NO | 団体名 | 主な企画内容
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独立行政法人国立青少年教育振興機構 国立立山青少年自然の家(富山県) |
「ミッション10(テン)」 過酷な状況下で生き抜くために必要なこと、不便だからこそできることを「10のミッション」を遂行しながら体験する防災キャンプ。森小屋作り、食料調達、火起こし、野外炊事など、「食べる・寝る・遊ぶ」に焦点を当てたプログラムを展開する。 |
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速報レポート
実 施 日 : 平成24年9月15日(土)~9月17日(月・祝)【2泊3日】
会 場 : 国立立山青少年自然の家、芦峅公民館
参 加 者 : 小学校4年生40名(富山県内38名、県外2名)
指 導 者 : 自然の家職員9名、富山県11年次研修生2名、
法人登録ボランティア11名
趣旨
成人まで半分となる10歳を機に、自然の中での活動や集団宿泊を通して、「自立」「主体」「協調」を強く意識させる。比較的短い期間の中で、課題解決的な活動を展開することで、自分のことは自分で行い、さらに集団のことも考えながら活動をやり遂げる子どもを育てる。
仲間と共に力を合わせ生活し生き抜くという防災教育の観点から、食・住などの生活に必要な活動を中心におきつつ、課題を見つけ、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決するために仲間と協同しながら体験から学ぶ「生きる力」を養う。
概要
午前 午後 夜
9月15日(土)
(午前)
受付9:00~9:30
☆はじめのつどい
☆班タイム(今後の見通し)
☆仲間づくり・アイスブレイク・おにぎり作り (昼食・+ミニカップヌードル)
(午後)
☆森小屋作り
☆野外炊事(夕食・カレー)
(夜)
☆班タイム (振り返り、今後の見通し)
☆炊事計画(3食分)※森小屋 泊
9月16日(日)
(午前)
☆朝食(炊き出し体験)
☆食材調達(ゲレンデルートから芦峅公民館へ)
☆やきつけ(芦峅寺名物)づくり
☆昼食(やきつけ)
(午後)
☆食材運搬(ゲレンデルートから自然の家へ)
☆生活の改善
・洗濯体験
・行水体験
・火おこし体験
・生活空間作り
☆野外炊事(夕食)
(夜)
☆キャンプファイヤー
☆班タイム (振り返り、今後の見通し)※森小屋 泊
9月17日(月)
(午前)
☆野外炊事(朝食)
☆森小屋解体
☆活動のまとめ・発表(今後の生活について)
(午後)
☆野外炊事(昼食・さよならパーティー)
☆終わりのつどい
解散15:30
活動内容
(1)【1日目:9月15日(土)】
大きな災害が発生したことを想定し、「自然の家で宿泊できない」「電気や水道が使えるのは一部のみ」「食料が限られている」などの条件を参加者に提示した後、「3日間生き抜くために必要なことは何か」と参加者に投げかけた。「寝る場所」「水や食料」「友達との協力」など、非常時に生活していく上で必要なことを考えたことで、活動に対する必要感をもつことができた。その後、1日目のミッションを提示し、防災キャンプ「ミッション10」がスタートした。
☆ミッション(1) 仲間づくりをスタートせよ!
全体でのアイスブレイクの後、担当するリーダー(法人登録ボランティア)を中心に自己紹介をしたり、活動の準備をしたりした。班の中で、これからの生活について話し合い、班のめあて、自分のめあてをもった。その後、昼食で食べるおにぎりを自分でつくり、それを持って生活スペースの一つであるらいちょう広場へ出発した。らいちょう広場では、班ごとにガスカートリッジを使ってお湯を沸かしミニカップヌードルを作り、おにぎりと一緒に食べた。班タイムや食事を通して、最初はかたかった参加者の表情も少しずつ和らいでいった。
まずは仲間づくりから。初めて出会う友達と早く仲良くなって3日間を乗り切るぞ!
最初の食事は、自分で握ったおにぎりとミニカップヌードル
☆ミッション(2) 寝る場所を確保せよ!
寝る場所を確保するための森小屋作りを開始。大きな丸太を友達と力を合わせて運んだり、慣れない手つきで丸太と丸太を縄で結んだりと悪戦苦闘しながらも少しずつ森小屋ができあがっていった。リーダーに指示されてなんとか動ける子や自分から仕事を見つけ積極的に働く子等、子どもたちの姿は様々であったが、全ての班が森小屋を完成させることができた。
「丸太を運ぶのは重くて大変だった」「森小屋を作るのは難しかった」と森小屋作りの大変さを実感した様子であった。その一方で、「難しかったけど楽しかった」「みんなと協力できてよかった」と森小屋を作ることができた満足感を感じるとともに、仲間と協力する喜びを感じたようであった。
班の友達と協力しての森小屋作り。丸太と竹竿を組み合わせ骨組みをつくる
ようやく完成!ここで2日間友達と一緒に夜を過ごす。ドキドキ、ワクワク
☆ミッション(3) 今ある食材でカレーを作れ!
自然の家に残っている食材を使ってのカレー作り。班の仲間と初めて本格的に行う野外炊事では、火をおこす作業や調理する作業などを役割分担して取り組んでいた。初めて野外炊事に取り組む子が多く不慣れな様子が見られたが、どの子も真剣にカレー作りに取り組んでいた。自分たちの手で作ったカレーに大満足であった。一方、野外炊事や食器等を洗うための水は、野外炊事場の水道が使えず、給水場からタンクに入れて運んで使うことから、重い水を運ぶのに大変苦労していたようであった。しかし、食器にラップをつけ、節水に心がけている工夫も見られた。
タンクにある限られた水を使っての野外炊事。大事に大事に使います
役割分担し、みんなの力を合わせてのカレー作り開始!
