NO団体名主な企画内容
36 豊中市立北緑丘小学校(大阪府) 「ぼくたちミジンコ探検隊!」
ミジンコの場所による種類の違い、環境による生態の変化などを調査することにより、自然界のつながりに気づき、わたしたちのくらしと環境を考える自然体験学習。

「ぼくたちミジンコ探検隊!」 [7/8・11,10/7・21]

日  時:
場  所:
参加者:
2008年7月8日(火)、11日(金)、10月7日(火)、21日(火)
千里川、北緑丘小学校近くの水田、冷谷池、羽鷹池
北緑丘小学校5年生90名、大人6名
 <7月8日(火)/千里川>

ミジンコ探検隊、いよいよ出発である。

千里川は、学校から10分ほどで着く好立地のため
毎年学習のフィールドとしている場所である。
いろいろな植物や水の生き物を今まで観察してきた。

川辺に下りると
クズの葉で草鉄砲をしたり、アシの葉で草笛を鳴らしたり、
さっそく楽しんでいる子もいる。

しかし、今回は水中の小さな生き物がメインである。
水辺のアシやアシカキの根元の辺り
をペットボトルで作った入れ物や細かい目の網ですくう。
エビなどが見つかり、
「おった、おった」とあちこちでにぎやかな声が聞かれる。

パックテストで水質も調べる。CODは平均6ppmである。
水の色は、入れ物で透かしてみると
ほんの少し泥で色がついたといった感じである。
目的のミジンコは、なかなか見つからない。
コイやカメなど大きな生き物のほうについ目がいってしまう。

 <7月11日(金)/近くの水田>

青々とよく育った稲の根元近くの水をすくうと
上には小バエがたくさんとまり、
水中にも小さな生き物がたくさん動き回っているのが見られる。
「うわー」「きもー」という声が上がる。
ホウネンエビも見られる。

水中を泳いでいる小さな白っぽい生き物を
解剖顕微鏡や顕微鏡で観察する。
スライドグラスの上に載せて観察するのはなかなか難しく
みな苦労している。

しかし、いろんなミジンコたちを見つけると
「うぉー、動いてる動いてる」「かわいい」「心臓もあるー」「たまご持ってるみたい」「目がめっちゃかわいい」
と大騒ぎでミクロの世界に引き込まれていた。

ちゃんと目や心臓があることにびっくりしている子が多かった。
ふんをする様子を見られた子もいて、
こんな小さな生き物もちゃんとした体を持ち、生きているんだという実感をもってくれたことは
命を考えるきっかけとなり、自然環境を見る目が変わったように思う。

水田と川や溜池の関係、農業と水の苦労についても聞き取りを通して学ぶことができた。

 <10月7日(火)/冷谷池>

この池は、周りの土地からかなり下に水面があるため
プランクトンネットのひもがやっと届く感じで、
苦労して水面付近の水をネットで引いて水を採集する。

池の周囲はアシ原で、サギやカルガモが数羽見られる。
水は緑色に見え、採集した水も少し緑がかっている。
動いているものは見当たらず、
学校へ帰って顕微鏡で観察すると棒状の植物プランクトンだらけであった。
図鑑で調べるとユレモの仲間らしい。

パックテストによる水質検査の結果、
COD8ppm、アンモニウムイオン0.5ppm、亜硝酸0.02ppm硝酸イオン1ppm、燐酸イオン0.05ppmであった。
水質の判定としては、少し汚れた水ということになる。

千里川は、CODが6ppmであったので、それよりも少し汚れているということで
子どもたちも水の色を見て「千里川よりも汚れてる感じやなぁ」「色がちょっと緑っぽいな」とつぶやいていた。

 <10月21日(火)/羽鷹池>

冷谷池よりも少し遠いこの池は、にごった薄茶色をしている。
プランクトンネットで採集した水の色は
千里川に近い感じで、ほんの少し泥色をしている。

パックテストによる水質検査の結果、CODは、8ppm。
アンモニウムイオンや亜硝酸イオン・硝酸イオン・燐酸イオンも
冷谷池とほとんどかわらず、
子どもたちは見た目の色と化学的に調べた水質とは一致しない
ということを学んだ。

この池は生物層が豊かで、ネットで採集した水を見ると
肉眼ではっきりとたくさんのミジンコたちが動き回るのがわかり、ヌマエビも観察できた。

顕微鏡の接眼部にデジカメを当てると、わりあい簡単に顕微鏡写真がとれることに子どもたちは驚き
視野が狭いのでなかなかうまく入れることはできないがなんとか写真撮影にも挑戦した。
マルミジンコやカイミジンコなど、何種類かのミジンコの他にワムシなどもたくさん観察できた。

ミジンコという小さな生き物に焦点を当てたこの活動を通して、食物連鎖など自然界のつながりに目を向け
自然とわたしたちのくらしが密接にかかわりあっているということを体験的に学ぶことができた。
また、環境変化について考え、わたしたちのくらしを見つめることにつながった。

これらの体験活動から子どもたちは、池や川、水田と私たちのくらしや環境について学び
少しではあるが、自分なりに先人の知恵を受け継いで生きる力をつけてくれたのではないかと思う。



■別年度のレポート
2007年度 極めよう!わたしたちの千里川 実施レポート

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