい!」という体験を通して、海(津波)への恐怖をなくす。
    感想:
 子ども達の中で、半分位が初めての海・・と言うのに、驚いてしまいました。坂田海岸の海は、今年一番の透明度との事。更に、穏やかに寄せては返し、寄せては返す波を見ていると、すべて心にあるものを洗い清めてくれる力が海にはあるのではないかと、感じさせられます。
http://www.youtube.com/watch?v=I5tVRMIC5d8


坂田海岸

海での集合写真

初めての海…

8月11日(7日目)
am:絵を書こう!
pm:あんみつ作り、元気コンサート
夜:お別れビュッフェーディナー
ねらい&方法:
① この一週間の心の動きを絵と言葉(寄せ書き)で表現し振り返る。
② 元気コンサートでの、音楽による癒しと全員参加のリズムと声を発することで、個から、一つの大きな家族へと成長してきた「喜び」を体感する。
③ 1週間の映像を見ながら振り返り、子ども達の笑顔こそ「パワー」となり、放射能に対する「免疫力」を高め、さらに、福島に戻ってからの「勇気」へとつなげる。
    感想:
 寄せ書きの中心に、「絆」と言う言葉書かれていました。1週間前は、まったく見ず知らずの家族だったのに、この1週間で互いの絆が深まり、まるで一つの大家族になったような感じです。いつも責任感を求められる長男だった子にお兄ちゃんが出来、またいつも末っ子だったのに、急に弟妹がいっぱい出来、良いお兄ちゃん役をしてくれたり、とっても気の合う姉妹が出来たりと言った具合です。今回被災地となった福島の方々にとって、「ここ館山が第二のふるさとになってくれたら・・・」「いつでも帰って来てね。」と言う思いでいます。

心と体のケア

 親子分離のリラックスタイムに、子どもは、2名の言語聴覚士、親は、家庭医、臨床心理士、理学療法士、アロマセラピストの協力を頂き、関わって頂きました。

子どもを担当していただきました先生からのレポート

 一緒にいさせていただいた 子ども達は 素直で表現豊かユーモアに長け、関わりの中でも迷いなく相手に感謝し信頼できる素質を持つ子ども達でした。そして、なにより圧倒されるほどの活力に溢れ、いかにそれを発揮しようかと 優れた『表現者』でした。
 子ども達にとって何が自然で・何が普通で・何が当たり前なのか・・・それは私達もわからないし答えはないと思いますが、元気で明るいあの子達もまた、非日常の中で自分が飲み込まれないように必死なのだと想像します。自身の立場、自身が何ができるのか常に不安を感じながらエネルギーの使い道を探索していたのだと感じました。安心できる場所、信頼する相手がこれからももっともっと必要なのだとも思いました。
 だからこそあの子達にとって今回、虹のかけ橋の皆さんとの出会いや想いは本当に大切な機会だったと思います。福島に戻ったあの子達もまた周囲の仲間に同じように感じ合って・受け止めて・許し合って、『表現者+理解者』になれるきっかけになったと思います。

親御さんのケア

 今回は、子どものプログラムですが、その子どもを日々世話をしておられる母親の心と身体の状態は、子どもに大きく影響を与えると考え、ママのサポートプログラムも子ども達と同様に大切な位置を占めていました。『ママが元気で笑顔になること=(イコール)子どもの元気と笑顔に繋がる』と、考えているからです。
 今回、放射能という見えない・臭わない・感じない物質に対する恐怖と不安の中、わが子を守らなければならない母親の精神的なプレッシャーは、想像以上のものでした。常に緊張状態の中で過ごした5ヶ月間、心の不安はもとより、未だに余震が続いています。たからこそ、ここでの1週間は、ママの身体を労わるためにとても必要な時間でした。心に溜めていた不安を何の躊躇もなく家庭医の先生に質問し話し合えた場、心身共に緊張をほぐしてくれるアロママッサージや整体の施術、またこの1週間で築かれたママやスタッフ間の信頼関係と絆が、今後福島で生き抜く力となり勇気となったようです。

