NO | 団体名 | 主な企画内容
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クッチャロ湖等保全対策協議会(北海道) |
「小学生が目指す環境のお医者さん」 浜頓別(はまとんべつ)町の子どもたちと酪農学園大学が、クッチャロ湖の環境を調べるため、サンプリングしながらキャンプを実施する。キャンプ後、大学でサンプルを分析した結果からクッチャロ湖の現状と今後について議論し、環境保全への意識を高める。未来の「環境のお医者さん」となる人材を育成する。 |
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速報レポート2 酪農学園大学体験入学
活動日: 2024年 9月21日(土)-2024年 9月23日(月)
活動場所: 洞爺湖 (洞爺湖町)、酪農学園大学 (江別市)
参加人数: 小中学生 15人 / 大人 2人 / 指導者 8人 / 合計 25人
<活動内容>
今回も酪農学園大学環境地球化学研究室の学生7名と吉田磨教授を講師として迎え、浜頓別町ジュニアガイドアカデミー (以下、ジュニアガイド) の子どもたち (小学4-6年生15名) に授業を実施していただきました。前回は浜頓別町が舞台でしたが、今回は浜頓別町から約450km離れた洞爺湖町で実習を行い、翌日から酪農学園大学で講義を受けました。前回同様、学習プログラムは全て学生が考えて実行しています。
9月21日(土)
(1)洞爺湖観測 (採水)
洞爺湖とクッチャロ湖を比較するため、船に乗って洞爺湖に繰り出し、3つのポイントで採水をしました。洞爺湖はクッチャロ湖と違い、1番深い場所で180mもあります。今回は3つのポイントでそれぞれ0・20・50・80mの深さの湖水を採取しました。平均水深1.5mのクッチャロ湖で活動しているジュニアガイドにとっては衝撃の深さでした。採水道具のニスキン採水器は、引き上げる際には約10kgにもなるため、子どもたちは一生懸命取り組んでいました。
(2)洞爺湖観測 (測定)
採取した湖水はボトルに分取し、翌日に酪農学園大学で分析をします。それ以外にも現地で測定できる項目はたくさんあり、水温や溶存酸素を調べました。特に水温は、表面と水中では全く異なり、触るだけで簡単に体感することができたため、ジュニアガイドから驚きと興奮の歓声が上がりました。揺れる船上での実習は思った以上に疲れます。日々、様々なフィールドで研究活動している学生の皆さんがいつもよりカッコよく見えました。
(3)洞爺湖観測のまとめ
洞爺湖観測で感じたクッチャロ湖との違いを話し合い、測定したデータからどのようなことが分かるのか考えておくように吉田先生から課題が出されて実習を終了しました。もはやこの時点で頭も体力もフルに使い果たし、クタクタなジュニアガイドでした。
9月22日(日)
(4)酪農学園大学で講義
大学に移動し、環境について学ぶ・調べるためには何をすればよいのか、前回の環境キャンプと今回の洞爺湖観測で得られたそれぞれの湖水がどのように使われるのか、吉田先生の講義を受けました。ジュニアガイドの表情は真剣そのもの。大学生に見えるほど前のめりに聞いていました。
(5)湖水の分析
クッチャロ湖と洞爺湖の湖水に含まれる栄養分について、分析機器を用いて調べます。分析結果を見て、2つの湖の違い、そして違う理由を用紙に記録していきました。普段は目に見えないものが数字になって「見える」ことで比べられる。洞爺湖との比較で分かったクッチャロ湖の特徴は、「人間の生活圏と近い」、「海水が入ってくるため、海とのつながりがより強い」、「洞爺湖より濁っているけど、栄養分が少ない」でした。数字を読み取って、湖の環境について意見を述べるのは、当たり前の作業・流れかもしれませんが、すらすらとペンが走る子どもたちを見て感心させられました。
9月23日(月)
(6)豊かな自然を守るために
2つの湖を調べることで、周辺の環境と密接に関わりあっていることが分かりました。この2つの湖はどちらも人間の生活圏に非常に近いことが特徴の1つです。私たちが日常生活の中でできる「環境に良いこと」について学習しました。学生の皆さんが集めてきた何気ない日用品でも、環境のことを考えたものがあるということにジュニアガイドは「なるほど!たしかに!」と声を上げていました。
(7)活動のまとめ
環境キャンプと酪農学園大学体験入学を通して、湖を守るためには、周辺の環境についても考えなければいけないと学びました。
吉田先生から、「クッチャロ湖に運ばれてくる栄養分やゴミは水によって運ばれてくることが多く、つまり海・川・雨・水道水など、どれかがダメになれば他もダメになってしまう。クッチャロ湖を守るために私たちの生活からできることに取り組みつつ、水は世界とも繋がっていることを考えてほしい」とメッセージをいただきました。
浜頓別町を飛び出して洞爺湖・酪農学園大学で活動しましたが、浜頓別町だけでは不可能だった「気づき」がたくさんありました。2つの湖を比べて、「どちらが優れているか」を見るのではなく、洞爺湖の環境について考えることでクッチャロ湖と浜頓別町の環境に気づくことができました。そしてそれは世界とも繋がっていることを知ることになり、ベニヤ原生花園の漂着ゴミがその場所だけの問題ではないことを考えさせられる活動となりました。ベニヤ原生花園やクッチャロ湖が当たり前にあることの「凄さ」を感じながらこれから生活していきたいと思います。
<子どもたちの感想>
・洞爺湖の水は、表面は暖かかったけど、深い水はとても冷たくてびっくりした。
・目に見えないものが数字で分かるようになって楽しかった。水温や塩分が洞爺湖とクッチャロ湖では違うことが分かった。
・環境にやさしいものについて考えた。色々なものが環境のことを考えていることが分かった。
速報レポート1 環境キャンプ
速報レポート2 酪農学園大学体験入学
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