NO団体名主な企画内容
11 NPO法人 冒険の鍵クーン(秋田県) 「あきた野生生物ジュニアレンジャープログラム「クマ班」2017 ~クマとばったり出会わないために~」
森吉山麓は古くからクマとヒトが程よい距離感で暮らしてきた地域。クマもヒトも同じ場所を行き来しつつ、お互いに過度に干渉することを上手に避けてきた“共生の伝統”を、大切に守り継承していくことを子どもたちに教える企画。

速報レポート1

 クマをはじめとした野生生物との遭遇や事故について、最近は話題に上ることが増えてきました。
 そんな中、「あきた野生私物ジュニアレンジャーキャンプ」も5年目を迎え、今年も8/6~8 2泊3日、森吉山麓高原にある「秋田県立奥森吉青少年野外活動基地及び周辺」にて、小学生21名、中学生1名の22名に、指導者5名で開催することができました。以下にその実施内容をレポートします。

8月6日(日)
 秋田駅他5か所の集合場所で、各地とも少しゆっくり集合して、北秋田市の「森のテラス」へ向かいました。到着後、気持ちのいい農村の景色を見ながらお弁当を食べました。ここでは、地域の子供たちが育てた野菜を分けていただき収穫しました。野生生物に注目したキャンプですが、人々の暮らしが動物たちのすぐ近くにあることを知る目的です。                       
 キャンプ場へ到着後、3日間の拠点となるテントをグループで協力して設営し、このキャンプの特色の一つである、獣肉クッキングにとりかかりました。今夜はエゾシカ。北海道でのシカとヒトとの状況を聞いたのち、後足1本をみんなで解体し、収穫した野菜といっしょにBBQの夕食をとりました。
 暗視スコープを持って夜の森へ出かける予定でしたが、BBQが盛り上がってしまい時間が遅くなったため、スコープは明日の夜にして、今夜は管理棟でシャワーを浴びて、各グループごとにテントで就寝しました。

8月7日(月)
 早朝に森沿部を散策しながらバードウォッチング。特徴的でユーモラスなアオバトやメジロなど鳴き声を捉えることができ、数は多くはありませんでしたが、双眼鏡やフィールドスコープでその姿を見ることもできました。ウォッチングから帰り、デリバリーの朝食をとりました。
 朝食後、テントサイトから、管理棟まで森の中の遊歩道を通り、フィールドサイン(動物の痕跡)を探しました。糞が2種類(肉食系のものと草食系のもの)、クマがアリの巣を狙った跡、カモシカ・クマの噛み痕、クマの毛 などが見つかり、こんな近くに野生生物が確かにいることが確認できました。管理棟に到着後、6月から森に仕掛けておいたセンサーカメラ7台分のSDを回収し、回収したSDの画像を解析しました。テン・アナグマ・ツキノワグマ・カケスが写っていました。クマの大量出没年だった昨年に比べると、今年は少な目でしたが、本来はこれくらいの頻度なのかもしれません。今回センサーカメラではすべて動画で撮ったので、写った動物のベストショットをキャプチャー。撮れた画像の中からお気に入りの写真をお家で飾れるように、小枝を組み合わせた写真立てを作りました。写真の一番人気はキツネ。女の子はやはりウサギでした。
 今夜の獣肉は、クマ。地元のマタギさんに分けていただいたのですが、こちらはきれいに解体されて塊になっていて調理は楽でした。クマ鍋にして残さずいただきました。夕食後、暗視スコープを持って夜の森へ出かける予定でしたが、今年もクマの出没が懸念されたため、森へは出かけず管理棟のテラスからスコープで森を観察することにしました。思いのほかくっきり見えるスコープの威力に驚きながら、コウモリの姿をとらえることができました。その後温かいシャワーを浴びて就寝しました。

8月8日(火)
 キャンプ最終日、ヒトは動物の肉だけではなく、内臓もちゃんとありがたく食べてきました。
 日ごろ"腸"とはイメージしにくいソーセージを手作り、作りたてのソーセージとパンの昼食。
 野生生物との距離感を測る中で、食べて食べられる関係性は一番の基本。命を頂く以上、残さず食べました。3日間過ごす中で、出会ったり知ることのできた野生生物のうち気になる動物について、鳥獣センターの解説を各自で調べ、帰路につきました。



















■別年度のレポート
2016年度 あきた野生生物ジュニアレンジャーキャンプ2016 実施レポート

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