NO | 団体名 | 主な企画内容
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29 |
白川村立白川中学校(岐阜県) |
「茅刈り体験」 茅刈りを行う中で、地域住民との交流と共に、地域社会の理解を深め、地域のほこりである世界遺産の合掌造り集落の担い手を育てる自然体験活動。 |
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速報レポート 『茅刈り体験』
日 時 10月22日(月)
場 所 白川村飯島吉原谷茅場
参加者 生徒62名・保護者12名・教師11名
協力者 明生長寿連合会他3名、荻町自然環境を守る会2名、白川郷かや屋根技術舎1名
プログラム】
8:20 白川村役場出発
8:50 吉原谷茅場到着
9:00 始めの会(生徒会執行部)
始めの言葉
・昨年以上に茅をかろうという意気込みが伝わってきました。
指導者のお話
・茅の種類には大きく分けて2種類あること、ここでかられた茅は
全国の合掌造りの屋根に使われること、一軒の合掌造りの屋根を
ふき替えるには100束用意しなければならないことを話された。
想像もしないような量が必要な事を知り、生徒たちは驚いていた。
9:10 作業開始
・勇んで茅場に入り茅刈りスタート。老人会の方のやり方をまねな
がら、茅をかり束ねていきます。思ったよりも茅が固くて、なか
なか切ることができず苦労しました。それでも、グループごとに
協力して束を作っていきます。立てて干すために、3本をセット
にしています。刈り取った茅の株にはめて、お互いの力で支え合
うように工夫します。そうすると風がふいても倒れにくいそう
です。
また、穂の部分を強く結んでおくと雨が中に入りにくいそうです。
・少しずつ要領がつかめてきて、作業が能率的に進められるように
なってきました。
12:00 昼食・休憩
・前半だけでかなり体力を消耗したようすで、昼食後は横になって
しまう生徒も続出でした。
12:50 作業開始
・刈り取った茅を束ねて立てる作業を中心に行いました。けっこう
茅が首にあたったりしてかゆくなったり、立てる時にけっこうな
重さになったりするので、みんな悪戦苦闘でした。しかし、みん
なの協力のおかげで、茅の塔(にゅうと呼ばれている)があちら
こちらに立っていきます。
14:00 終わりの会
・疲労の色は隠せませんが、どの生徒もやり遂げたという満足感を
もっています。茅刈り体験の感想を発表し、指導者の方に御礼を
して茅刈り体験を終えました。心地よい秋風ふく帰り道、自分た
ちが立てた茅を眺めながら、自分たちでやり切った思いからか
笑顔で足取りも軽く歩く生徒たちの姿がありました。
生徒の感想
・今日は、茅刈りでした。とっても晴れていて、目的地に行く時、茅をかっている時、とても大変でした。私は最初茅を刈って、その次に茅を束ねて立てる作業をしました。暑くて大変だったけど、全国に送られたりして合掌造りの材料にもなるから、がんばりました。来年もがんばりたいです。
・今日はかやかりでした。疲れました。自分は、かる時は少なかったけど、疲れました。でも、みんなで協力してできたので良かったです。合掌造りの屋根に使われる茅をかったので、とても誇りに思います。
・今日、茅刈りだった。汗かきました。世界遺産に住んでいる一員として貴重な体験でした。
・今日の茅刈りでは、やっぱり「疲れた」の一言につきます。しかし、白川人としての誇りを持って取り組めました。
・今日茅刈りだった。汗をかきました。世界遺産に住んでいる一員として、貴重な体験だったので、将来大人になったら、中学生になった子どもたちや、自分の子供とかに大切に守っていってもらい、この伝統が残ればいいなと思います。
茅刈り体験を終えて
全校生徒が鎌を持ち、一つの作業に没頭し、へとへとになるまで作業するという経験は、ここでしかできない体験ではないか。作業の困難度、危険度、どれをとってもなかなか学校教育の中に位置づけることは難しい。しかし、合掌造り集落と言う守るべき世界遺産を持つ村の子どもたちとして、この体験は大きな意味を持つのではないか。伝統を守ることはけっしてたやすいことではなく、多大なる努力が必要となることを身を持って体験したのである。生徒の感想の中にも、自分の作業を誇りに思えたり、自分の子どもたちにも伝えていきたいという思いが綴られていた。
この1日の疲れは、伝統を引き継ぐものとして証となったのではないだろうか。
■別年度のレポート
2013年度 自分たちの手で守ろう世界遺産! 実施レポート
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