NO | 団体名 | 主な企画内容
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37 |
NPO法人京都子どもセンター(京都府) |
「無人島1週間チャレンジキャンプ」 異年齢の集団で無人島にて1週間の野外活動を実施する。少人数の班に分かれ、1日3回の食事作りから、イカダレースや島探検等のイベントを行う。3密にならないよう感染対策に十分注意した活動。 |
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速報レポート2
日時:2021年8月7日(土)~2021年8月14日(土)
場所:京都府南丹市園部町大河内小米阪1番地9 京都府立るり渓少年自然の家 グリーンパルるり渓
兵庫県姫路市家島町男鹿
兵庫県姫路市家島群島加島
参加者:小学生19人、中学生11人、スタッフ21人、カメラマン1人、看護師1人 計53人
活動内容
今年の特徴
①テーマを「世界一周」と定めて企画を行なった。
毎日モチーフの国が異なる。
さらに、参加者とスタッフを6つの班にわけ、それぞれ挨拶や宗教、文化などを一から作りあげ、独自の国家を築いた。
その班の中で、チームをまとめる国王制度も設けた。国王は、班の中学生から1人ずつ選ばれる。毎朝国王会議を行い、スケジュールを見ながらその日の工程や持ち物を確認し、班の子ども達に伝達する。また、国王会議では班について、子ども目線だからこそ感じる事などを話し合い、改善点などを考えた。この様に、みんなの先頭に立って動いてもらえる工夫を行った。
また、活動班の他に全体を総括する本部も設けた。
②コロナ対策について
参加者全員が1日2回(朝晩)、MY体温計での検温、調理時の手指消毒、公共交通機関でのマスク着用など (スタッフ会議のオンライン活用)
③台風・悪天候について
台風での避難や悪天候によって、予定していたプログラムが遂行できない事が多くあったが、スタッフ達で「今」できることは何かを話し合い、臨機応変に対応した。
各日程の詳細
〈1日目〉 テーマ:日本
1日目は緊張をほぐし、1週間を共に過ごす仲間と仲を深めることや、家族と離れての生活に慣れること、無人島での注意点等を知ってもらうため京都府園部町にある、「るり渓少年自然の家」という施設で過ごしました。まず、1週間共に生活する班を発表し、自分の国の名前や国王・王子・姫も相談して決め、シンボルとなる国旗づくりを行ないました。その後、肝試しを行ない班のメンバーとペアを組んで歩くことで、心の距離をより縮めることができました。夜には、無人島での注意事項をスタッフの寸劇を交えながら伝えました。
〈2日目〉 テーマ:日本→インド
午前中にキャンプで使うククサと竹箸を作りました。ククサはフィンランドの木食器で、はんだを使って自分のオリジナルのデザインを行いました。慣れない作業に戸惑う子もいましたが、自分の食器を自分でデザインし自分で削ることで、愛着をもって使える物に仕上がりました。るり渓少年自然の家を出発しバスで姫路市にある妻鹿港まで行き、妻鹿港から男鹿島という有人島へ行きました。本来はそこで水を汲み、無人島(加島)へ渡る予定でしたが、台風9号の影響で島に渡るのは危険だと判断し、男鹿島のキャンプ場にテントを設営し宿泊することになりました。キャンプ場では、メスティンというキャンプ用品を使ったご飯の炊き方講習を行いました。1週間、ご飯を食べる際に必要な技術なので、みんな真剣に聞いていました。夜ご飯は、この日のテーマがインドなので、参加者全員が持ち寄った具材を全部入れ込み、カレーをつくりました。さば缶やうどん、コーン缶、ドライフルーツなどが入った新たな発見のある美味しいカレーとなりました。
〈3日目〉 テーマ:アメリカ
