NO | 団体名 | 主な企画内容
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自然体験楽校 青森自然塾(青森県) |
「青森・津軽五名山大冒険」 岩木山、八甲田山、梵寿山、眺望山、東岳を舞台に大冒険しながら、仲間と交流して様々なことを語り合う。お互いに助け合い、協力し合い、自分の役割を果たし、子どもの生きる力を育み、「歩く文化」を醸成する。 |
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速報レポート1
実施日 令和2年7月18日(土)
令和2年8月1日(土)
令和2年8月10日(月)
今回、7月~8月にかけて「青森津軽五名山大冒険」と称し、青森県内の5つの山(東岳、岩木山、八甲田山、梵珠山、眺望山)の登山を企画しました。山に登るということは、自然の中で過ごすということです。普段、自然塾での農業体験等を通して自然と触れ合っている子どもたちですが、登山の経験はあまりありません。今回の登山を通して、自然をより近く感じて欲しいと思っています。また、登山は決して楽なものではありません。緩急が激しかったり、足場が悪かったりもします。体力的にも苦しい場面があるかもしれません。しかし、最後まで粘り強く、仲間と励まし合い、協力し合いながらゴールを目指して欲しいと思います。
第1回目
日時 令和2年7月18日(土) 10時~
場所 青森市 東岳(標高652m)
天気 曇り
参加人数 子供11名 大人5名 計16名
引率 青森自然塾スタッフ3名
東岳は市街地からよく見える山なので、青森市民にはなじみ深い山です。青森市の東部に位置しており、登山道はよく整備されています。「八甲田山と岩木山の喧嘩に巻き込まれ、首を飛ばされたため、東岳は現在のなだらかな姿になった」という伝説もあります。東岳は、明治~昭和前半まで石灰石等の採掘場でした。石灰岩の岩肌やトロッコレール、火薬庫跡、鉱山で使われていたエンジンなど、当時の痕跡が数多く残っています。これらは当時を知ることのできる貴重な財産です。自然に触れ合うだけでなく、かつて鉱山として栄えていたという歴史も感じることができます。山頂からは市街地を一望することができます。また、八甲田山や岩木山、津軽半島、下北半島、北海道の眺望も得ることできます。
朝10時、集合場所に参加者が集合し、「青森津軽五名山大冒険」についての説明を行いました。
次に、互いに自己紹介を行い、子ども達に帽子とTシャツを配布しました。その後、東岳の駐車場まで車で移動しました。
10時半、登山口到着。それぞれ諸準備を済ませ、東岳に関する説明を行いました。
10時40分、登山開始。登山口から山頂までは約2.2kmで、大人だと約1時間程度で登ることができます。参加者のほとんどが登山初心者だということや、熱中症対策等も考慮し、20分に1回の休憩を取り、約1時間半での登頂を目指しスタートしました。
子供達はワイワイお喋りをしながら、軽快な足取りで登っていきます。途中で虫を見つけては、「これは何の虫だろう?」「これは○○ムシだよ。」というやり取りも多く見られました。
虫の他に、何かの動物の糞も見つけたようで、「たぬきかきつねに遭遇できるかも?」と目を輝かせていた子もいました。ただ登るだけでなく、周りに目を向けて色んな発見をしていました。これも登山の醍醐味の一つと言えるでしょう。石灰鉱山跡を過ぎると、見晴台があり、そこで休憩を取り、集合写真を撮りました。見晴台からの眺めも素晴らしく、陸奥湾を一望できました。子ども達は特に疲れた様子もなく、元気に遊んでいました。
15分程の休憩を取り、再び登り始めました。登山開始から40分ほど経った地点で、トロッコレール跡があり、子ども達は興味津々で観察していました。標高600m地点からは、これまでと異なり急斜面が続きます。次第に疲れが溜まってきたのか、口数も減ってきて、登るペースも遅くなりました。
しかし足を止めずに、着実に登っていきます。急斜面を登るのが苦手な子どももいましたが、互いに励まし合っていました。登山開始から約1時間半で山頂に着きました。子ども達の「やったー!登り切った!」と言う声が多く聞こえてきました。大変な思いをした上での登頂成功の達成感や喜びもひとしおだったと思います。子ども達の顔も生き生きとしていました。山頂は気温が低く、霧がかっていました。山頂で昼食をとり、集合写真を撮って下山しました。
