NO団体名主な企画内容
27 学校法人滝の坊学園 三好桃山幼稚園(愛知県) 「いたずらっこキャンプ」
岩古谷山登山、川遊び、魚や沢ガニ獲りなど、子どもたちがドキドキワクワクするようないたずら体験を通して、自ら考える力やエネルギーを育て、また、いたずらの先に伴う責任を学び、体験を持って自ら選択する力を育む企画。

速報レポート1

日時 :7月29日(火)AM9:00~8月1日(金)PM7:00
場所 :神田ふれあいセンター(旧神田小学校)
人数 :年長児15人・小学生58人・中学生9人・高校生2人・大学生ボランティア2人・リーダー(先生)13人・サポーター17人・カメラマン1人・地域指導者4名  合計121人
キャンプテーマ:本当の自分に出会えるキャンプ!子どもは元来いたずらっ子!
キャッチコピー:「本当に“いい子”で良いの?“いい子”って“大人にとって都合のいい子”では?」

この4日間昼夜を問わず、様々ないたずらを子どもたちも、大人も知恵とアイデアを出し合って仕掛け合ってきました。

  • 寝ている間に足の爪に、油性ペンで落書きをするいたずら
  • テントの中にいる子の靴を全部ひっくり返して置いたり、移動させたり、ガムテープでぐるぐる巻きにしておくいたずら
  • 部屋に置いてあった帽子を全部、裏返しにするいたずら
  • 落書きしたガムテープを背中にこっそり貼るいたずら
  • 先生の夕御飯の枝豆を、中身だけをすべて抜いておくいたずら
  • 友だちがシャワーに入っている間に、パジャマの裾を結び着られなくするいたずら
  • 校庭に停まっていた、いつもは乗れないバスの運転席に座って操縦のマネをするいたずら



 等々、友だちや先生など対人にするいたずらだけでなく、日頃親や先生に注意されるような、普段はできないことを、ここぞとばかりにどんどん行っていました。
 いたずらを計画する時のドキドキ感や、わくわく感や、特別感は子どもたちの好奇心や興味のアンテナをどんどん広げ、それらで着火したパワーは日に日にいたずらを変化、進化させてくれました。
 いたずらがより巧妙に、よりユーモラスに、より知的に変わっていくのと同時に、いたずらを考えたり、こっそりと実施したり、ひっかかる反応を楽しんだり、反対にいたずらされたりとそれらを班の友だちで共有することで、班の結束力は高まり、どんどん団結し、友達から仲間へと変化していきました。
 時には失敗もありました。カエルの大嫌いな子に、捕まえたカエルを持って追いかけ回し、必死で逃げているうちに転んで擦り傷を負わせてしまったり、食事前ご飯に味噌汁をかけておくいたずらをしたら、された子の中にそれが本当に嫌だった子がいて泣けてしまったりと、いたずらのつもりでした子が、いたずらをされた子の気持ちを知ることで、それまでのいたずらとの違いを知り、反省することがありました。
 いたずらなのか、いじわるなのか、もしくはいじめなのか、いたずらをした後にみんなが笑顔になっているかどうかで違ってくることを体験から学んでいた子どもたちでした。

1日目
・お膳作り
 4日間使う“お膳”を作りました。板に足と縁を付けるだけの簡単なものですが、簡単なだけに班ごとアレンジしたりする様子がありました。初日の最初の活動がこのお膳作りであったため、「4日間使う」という思いからキャンプの始まりを意識するのと同時に、班でいろいろな言葉を交わして、はじめて話す友だちや、久しぶりに話す友だちとの関係を確かめ合っている様子がありました。また、ボンドが乾くまでの間に裏の川に魚やイモリを取りに行っていました。少しの時間も無駄にしないで遊ぶ子どもの意気込みに感心しました。



2日目
・いたずら泥あそび&川遊び
 蛙目(がいろめ)という陶芸用の土粉を使って全身泥だらけになって遊びました。「粉場」と「泥場」と「粘土場」という状態の違う3つの遊び場を用意し、更に「まぜまぜ場」というブルーシートを広げたスペースをセッティングしました。
 粉場では全身粉まみれの真っ白になって遊ぶ子たち、サラサラのパウダーの感触を味わっていました。
 泥場では田んぼのようなヌルヌルな感覚を全身で堪能し、ツルツル滑る感覚に笑いが止まらない様子がありました。
 粘土場では70センチ近くまで高く盛られた粘土を掴めるだけ手に取り、ウサギや団子などの造形遊びを楽しんでいました。
 まぜまぜ場では髪の先から足の指先まで泥まみれになり、心も体も解放して遊ぶ姿がありました。友だちの顔に塗りたくったり、先生の背中に泥をつけてみたりと、いたずら心に火をつけるような活動を通して、班を超えて参加した全員の心の距離が近づく活動になりました。



