NO団体名主な企画内容
6 網地島(あじしま)ふるさと楽好(宮城県) 「網地島ふるさと楽好 〜限界集落の島の自然体験活動による 大切にされ 愛される記憶を子どもたちに〜」
"限界集落の島の食事体験(海からとってきたウニ、あわび、ひらめ、貝、海藻等)を島の高齢者に教えてもらいながら、みんなで調理し、楽しく会話しながら食べる体験を通じて、震災の心の傷を癒してもらう企画。"

速報レポート2

実 施 日   2019年8月2日(金)~4日(日)
参加者数   小学生14名,中学生8名,(高校生3名)
(参加してくれた子どもたちは,実の両親から虐待を受けて来た子ども達や東日本大震災で両親を亡くした震災孤児です。)
指 導 者   島のお年寄り等16名
ボランティア 首都圏・関西圏,四国等からの学生ボランティア等42名
体験内容

8月3日(土) 2日目
5:00  ちょっと早めの起床
 子どもたちは,自主的に早起きして,カブトムシやクワガタを捕まえに行きます。
 しかし,島の楽校の外灯が,LEDに変わったため,たくさんの虫が集まらなくなりました。
 わずかに残った島の楽校の蛍光灯に,コクワガタやミヤマクワガタが集まってくれました。
 カラスも,クワガタを食べるために狙っているので,早朝は,早起きの競争になります。
 子どもたちの方が,早起きだったので,カラスに食べられる前に,捕まえることができました。
6:00  起床
6:30  朝食準備
 島のおばあちゃんが,4時半から島の楽校に来てくれて,朝ご飯を作ってくれます。
 できた料理は,子どもたちが運んで準備します。
7:30  朝食 島では,海が荒れると,船が止まってしまうので,いろいろな保存食が考えられました。
 子どもたちは,珍しい島の料理なので,たくさん食べます。
 メカブは,朝に網地島でとれたものだと教えてあげると,ふだんは食べたことは,ありませんが,おいしいおいしいと言って,たくさん食べます。


島のワカメの味噌汁,島のヒジキの煮物

 昼の味噌焼きおにぎりをみんなで作ります。火をおこして,炭をおこします。子ども達に,薪になる杉の葉っぱや松ぼっくりを山から集めて来てもらいます。いい炭加減にならないと,こんがりと香ばしくならないので,煙が目にしみると言いながら,一生懸命にうちわであおいでもらいます。
 味噌焼きおにぎりの味噌付けを任されたのは,ボランティアの女子大生でした。初めてだったので,加減が分らず,厚く塗っていたところ,「これじゃ,ちょっとしょっぱいおにぎりになるよ。」と言われましたが,もう出来上がってしまったので,みんなで笑うしかありませんでした。ひっくり返すのが遅くなって,真っ黒になってしまった味噌焼きおにぎりもあります。みんなで大笑いです。そんな失敗も,子ども達にとっては,とてもおもしろいようです。


味噌焼きおにぎりを作っています

180個のおにぎりを作っています

9:00  石音浜(いしどのはま)での網地島だけの魚釣りあなご抜き
 あなご抜きは,網地島だけの釣り方です。島の長い真竹に,針と糸を付けただけの簡単な仕掛けで,岩の下に突っ込んで釣ります。アイナメやクロソイがおもしろいように釣れます。
 台風の影響でうねりがあり,石音浜(いしどのはま)でのあなご抜きを断念しました。
 前回経験した子どもたちから,「あなご抜きしたかった。」,「できなくて,残念だ。」,「風も吹いていない。」との声が上がりましたが,大きな波があることを伝え,その波にさらわれたら,助からない等,海の怖さを教えました。
 台風の影響のない網地白浜での魚釣りになりました。石音浜には,最強のエサ「エラコ」がありますが,網地白浜にはないので,つぶ貝を自分で取ってきて,潰してエサにします。真剣に取り組みましたが,残念ながら,魚は釣れませんでした。
 その代わり,カニがたくさん釣れました。しかし,カニは陸に上がると,すぐに逃げてしまいます。子ども達からは,「おいしそうだったのに。」との声が上がりました。
 網地島に来て,みんな野生児になりました。魚が釣れていれば,浜で焼いて,昼ごはんのおかずになる予定でした。


石音の浜

網地島だけの魚釣りアナゴ抜きに挑戦中

大きな魚が釣れないかな


ここだ!!