この日はテーマがアメリカということで、朝ごはんはロコモコ丼でした。アイラップという耐熱ポリ袋を使って、ご飯や食材を調理する方法を用いり、災害時でも使用できるような調理方法があることを学びました。その頃台風が直撃した為、一度調理を中断し、テントの中に避難しました。その後、男鹿島の民宿「中村荘」さんと話し合い、テントでの避難は危険だということで、テントをたたみ建物内に避難をしました。避難後は、次の日に使う段ボールピザ窯を班ごとに製作しました。また、中村荘の漁師の方々による、経験談や魚や海・天気についてのお話、ゲーム大会、魚を触る体験会を行ないました。海のプロからのお話はどれも貴重で、避難生活も楽しむことができました。夜は、アメリカ料理のジャンバラヤを班ごとに作りながら、自分達の国はどんな文化を築いていくのかを考える建国記念日としました。予定では、メスティンを使って、お祝いにケーキも焼く予定でしたが、コンロを使っての調理ではメスティンを使う事が難しいため、ミルクレープに替えて本部が全員分をまとめて作りました。デコレーションを工夫し、避難生活も楽しんでもらうことができました。
〈4日目〉 テーマ:イタリア
この日は、天気が落ち着いたため、遂に無人島に行けるということで、朝から出発の準備です。朝ごはんはイタリアをイメージして、パン生地をこねをフライパンで焼きました。荷物の片付けや、水汲みが終わると、船に乗り無人島(加島)へ向かいます。無人島(加島)に着くと、まず荷物を船からバケツリレーでおろします。大きい子が小さい子の間に入り声を掛け合い、助け合う姿が印象的でした。その後、各々の国の拠点を決め、テントを張りました。午後からは、食料争奪オリエンテーリングという人気企画を行いました。これは、1つ指令をこなすとその難易度に合わせた食材が手に入り、その食材全てを使って料理コンテストをするものです。しかし、避難していた関係で料理コンテストの時間が取れなかったため、スタッフ間で熟考しポイント制度に変更しました。一つ指令をこなすごとにそこの難易度に合わせたポイントを獲得する事ができ、合計で景品の食料がもらえるという企画に変わりました。オリジナルのCMを作ったり、近くの小島まで泳いで行ったり、少し恥ずかしい指令や体を使った指令にも班ごとで協力してクリアを目指します。子ども達は1つでも多くの指令をクリアし多くのポイントをもらおうと一生懸命取り組み、自然と班の仲も深まっていきました。夜は、台風避難の際に作成した段ボールピザ窯を使って、生地からピザ作りを行いました。0からビザを作り上げた子ども達は、その完成に感動していました。そして、この日は綺麗な星空が見えたため、天体観測をしました。星について詳しいスタッフが、レーザーポインターを使って夏の大三角形や天の川などについて話しました。タイミングよく、流れ星を見る事ができ、子ども達からは感嘆の声があがりました。
〈5日目〉 南アフリカ
南アフリカがテーマのこの日の朝食は、ウガリです。ウガリは、とうもろこしの粉をお湯で練ったもので日本ではあまり馴染みがなく、慣れない味に戸惑う子も多かったですが、世界にはこんな料理もあるのだと大きな気づきを得ていました。南アフリカには、喜望峰があるということで、自分達も調味料を探しに大海原に出よう!とイカダレースを開催しました。午前中に、各班で島にある漂流物を使って1からイカダを作っていきます。イカダコンテストでは、「見た目」「プレゼン力」「何人乗れるか」が審査されるため、どのようにオリジナリティを表現するか、何を使えば丈夫になるか等試行錯誤しながら作り上げていました。午後からのイカダレースでは、悠々と先頭を走る班、熱い声をかけ励まし合いながら前に進める班、イカダが壊れてしまっても諦めずゴールを目指す班、色んなチームの色がみられました。大海原の旅を終えた子ども達は、やり切ったという清々しい表情をしていました。この日の夜は、各班でお店を出しあう夜店を行ないました。今年は、的の数字によってお小遣いが増減するストラックアウトコーナー、班全体の売り上げを増減する一獲千金タイムも取り入れ、スリルを味わっていました。また、感染症対策としては全員の手指消毒、マスクの着用、店番担当者の手袋着用、ブルーシートで黙食スペースの設置を行いました。慣れない事も多い中、ルールを守って楽しんでいました。
〈6日目〉 ブラジル
