NO団体名主な企画内容
10 NPO法人 宍塚の自然と歴史の会(茨城県) 「宍塚の谷津田を利用した田んぼの学校」
古墳時代から長く使われてきた谷津田において、完全な無農薬での稲作を行なう。食農教育・環境教育・伝統文化伝承を教えるともに、幼児~中学生との幅広い子どもたちの交流と同時に、親子の交流も行う企画。

速報レポート2 稲刈り

実施日:10月10日 17日

田んぼの学校では、里山の入り口、井戸の北側の田んぼで稲を育ててきました。10月10日には、朝紫(もち米の黒米品種)、17日にはまんげつもち(白い餅米)の稲刈りをしました。鎌で刈って、束にし、おだをくみたて、そこにかけて干すまで、午前、午後4回で、のべ20家族(2家族は2回参加)、大人23人、子ども31人が、スタッフとともにしっかりと働き、稲刈りを終了することができました。10日午後、17日午前と午後には、地元のTさんが、昔からの稲刈りで必要だったリッツオの作り方、稲束を束ねる方法、鎌の持ち方などを教えてくださいました。子ども達は6月の田植えのとき、各自一本ずつの苗を「子どもたんぼ」区画に植えました。刈り取って、持ち帰りました。Tくんは、10日に持ち帰って、何本の穂が出て何粒実ったかという「宿題」をしました。そして、穂から籾粒をはずし、すり鉢でもみ殻をのぞき、ごはんにいれて炊いて食べたそうです。17日にも稲刈りにきて「宿題」を出してくれました。それによると、15本の穂、1本の穂に108粒→1粒から1620粒の米が実っていたそうです。Kさんもた「宿題」をしてきてくれました。彼女の稲は17本の穂。1本の穂に122粒、1粒から2074粒の米が実っていたそうです。(阿部)

田んぼ日誌の中の感想から

  • はじめていねかりをして、かまでいねをきるのがたのしかったです。(T.Sくん)
  • たのしかった。いねをかるときに少しむずかしかった。ひもをつくるのはむずかしかった。(T.Oくん)


初めてのリッツオつくり

Tくん

Hくん

 イネ刈りが進んで、楽しい休み時間も終わる頃、Tさんがニコニコしながらやって来られました。子どもたちはTさんを囲み、刈り取った稲をしばる縄(リッツオ)、縛った束を運ぶ太い縄(あげリッツオ)の作り方を教えて頂きました。まず縄を作るワラをきれいに整えるワラスグリです。Tさんが一人一人に適量のワラを分けてくださり、ワラスグリのやり方の見本を見せて下さいました。みんな真剣な顔つきで教えられた通りにしました。ワラシブがとれて美しく変身するワラの姿を見ました。大成功。縄を作る(綯う)準備が整いました。いよいよ綯わないを実習する番です。みんなでTさんの手の中で縄がするすると生まれていく様子を観察しました。イネわらは縄になりたがり、縄に成れてしあせそうに見えました。子ども達は①Tさんの説明を聞き、②Tさんの手の動きをよーく見て③自分自身の手でTさんの手の動きを真似てやってみる。やってもやっても上手くいかない。たまたま縄らしきものが生まれるが、そのコツを習得するのは簡単ではない。Tさんは縄をない続け説明を繰り返しながら、子ども達のがんばりをニコニコ見守って居られました。
 実技は言葉で教えることが難しい。身体とひざと左右の手のひらとワラが同時に調和して働きあって初めて縄をなうことができるからです。子ども達に、座学では習得できない事、実習、経験を通して初めて習得できる技能があることに気づいて欲しいと思いました。
 実技の楽しい時間はあっという間に過ぎて、子ども達はリッツオの見本と練習用ノワラをわけてもらって、イネ刈りの後半の作業に立ち戻りました(江原)


藁をすぐる(道具使用:17日午後)

藁をそろえる

藁をなう


上がりっつおうの写真

Tさんが子ども達に語った話:これを50本たばにしておいて、腰のうしろにはさみ、稲刈りのとき1本ずつ引き出しながら使う。わらがよってあるので、むすんだり、稲をまるめたわらを押し込んだりせず、くるっとねもとでよじれば、しっかり、結ぶことができて(実演を見て手品のようと子どもたちびっくり)たいへん効率的な稲刈りができた。どれだけの稲が収穫できたか、すぐ数えられる。おだにかけた稲束を脱穀のためおろして運ぶときには、2本のりっつおうの、よった部分をむすびあわせ、長い「あげりっつおう」にして、大きな稲束をゆわいた。りっつおう作りは農閑期、稲刈り中でも夜なべ仕事で何万本も作った。



速報レポート1 観察会「田んぼ」・田植え
速報レポート2 稲刈り

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