 ドロドロになった後は、全身についた自然素材の泥を川へ洗い流しに行きました。「冷めたーい!」と言いながら川で体を洗う姿は何とも逞しく見えました。体を洗い終えるとそのまま川遊びに突入!ダイナミックに飛び込みを楽しむ高学年。班の仲間で協力して石で防波堤をくみ上げ、魚の追い込み漁をする子どもたち。水きりのコツを掴み記録に挑戦する子。沢ガニを見かけ必死で探す子。それぞれの子どもたちが真剣に遊びたい川でやりたい遊びを満喫していました。





3日目
・いたずら山登り
 岩古谷山799Mに全員登りました。年長児や1年生には少々厳しい登山に、お兄ちゃんやお姉ちゃんに助けられながら登る姿がありました。ここでキャンプ企画本部から高学年にいたずらを仕掛けました。学校から登山口に向けてバスで出発する時に「あ!バスの定員オーバーだ!」とはじめて伝え、登山口までの4キロある道のりを高学年だけ歩いて行くことを出発時に伝えました。「えーっ!」と大ブーイングの子どもたち。さすがに登山の前後すべて歩くのは可哀想に思い、途中からはバスをピストン輸送しました。しかし、その後もずーっと「あれはひどい!」といわれ続けました。でも、その表情は何とも嬉しそう。大人のいたずらの味をかみしめているようでした。
 遅れて到着した高学年の助けもあり、5歳児一人では登れない段差や、階段に手を差し伸べてくれ無事山頂にて、手作りおにぎりを食べることができました。山頂で100人おにぎりを成功させることができました。



・いたずらキャンプファイヤー
 1班の子どもたちが企画したキャンプファイヤー。いたずらをテーマに考えました。対象は先生たち。「今から○○先生が一発ギャグをしてくれます!」や「○○先生と○○先生とでガチンコ相撲対決してもらいます!」など、事前には伝えられてないことを突然みんなの前でお願いしました。仕掛ける方も、仕掛けられる方も、それを見る方もみんなが笑顔になれるいたずらでした。
 キャンプ最終日前夜に、思い出に残る楽しいひと時を、夕暮れの大自然に包まれながら過ごすことができました。



4日目
・いたずら祭り
 保護者には内緒で“いたずらっこ”とロゴの入った真っ赤なキャンプTシャツを、子どもたちも、先生たちも全員が着てお祭会場で待ち構えていました。驚いたり、戸惑いながら続々と会場に来る保護者たちと一緒にカレーを食べたりしながらキャンプの思い出を語り合いました。
 キャンプのしおりに毎日記入した『今日のいたずら』欄に書き込まれたその日その日のいたずらや思い出を見たり、初日と最終日に撮った班の集合写真の変化を見たりしながらキャンプ中のエピソード語り合いました。久しぶりの家族と会って、少し照れている子、うれしくて抱きつく子、ひたすら出来事を話す子など様々な形で家族への甘えを表現していました。
 そして、最後に全員でキャンプファイヤーをしました。班ごとにこのキャンプで“したいたずら”や“されたいたずら”や“心に残ったこと”を発表し合いました。これにより保護者も一緒に4日間のキャンプの雰囲気を感じることができました。





 “やって良いいたずら”と“やってはいけないいたずら”を大人からの注意による教えからではなく、自らによる体験から学んでくれたことがこのいたずらっこキャンプの本当の意味になったと考えます。
 自ら学び成長していく逞しい子どもたちの姿を目の当たりにして、大人が言葉で伝えられることの少なさと無力さ、そして、言葉だけで伝えた気になっていることへの反省を感じました。
 子どもを早く早く大人にしようとする世の中の風潮の中で、言葉だけで注意や指示をしている大人側にこそ、本当の問題があるのではと考えさせられました。
 これからの幼稚園での子どもたちとの生活の中でも課題として取り組んでいきたいと思います。













■別年度のレポート
2013年度 3泊4日の自然体験活動【徹頭徹尾】 実施レポート
2012年度 帰ってきた!! 忍者キャンプ2012 実施レポート

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