放射能除去の食餌

 7泊8日の滞在は、もともと放射能の半減期を意識し、リセット期間として設けました。放射能汚染されている屋外で過ごす危険と共に、内部被爆で体内に取り込まれてしまった放射性物質を取り除くために、今回は、放射能除去食品を献立に入れるよう、気を配りました。普通作る食事のほかに、小豆入り酵素玄米、味噌汁、海草類、豆製品、発酵食品、漬物は、毎朝食にお出しするようにしました。酵素玄米が気に入ってくれた子ども達もおり、毎回玄米を食べてくれました。放射能汚染を食い止めることは出来ませんが、自分達で食餌を通して、子どもや家族の健康を気遣いことが出来ます。積極的に守ることがきについても、ここそこで勉強会的な話しの時間を取りました。今後もメーリングリストにおいて、情報交換していきます。

まとめ

 8月5日、福島市に集合した初対面の6家族、皆さん緊張気味で、これから過ごす新しい地での7泊8日が長く感じられる様子で、不安の入り混じった面持ちでバスに乗り込まれました。
 一日一日、日を追うごとに、本当の兄弟姉妹を覚える前に、兄弟や姉妹が新しい組み合わせになり、お友達関係が築かれていきました。カメラマンがファインダー越しに見る子ども達の表情は、日を追うごとに変化し、その様子を顕著に捉えていらっしゃいました。
 6日目の「館山の海」のこと…、こんな風に語っていらっしゃいました。
「どうなんだろう? どんな思いで海へ入るんだろう? 
 しかしその不安を他所に、そこにあったのは沢山の素晴らしい笑顔でした。海はとても沢山のものをさらっ 
 て行ってしまったけれど、ここへ打ち寄せる波はとっても温かで穏やかで、笑顔だけは連れて行かずに戻し
 てくれたんだと。……ずっと気にかけていたお子さんも、ずっと笑顔、最後まで笑顔、嬉しくて涙が出てき  
 てしまいました。」
 今回の、「虹のかけ橋」子ども未来応援プロジェクト「元気に遊んべぇさぁ~」は、まったくゼロからのスタートでした。資金面では、安藤財団からの支援金と中央共同募金会からの助成金を頂き、また多くの皆様にご支援を頂きました。
心より感謝いたします。またスタッフ面では、多くの方々からサポートをして頂き、事故なく無事終えることができましたことを、ご報告いたします。 

ママ達からのリアクション

 この1週間虹のかけはしの皆さんから、沢山の愛や元気を頂き、身体だけでなく心まで浄化された感じで、温かく大きな愛に包まれて、私達家族もようやく心から笑顔を取り戻すことができました。
また、おかげさまでこの七日間で息子もすっかり逞しくなり、家族もビックリしていました。
子ども達や私達母親のことまで、本当に家族以上に真剣に考えてくださったこと、皆さんの笑顔の裏には、想像以上に大変な苦労があった事…、 心から感謝感謝…本当に言葉では言い尽くせない位です。
これから福島で、今回学んだ事を生活の中に生かしつつ、私達がしていただいた恩恵を、また他の困ってる誰かに伝えていけたら、嬉しいデス それでも、また心が折れそうになったら、館山での生活や皆さんの笑顔を想いだしますネ お言葉に甘えて…また絶対館山に行きます
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 七日間お世話になりました。今回、館山でお世話になりたくさんの方とお話した中で笑顔の持つパワーを
改めて確認しました。放射能と戦う日々はしばらく続きますが、アタシ負けません(o>ω 館山から離れる時、大好きになった皆さんとのじゃあね!は、本当に辛かった・
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 館山での一週間は充実した日々で、親子共々思い切り楽しませて頂きました。
スタッフの皆さんお一人お一人に、笑顔で親切丁寧に接して頂き、毎日感謝しておりました。
夜遅くまで、私達がいかに充実した生活を送れるかミーティングをされている姿や、毎日私達の体の事を考えた食事を汗だくで作って下さる姿等々、思い出す度に胸が熱くなります。
今も毎日余震がありドキッとしたり、放射能の不安もありますが、館山で学んだ事を取り入れ、皆さんの笑顔を思い出して、笑顔パワーで子供達を守っていきます!
サマーキャンプに参加させて頂き、沢山の事を学ぶ事が出来て、沢山の思いを感じ、館山に行けて本当に良かったです。またみなさんに会いに館山に行きます!これからも、どうぞよろしくお願いいたします!



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