第2回目
日時 令和2年8月1日(土) 8時~
実施場所 弘前市 岩木山(標高1625m)
天気 曇り
参加人数 子供15名 大人8名 計23名
引率 青森自然塾スタッフ2名
弘前市に位置する岩木山は、標高1625mと青森県随一の高さを誇ります。山頂部分の山雪が特徴的で、その美しさから「津軽富士」という愛称がついているほどです。行楽日和には季節を問わず青森県内外から多くの人で賑わいます。津軽平野から望む岩木山は、この地方のシンボルであり、古くから「信仰の山」として親しまれてきた歴史もあります。山岳信仰の歴史から「お岩木様」とも呼ばれ、家内安全や豊作を願う「御山参詣」という行事が、毎年9月に行われます。岩木山の登山道は5つのコース(百沢登山道・嶽登山道・赤倉登山道・弥生登山道・長平登山道)があります。今回は最も短い時間で山頂まで登ることができる嶽登山道からスタートします。
朝7時半、青森県総合社会教育センター駐車場に集合しました。健康観察、諸説明を行い嶽温泉へ移動しました。嶽温泉へ到着し、トイレ等を済ませて、9時10分登山を開始しました。前日は大雨だったため、登山道の状態はあまり良いものではありませんでした。
今回も、20分に1回の休憩を取り、慎重に進んでいきます。嶽登山道はほとんどがブナの樹林帯で、景観の変化があまり感じられません。しかし、木漏れ日が差し込み明るい雰囲気です。最初は一本調子の緩い登りが続きます。所々に「標高まであと○・○km」という標識があります。最初に子ども達が見つけた標識は「標高まであと4.0km」と示されていました。「4.0kmなら余裕だ!」という声が多かったのですが、しばらく登り、次の標識に「標高まであと3.6km」と書かれているのを見て、「え?!まだ0.4kmしか登ってないの?」と大変驚いていました。
自然塾スタッフから「山の1.0kmは、陸だと4.0kmに相当する」ということを聞いて、少し不安げな表情を見せていました。
休憩を何回か挟みつつ、登山開始から1時間半程で巨木の森付近へとたどり着きました。足場が悪いこともあって、この時点で子ども達はかなり疲れているようでした。「もう歩きたくない。」と声を漏らす子どももいました。
再び登り始めます。途中で羽化したばかりの蝉や、真っ赤なキノコなどを見つけました。子どもの視点には驚かされるばかりです。登りながらも周囲をちゃんと観察していることが分かります。
巨木の森以降は道幅が狭くなり、少しずつ傾斜が出始めてきました。子ども達からは「あとどれぐらいで着くの?」という声が頻繁にあがってきました。途中ですれ違った他の登山客から「あと少しで8合目だから、頑張ってね」という励ましの言葉も頂きました。
しかし、しばらく歩いても8合目が見える気配がなく、次第に子ども達は無口になっていきます。途中で泣き出す子どもいました。しかし、周りからの励ましで再び足を動かします。少し視界が開け始めて、8合目のリフトの音が聞こえ始めると早くゴールしたい一心からか、ペースが上がります。巨木の森から1時間半程、登山開始から3時間で、8合目のリフト乗り場へ到着しました。
前回の東岳の倍以上の時間を登ることとなりました。到着すると、開放感や安心感からか思わず涙を流す子どももいました。「すれ違う人に、『あと少しだよ』と何回も言われるのに、全然8合目が見えなかったから辛かった。」と言っていました。
12時半頃に山頂で昼食をとる予定でしたが、8合目においての時刻が13時を過ぎてましたので、予定を変更して、8合目休憩所にて昼食をとることにしました。
子ども達の体力と時間を考慮して、予定を変更して、リフトで9合目の鳥海山まで行き、そこをゴールとしました。
ずっと山頂付近は雲がかかっていたのですが、ちょうど雲が晴れて山頂を見ることができました。9合目で集合写真を撮り、下山しました。山頂まで登ることはできませんでしたが、またの機会に山頂まで登りたいと思います。
一緒に参加した父兄でも「大変だった」と言っていたので、子どもたちもかなり疲れたと思います。途中、くじけそうになりながらも、ゴールまで登り切った子ども達の頑張りを素直に認めてあげたいです。足場が悪く滑りやすかったのですが、怪我をしたり体調を壊したりする子どももなく、無事に終了することができました。
第3回目