もう少しだった

 海の中で,冷やしておいたスイカで,スイカ割りをしました。みんなで応援しましたが,感覚がつかめずに,全く別な方向に行ってしまう子どももいて,みんな大はしゃぎでした。心を落ち着かせ,全神経を集中させると,うまくスイカを割ることができるようです。海で冷やしておいたので,とてもおいしかったです。
 砂浜に,アオスジアゲハが遊びに来てくれました。鮮やかで,複雑に光る青い筋にみんな見とれていました。
 気温があまりにも高くなったので,浜での活動は取り止めすることになり,子ども達に伝えたところ,不思議と子ども達も賛成してくれました。子ども達も,自分の身体の状態を敏感に感じとった様子でした。
12:00 昼食
 焼きたてのおにぎりはとてもおいしいです。


味噌がたっぷりの味噌焼きおにぎり ちょっとしょっぱい

13:00 自由時間
 午後は,サイクリングと島の楽校の近くでの虫捕りのグループとのんびりグループに分かれて,活動を行いました。
 サイクリングでは,島の反対側の長渡(ふたわたし)浜まで行きました。人に会うことはなかったので,子どもたちは,不思議に思いました。また,島には,風が吹いていないことも不思議でした。
 虫捕りグループは,島のおじいさんから,「島の楽校が,まだ中学校だった頃は,周りには田んぼがあって,カエルがたくさんいたから,マムシもたくさんいた。マムシに気を付けてね。」と聞いて,びっくりしましたが,マムシに会うことはありませんでした。田んぼは,森になっていて,田んぼがどこにあるのか,分からない状況でした。
 網地島の大ムカデが登場。30cmを超える姿に,子どもたちは大騒ぎ。布団の中まで入って来るので,島では何度も噛まれた人が多く,島では最も忌み嫌われる天敵。
 子どもたちから「殺さないで」と言われましたが,島のおじいさんが,殺虫剤であっという間に抹殺してしまいました。
 島の楽校の赤茶色の校庭には,大きなショウリョウバッタも遊びに来てくれました。子どもたちは,最初は怖がっていましたが,つかみ方や性格が穏やかなバッタだと教えると,自分で捕まえに行きます。捕まえたら,みんなで見せ合いっこをします。
 オニヤンマは,島の楽校の中や体育館の中にも遊びに来てくれました。高速で移動しますが,ピッタと止まることができます。子どもたちは追いかけますが,捕まえることはできません。
 のんびりグループは,島のおじいさん,おばあさんと話しをしました。島の阿部さんに「島にはお店があるの」,「病院はあるの」,「子どもはいるの」等のたくさんの質問をしました。廃校になった中学校の図書館で本を読んで,ゆっくり過ごしました。島なので,日陰には常に涼しい風が吹き渡り,気持ちいいです。


網地島の大ムカデ

島のおじいさんとお話中


16:00 夕食
 お肉のバーベキューです。ふだんの島の料理は,島でとれた魚介類が中心なので,たまには,お肉を食べたくなります。内地に行くときは,肉を大量に買って来ます。
 火おこしは,子どもたちにお願いしました。煙い煙いと言いながら,子どもたちは,一生懸命に火おこしをしてくれました。子どもたちは,お肉が大好きなので,ニコニコのお肉のバーベキュー大会になりました。島の芋で作ったポテトサラダは,絶品です。
 デザートは,コーヒーゼリーとリンゴゼリーです。島ではお店がないので,これも手作りです。8月が誕生日の子には,特大のゼリーがプレゼントされました。


手作りのコーヒーゼリー

お誕生日の子には特大のゼリー 

19:00 肝だめし
 島の楽校の裏には,木造の旧校舎があり,とても怖いオバケがいそう。周りは,人家がなく,森に囲まれており,怖そうな雰囲気です。大学生ボランティアが趣向を凝らしたおかげ(せい)で,泣き出す子どもが続出しました。


肝だめし中

夜になると怖い旧校舎

21:00 就寝
 みんな疲れて,ぐっすり寝ました。枕投げなし。



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