NO団体名主な企画内容
42 北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター 森林圏ステーション 南管理部 和歌山研究林(和歌山県) 「森のたんけん隊~古座川編2022」
古座川の最上流部に立地する北海道大学和歌山研究林において、野外フィールド研究の一端などに触れる体験活動を実施。紀伊半島南部の山岳地帯に生息する野生生物の生態や自然のしくみを楽しく探っていく。

速報レポート2

活動日: 8月18日
活動場所: 北海道大学 和歌山研究林
参加人数: 小学生4~6年生児童7名
活動内容

大学が所有する森の中で、実際に研究の現場で使われている調査道具などを用いながら紀伊半島南部の自然の成り立ちと、そこに生息している 動植物について学ぶ体験プログラムを企画しました。
本活動は1日で完結する内容のプログラムを合計2度実施する形で行われますが、本記事はそのうち2度目に行われた内容のレポートとなります。
この日は正午頃まで断続的な激しい雨に見舞われましたが、悪天候を想定した安全対策をほどこし、徒歩での移動距離を短くするなど一部内容 を短縮する形で無事、最後まで実施することができました。

午前中は前回(8月10日)の開催内容と同様に、研究の現場で実際に使われている3種類の調査道具(昆虫捕獲用のライトトラップ・野ネズミ捕獲 用のシャーマントラップ・トレイルカメラ)を使ってカシ類の生い茂る天然林とスギ人工林に生息する動物を観察しました。


トレイルカメラを回収

高い位置に吊るされた昆虫捕獲用のトラップを降ろす

強い雨の中、ブルーシートで屋根をかけて林相の違いと動物相の違いの関係について考察

観察後は8月10日開催時の観察結果についても言及しながら、森林環境の違いと動物相の関連性についてのほか、「なぜ今回観察された昆虫相 が前回の結果と異なる傾向を示したのか?(前回は天然林で種数が多く人工林で捕獲数が多かったが、今回は種数も捕獲数も人工林のほうが多 かった)」「捕獲されたネズミの数が前回よりも多かった理由は何か?(前回は天然林でアカネズミx1のみ、今回は天然林でアカネズミx3とヒメ ネズミx1、人工林でアカネズミx1)」などの問いなどを立て、天気の変化や季節の進行、トラップの設置状況、ほかにどんな調査が必要か?な どに着目した活発な意見交換が行われました。

その後は「大半の木質素材が水に浮く」という性質などについて説明があった後、道端に落ちたり生えたりしている木の枝葉や草花・つる性植 物など自然のものだけを使った小舟作りを行いました。川の増水が著しかったことから、参加者それぞれの手によって作られた小舟は、川のか わりに浅く水が張られた小型の貯水池に浮かべながら仕上がり具合が確かめられました。


トレイルカメラがとらえた映像を確認(今回は何も動物が映っていませんでした...)

草木やつるを使って作られた小舟たち

土砂降りの中で昼食

昼食をはさんだのち、午後は前回開催時と同様に、大学院生による研究紹介と長年にわたって手つかずの状態が維持された2種類の森を見学し ました。このうち標高約650メートルに位置する天然のスギ巨木が立ち並ぶ森の見学においては、同じ「手つかずの森」でも森林の成立過程や 環境条件が異なれば互いに似ても似つかぬ景観が出来上がる可能性があることについて解説しました。


シカの死骸に集まる昆虫の研究について大学院生から説明

小型モノレールで登はんして天然のスギ巨木が残る森を見学

下山後に記念撮影。お疲れ様でした。

前回開催時に引き続き、今回においても多くの参加者からポジティブな質問や感想が飛び交い、また参加者からみな一様に「たのしかった!」 「勉強になった!」というコメントを頂戴することができました。

一見するとひたすら混沌とした姿に映ってしまう森林生態系ですが、時間をかけた観察などを経ることで大小様々な生物同士が織りなす営みを 探ることができることに、少しでも多くの子供たちが興味をもってくれれば幸甚です。



速報レポート1
速報レポート2

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