NO団体名主な企画内容
48 東峰村レクリエーション協会(福岡県) 「ポーン太の森自然冒険塾」
親子の共通体験と冒険活動を、同一会場、別日程でおこなう企画。英彦山修験者の修験体験、親に伝えたい自然体験活動、自然冒険塾7つの課題などをおこない、生きる力を育むことが目的。

「ポーン太の森自然冒険塾」 子供キャンプ・親のデイキャンプ [8/17-19]

日  時:
 
参加者:
スタッフ:
2008年8月17日(日)〜19日(火) 子供キャンプ
2008年8月17日(日) 親のデイキャンプ
21名(小学4年生〜6年生)、保護者21名
中学生ジュニアリーダー3名、大人25名

東峰村の『ポーン太の森キャンプ場』をメイン会場に
3日間テント生活をしながら、自然冒険塾の7つの課題に挑戦しました。
2日目の峰入登山では、岩場の険しい難所やアップダウンの激しいコースに悪戦苦闘しながら、最終ゴールの行者堂には17名のメンバーがたどり着きました。
閉村式では、塾長から一人一人に修了証が手渡され、メンバーからは、思い出に残った自然冒険塾の感想が発表されました。


 <今、伝えたい 新しい自然体験のスタイル!>

「子供たちが、より自然と一体になれるキャンプ。自ら考え行動するキャンプ。
 そして親の理解と共感を得られるキャンプ。」を目指すこの事業も、今年で6年目を迎えました。
自然冒険塾での子供たちへの課題は、現代社会の中で不足している体験そのものです。
東峰村の自然を舞台に、困難な課題を乗り越える経験が生きる力を育てると思うのです。そして子供たちを見守る大人の理解と共感を大切にしたいと考えています。

 <7つの課題に悪戦苦闘・・・ステップアップする体験活動>

課題1:刃物を使う体験
キャンプ中に使うハシとコップを、ナイフとノコを使って作る。
この課題は、「作らないとご飯が食べられない、お茶が飲めない」という現実から、刃物を使う必要性が生れます。自然冒険塾では、全員が肥後の守(カミ)の持参を義務づけています。事前に準備した自分の刃物だからこそ、安全に大事に使うと思うのです。

課題2:火を使う体験
メンバーはマイギリ式とキリモミ式、火打ち石による火起こしに挑戦しました。
チャレンジ精神、そして失敗の中にも新しい発見や驚きがあります。
また、マッチによる火付け体験や飯盒炊飯にも班ごとに挑戦し、より原始的な火を使う体験をすることで、火の特性を知り効率的に安全に火を燃やすことを学びました。


コップとハシ作り/火起こし体験/飯ごう炊飯

課題3:自然の神秘体験
その昔、英彦山修験者が峰入修行をしたと言われる修行の道、10キロに挑戦しました。
途中には両側断崖絶壁の「糸ヶ峰」や、生まれ変わりの行場「生れ岩」などの険しい難所がいくつもありました。「生れ岩」では、高さ20メートルの2つの大岩の間を、命綱をつけてよじ登りました。峰入登山は、困難を克服してチャレンジするという貴重な直接体験となりました。


峰入登山にて 難所・糸ヶ峰/難所・らくだ尾根/修行場・笙の窟

課題4:夜の闇体験
シイの木に囲まれた灯一つない森の神社へのナイトハイク。
メンバーは、自分たちで作った「ろうそくランタン」の灯りを頼りに
闇の世界に挑戦しました。
日常生活では、闇の世界を体験することはまずありません。
うっそうとした森の神社は、大人でも怖い所。
参道を通って150段の階段を上り、神社本殿にある自分の名札を探してくるという課題は、恐怖との戦いでした。

課題5:川を遊ぶ
川はプールと違って水は冷たく、流れの速い所や深い所など、まさに自然の一部です。
今回の川遊びでは、水深2.5mの飛び込みできる場所を予定していましたが、残念ながら当日は朝から注意報が発令され、大雨で清流は茶色い濁流となっていたため、川遊びは中止しました。
メンバーは濁流を見ながら、自然に逆らって人間は生きることはできないと感じていました。