日時 令和2年8月10日(月) 8時~
実施場所 青森市 八甲田山(標高1,585m)
天気 晴れ
参加人数 子供13名 大人12名 計25名
引率 青森自然塾スタッフ5名
日本百名山の一つである八甲田山は、18もの成層火山や溶岩ドームが連なる火山群の総称であり、「八甲田山」という名の山自体は存在しません。その名前から「山が八つ連なっている」などと思われがちですが、八(たくさん)の甲(たて)状の峰と山上に多くの田代(湿原)があることから「八甲田」という名前がつきました。南北2つの大きな山群に分かれており、最高峰が1,585mの大岳で、頂上は360度の眺望が開けます。今回は酸ヶ湯温泉→仙人岱→大岳(八甲田山)→上毛無岱→酸ヶ湯温泉のコースで登山に臨みます。
朝7時半、酸ヶ湯温泉駐車場に集合し、健康観察や諸説明を行いました。身支度等を済ませて8時に登山を開始しました。前回の岩木山よりも標高が低いことを知ると、子ども達はどこか余裕を見せた表情でした。酸ヶ湯温泉の標高が900mなので、実質700mほどの登山となります。スタートからしばらくは階段状の緩やかな道が続きます。木々に覆われているので展望はありません。連日の雨のせいで、ぬかるみも多かったです。怪我等に気をつけ、スタッフを先頭にゆっくり登っていきます。先日の岩木山登山を経験したこともあって、子ども達の足取りも慣れた様子です。1時間ほど樹林帯の中を歩くと、「地獄湯の沢」に着きました。展望が開けており、スタート地点である酸ヶ湯温泉が見えます。火山特有の硫黄臭が立ち込めており、「ゆで卵のニオイがする!」と言う子どももいれば、「くさい」と言う子どももいました。また珍しい色の岩や火山岩に興味津々な様子でした。 15分ほど休憩を取り、再び登り始めます。ある程度登ると木道が出てきて、これまでと一転して湿原風景(仙人岱)に変わります。東岳・岩木山とは異なり、樹林帯や岩場、湿原など景観の変化を楽しむことができます。景観が変わる度に子ども達からは大きな歓声があがります。仙人岱からは、大岳の頂上がよく見えます。仙人岱では水が湧いているので、水分補給を行いました。湧き水はとても冷たく美味しいです。子ども達は何杯もおかわりしていました。ここまでで、子供たちに疲れている様子は見られず、とても楽しそうにしていました。やはり、先日の岩木山登山の経験が活かされているのだと思います。
仙人岱から40分ほど歩くと、再び岩場となります。風がとても強く、気温は約19度で半袖だけだと寒く感じました。15分ほど登り続けて、山頂へとたどり着きました。登山開始から約3時間でした。霧がとても濃かったので、眺望することはできませんでしたが、子ども達は大はしゃぎでした。山頂で昼食を済ませて、下山の準備をしました。来た道は通らず、毛無岱ルートを下ります。しばらく下っていると、眼下に見えてきたのは毛無岱の大湿原です。紅葉時期になると、辺り一面に赤や黄色に染まり大変きれいです。紅葉時期にも再び八甲田登山を企画したいと思います。毛無岱を抜けてしばらく歩くと、「大岳避難小屋」に着きました。ここでしばらく休憩をとりました。子ども達は相変わらず元気で、疲れている様子はありません。避難小屋をあとにして、再び下山をします。木道がしばらく続きます。この日は山の日ということもあってか、多くの登山客がいました。他の人とすれ違う時に、自分からきちんと挨拶が出来るようになったのも、登山を通しての変化の一つです。しばらくすると小雨が降ってきたため、木道は大変滑りやすくなっていました。上毛無岱の休憩テラスで休憩をとり、下毛無岱へと向かいます。長い階段を下って下毛無岱へと向かうのですが、階段から見下ろす下毛無岱の景色もとてもきれいでした。30分ほど湿地帯歩き、樹林帯へと入ります。樹林帯に入ってから約40分で、ゴールの酸ヶ湯温泉に着きました。この日はスタートからゴールまで約6時間でした。これまでの登山にかかった時間の中では最長であったものの、子ども達は終始元気でした。「景色が変わるから面白かった。」という声が多かったです。
景観が変わることで、子ども達も疲れも消え、飽きずに楽しめたのかと思います。最後に集合写真を取り、みんなでスイカを食べました。その後、かっぱ温泉へと移動し、今日の疲れを癒やして解散しました。
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