ふるさと千万町 山里の自然と生活の知恵がいっぱい！「みんなが主役！手作りワイルドキャンプ！」　ワイルドクッキング　[7/19]

手作りワイルドキャンプを食の部分で支えてくれるのが島田シェフ（島田調理員）である。
「私も楽しみながら、キャンプに参加させてもらいます。」とキャンプの調理の先生として大活躍である。

このキャンプのためにＥＭぼかしで作った堆肥の土作りから始めた学校農園で収穫しておいた野菜は
タマネギ、ジャガイモ、ミニトマトなどでほとんど自足できる。
足らない部分は農家の子が持ち寄った物である。
お米は各自が持ち寄ったものと茅葺き屋敷の棚田でとれたものも足していただく。

カレーの調理もさすがに高学年の子たちは、包丁さばきも上手である。
お米とぎから、火起こし、飯ごう炊飯、カレー作りまで、５人の子どもたちが主役になりながらも
部活が終わってかけつけてくれた中学生や保護者も地域講師の先生も見守りながらも
時々アドバイスをしながら手伝ってくれる。
あくまで子どもが主役の手作りワイルドキャンプである。

手作りの材料で、共に活動しながら
小学生と先輩の中学生・保護者という子どもと大人とのいい関係が生まれてくるのがうれしい。
竹筒でのご飯炊きにも挑戦してみたが、なかなかうまくいかなかった。
火の回りが難しいようである。

さあ、いよいよ調理もできて、いただきますの時間だ。
自分たちで作った竹の器にできたてあつあつのご飯を盛り、手作り野菜でできたカレーをかける。
この頃には、地域の保育園の子たちや中学生、その親御さんも参加してくれてにぎやかになる。

この夕飯のスペシャルメニューは、何といってもイノシシ肉の鉄板焼きである。
この日の為に、地元のＮＰＯ法人「猟踊会」の日淺一さんと神谷猪一さんが
「千万町の子どもたちに最高のイノシシ肉を食べさせてやりたい。」と解体してもってきてくれたものである。
千万町地区は、イノシシやシカが増えすぎて農作物に外を与えるまでになっているので
イノシシやシカ用の檻で捕獲したものである。

日淺さんは、常々
「愛知県でも千万町地区は、一番ぐらいイノシシやシカが多い地区になっている。
農作物の被害も多い。でもイノシシもシカも懸命に生きている。
イノシシを殺すのも本当はつらいものがある。無益な殺生をしてはいけない。
イノシシやシカと人間がうまく共存していけるように適切に頭数をコントロールしてやらないといけない。
またイノシシやシカの肉はくさくてまずい、という思いこみがあるがそれはちがう。
皮や血のにおいが肉に移らないように解体処理をすればイノシシ肉ほどおいしい物はない。
だからこそ、地域の人にイノシシ肉のおいしさを知ってもらい
またうまく野生動物と人間が共生していけるようにしたい。」
と話して見える。

この日は、神谷さんが子どもたちにそんな思いを語りながら
「牛肉よりさらに高級ともいえるイノシシ肉の一番いい部分をもってきたよ！たくさん食べてね！」
と鉄板で焼いて塩こしょうをしただけの素材の味を生かした熱々の焼き肉を食べさせてもらった。

これがおいしいの何の！
「めっちゃくっちゃ、おいしい！」「こんなおいしいお肉初めて！」
と子どもたちは口々に「おいしい」を連発してお肉を平らげていった。

さて自分たちで捕ってさばいた魚の唐揚げはどうか。
これも子どもたちの次の言葉に集約されている。

「ううん、めっちゃおいしい！ごはんもこげてない。ジャガイモもニンジンも固くない。おいしい！」（Ｂ児）
「うん、こりゃあ、最高だ！」（Ｅ児）
「思ったより生臭くない。これなら食べられる。」（Ｂ児）
「本当だ！おいしい」（Ｃ児ら）

子どもたちの、この「おいしい！」という素直な感覚はどこから来るのだろうか！
やっぱり、このふるさと千万町小学校の青空の下
自分たちの手作りの野菜で、手作りの調理で、また、多くの人に支えられて
今日の食材のいのちをいただくという思いが、その根っこにあるのではないだろうか。

手作りワイルドキャンプは、子どもに食と農の喜びと味覚も育ててくれたように思う。

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