課題6:自分を見つめる体験
冒険塾では、挑戦しようと思ったとき、新しい冒険が始まります。
日ごろの生活から離れ困難な課題と向き合う中で、今の自分の経験レベルを知ると同時に、今までの自分を振り返る機会となりました。新しい発見や驚き、自然の偉大さや厳しさを感じることは、子どもたちの感性を育てると思うのです。

課題7:他人と協力・協調して行動する体験
ポーン太の森自然冒険塾では、あえて班の中での役割を決めていません。
学年の違いや参加回数の違いによる緩やかな組織を自然に形成しています。10キロの峰入登山や雨の中でのテント撤収など、役割と責任を果し助け合うことの大切さを、体験を通して学ぶ機会となりました。


テント設営/そうめん流し/キャンプファイヤー
 <親の体験プログラム>

子どもたちの活動の様子や会場を見てほしい。自然冒険塾のねらいを直接伝えたい。
そんな思いを込めた体験活動を用意しました。アウトドアクッキングでは、希望により「野草と野菜の天ぷら」「鶏のハーブ焼き」「ホイル巻きホットドック」「竹で作るパウンドケーキ」に挑戦しました。
「小枝のクラフト」では、桜の小枝を加工して動物や昆虫を作るという、ネイチャークラフトの魅力と難しさを実感しながら、大人の遊びの時間を楽しみました。
また、「今、子どもたちに求められる自然体験」をテーマに、親の期待や心配、今日の体験活動の感想について意見交換(自然体験ディスカッション)を行いました。

 <記念品・小石原焼の絵皿づくり>

最終日の午後は、伝統的工芸品小石原焼窯元の指導を受けながら、7寸皿の絵皿づくりを体験しました。
メンバーの描いた絵皿は、9月末にはそれぞれの家庭に届けられ、思い出と共に家族の食器として使われます。小石原焼の絵皿は、世界にたった一つの自然冒険塾の記念品です。


アウトドアクッキング/親のクラフト作品/記念の絵皿・小石原焼

今回、自然冒険塾で撮影した動画と写真は、DVDと写真CDにして、メンバーの振り返りアンケートと一緒に3週間後には参加した家族に送付されます。
これは、参加した子どもたちだけでなく、親や家族に自然冒険塾の様子を伝える上で非常に重要と考えています。
このDVDの映像を見ながら、少年時代のひと夏の冒険として、家族の会話が生れれば嬉しいのです。
「経験を日常生活に生かしてほしい」そんな願いと共に!

 <メッセージ>

東峰村の自然が、現代社会で生きる私たちに
言葉では決して伝えられない自然の偉大さや厳しさ、自然の神秘を教えてくれます。
魅力的な自然体験活動を提供することはもちろん、キャンプを通して親の理解と共感を深め、キャンプを共通の話題として家族の絆を強めてほしい。それが「ポーン太の森自然冒険塾」のねらいです。
そして、「なぜ、何のためにこの事業に取り組むのか」「どんな内容なのか」を社会の多くの人に伝えたいと考えています。

今年は、メンバーを経験した3人の中学生をジュニアリーダーとして受け入れました。
ジュニアリーダーは、スタッフの一員としての役割を果すことで成長できると感じました。これからも、感動や交流、新しい出会いを大切に、第10回まで取り組んでいきたいと思います。

また来年、8月に「ポーン太の森自然冒険塾」を開催します。
いつの日か参加者の中から一緒に夢をみてくれるリーダーが現れる日まで・・・
『ポーン太の森自然冒険塾は、自然の中での遊びの達人を育てます。』

私たち、東峰村レクリエーション協会のWEBサイトでも活動の様子がご覧になれます。



ポーン太の森自然冒険塾 実施レポート(1)
ポーン太の森自然冒険塾 実施レポート(2)

■別年度のレポート
2006年度 ポーン太の森自然冒険塾 実施レポート

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