この日の朝食は、ブラジルが産地であるキャッサバを使ったクレープでした。しかし、悪天候によりクレープを1枚ずつ焼くほどの火を焚くことができませんでした。そこで、キャッサバ粉を使った創作料理を各班で行いました。スープにとろみをつける班、卵をかためてオムレツにする班など料理を楽しんでいる様子が見られました。その後も、大雨が続き予定通りに企画を行う事ができず、テントの中で待機が続きました。その中でも、班で話し合いをする事はできると判断し、夜のカーニバルで披露するダンスと、自分の班イチオシの場所やモノのフォトコンテストをするKAMO遺産認定会の準備を始めました。各班で、天気が落ち着いた頃合いを見極め、自分達の国らしさを見つめ直し、どのように表現するのか沢山話し合い、形にしていきます。そして、夜は天気も落ち着きそれらの企画を無事に遂行することができました。KAMO遺産認定会では、その班の国の教祖を拝めている班や、テントの近くにある景色を使ってCDのジャゲット写真の様に撮影している班など、各々が工夫を凝らしてオリジナリティを楽しんでいる様子が伝わりました。カーニバルでは、実際のリオのカーニバルで流れるような音楽を用い、各班オリジナルダンスを披露しました。事前に各班で練習していたため、普段は恥ずかしいと感じる子も笑顔で踊っている様子が印象的でした。
〈7日目〉 オーストラリア
この日は朝にオリンピックならぬ、島リンピックを開催しようと会場の準備をしていました。しかし、次第に雲行きが怪しくなり嵐のような天候になっていきました。立っていられないような暴風に、滝のような大雨、さらに満潮も重なりテントを張っていた場所まで波が上がってきました。島リンピックの開催は断念し、安全な場所にあるテントに避難しました。テント内では、避難に気持ちが沈んでしまわないよう、雨天時用に準備していたハガキの作成を行いました。帰宅後の自身宛に書く子、ご両親宛に書く子、途中で帰ったスタッフ宛に書く子、それぞれの想いが詰まったハガキが完成しました。さらに、各テントごとに、子ども達が学校でやっているゲームや、スタッフが小さい頃にやっていた懐かしいゲームなど、その時にできる事を子ども達と共に楽しみました。午後からは、天気が落ち着き最後の企画、キャンプファイヤーを行いました。当初の予定では、班ごとの出し物を行う予定でしたが、その後の天候が悪化し中断になることを避けるため、ダンスと一言感想のみとなりました。規模は小さくなりましたが、感動で涙する子もおり、みんなの記憶に残る企画となりました。
〈8日目〉 中国→日本
8日目は最終日、京都へ帰る日です。自分達が築いてきた国を元に戻していきます。テントや資材を片付け、きた時よりも美しくしていきます。今回は、7日目に片付けを済ませていたため、スムーズに終えることができました。片付けが終わると、1週間共に過ごした仲間と無人島に感謝を伝えて、船に乗り込みます。今までの嬉しかったこと、辛かったこと、寂しさなどが込みあがり涙を流している子もいて、とても充実した時間になったことが伝わってきました。船でまず、1週間お世話になった男鹿島に行きました。ここで、全員にカモナスTシャツを配りました。隊長に名前を呼ばれると、笑顔で走って受け取りに来てくれました。全員が今年のバナナ色のTシャツに袖を通し、一つの大家族になったような気持ちになります。そして、中村荘さんにもお礼の色紙とカモナスTシャツを渡し、ありがたいお言葉をいただきました。感極まって、涙ぐまれる様子を伺って、長い間支えられてこちらからもパワーを与えることができていると感じられました。そして、いよいよ京都へ向かいます。帰り道では、自分のククサや麦わら帽子、キャンプのしおり、島で拾った大切なボールなどに名前を書き合っていました。この1週間で、本当に素敵な仲間達と出会い、お互いを大切に想っている様子が伝わりました。京都に着くと、親御さんにたくましくなった子ども達の様子を伝え、別れを惜しみながら、無事にキャンプを終えました。
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