☆ミッション(4) 一日を振り返り、明日の見通しをもて!
一日を振り返り今日のミッションの達成について振り返った後、2日目のミッション発表。明日への見通しの話し合いの中心は「食」について。食材の調達・運搬計画を立て、調達した食材を使ってのメニュー作り(3食分)を班ごとに行った。「配給された食材からどのようなものが作れるのか」「自分たちの力で作ることができるのか」期待と不安が入り交じる中、リーダーを中心に真剣な話し合いが行われた。
一日を振り返り、達成したミッションにシールをつけます
明日からの2日間どのように過ごすかを話し合い、見通しをもつ班タイム
(2)【2日目:9月16日(日)】
☆ミッション(5) 吹き出しを体験せよ!
日本赤十字社富山支部から提供してもらった非常用炊き出し袋を使っての炊き出し体験。「袋に米と水を入れお湯でゆでるだけで、ご飯がおいしく炊けるのか」と子どもたちは不安そうであったが、おいしく炊きあがったご飯にニッコリ。缶詰をグループの仲間と分け合い、非常時における食事を体験することができた。
非常用炊き出し袋に米をつめ、大鍋で炊きあげる。おいしく炊けるのか?
2日目の朝食は、炊き出しご飯と缶詰。これで食料は無くなった。さあ、どうする?
☆ミッション(6) 芦峅寺の郷土料理に挑戦せよ!
2日目の朝食を食べ終えると自然の家に残っていた食料は底をついた。食料を求め、山を下り3Km離れた芦峅公民館に向かった。
芦峅公民館では、芦峅婦人会のみなさんの協力を得て、郷土料理である「やきつけ」作りに挑戦した。作り方を丁寧に教えてもらい、昼食としておいしくいただいた。苦しいときにお世話していただく人の温かさを感じることができた。
※「やきつけ」とは:もち粉とよもぎを混ぜてこねて作った草餅のような食べ物
生きていくための食料求めて麓の公民館へ。元気に、レッツゴー!
芦峅婦人会のみなさんと交流しての郷土料理「やきつけ」作り
初めて作った「やきつけ」。初めて食べた「やきつけ」。おいしくて最高!
☆ミッション(7) 食材をゲット!運搬せよ!!
3食分(2日目夕食、3日目朝食、昼食)の食材が配給され、子どもたちが分担してそれぞれのサブザックに食材を入れ、運搬を開始した。暑い中、食材を背負い、急勾配の坂を登るのは辛かったようであったが、「生きるための自分たちの食料を運んでいる」という責任感から弱音をはいたり投げ出したりする子どもはいなかった。
運搬した食材を使っての野外炊事では、ピラフや缶詰まぜご飯、すいとん汁やポトフ、野菜炒めやお好み焼き等、食材の使い方や調理の仕方を工夫し3食分を作った。子どもたちは回を重ねるごとに野外炊事の技能を高めていっていた。
3食分の食材をゲット!みんなで分担し、協力して運ぶぞ!!
調達した食材を使い、自分たちで考えたメニューの野外炊事に挑戦!
☆ミッション(8) よりよい生活を目指せ!
「長期の被災生活をおくっていく上で大切なことは何か」を班の仲間と話し合い、衛生面から洗濯体験や行水体験を実施したり、住みよさの観点から森小屋の手直しを行ったりした。ペットボトルをシャワーに作り変えて行水を行ったり、風が入らないようにダンボールをうまく利用して森小屋を手直ししたりと何をすればよいのか考え、判断し、実行する場となった。また、時間を有効に利用し、様々な活動に取り組んでいた。
自分のことは自分の力で。洗濯も生活をしていく上では必要なこと
体の清潔を保つことも大事なこと。お風呂がなくても自作シャワーでスッキリ
☆ミッション(9) みんなで楽しめ!
2日間の野外での生活に疲れが見え始めた子どもたちもフェイスペイントをすることでお楽しみモードに切り替え完了。大きな火を囲み、歌や踊り、ゲームで大いに盛り上がった。苦しい生活の中でも楽しみを見つけ、笑顔で生活することの大切さを実感できたようであった。
大きな火を囲んでのキャンプファイヤー。思いっきり楽しむぞ!
苦しい状況の中でも、みんなで楽しむことは大事なこと。盛り上がったなあ~
(3)【3日目:9月17日(月)】
☆ミッション(10) 活動を振り返り、今後の生活について考えよ!
・食料や水がどんなに大切かがわかりました。節水しようと思います。
・学んだことは、仲間と協力すること、清潔を保つこと。生かしていきたいことは、災害時は辛いことがたくさんあるからこそ、楽しむこと。
・いつもの生活と違ってとても大変でした。でも、みんなと協力してミッションをクリアできたのは楽しかったです。
・いろいろな体験をし、水の大切さや震災にあった人たちの大変さを感じることができたので、「ミッション10」に参加してよかったです。
・大きな災害があったら、この「ミッション10」を思い出して自分のできることをしたいです。
・全体的に疲れたけど、被災した人はこの状態が長い間続くので、支援したいです。
3日間を通して学んだこと、今後の生活について考えたことを発表
■別年度のレポート
2011年度 WA!んぱくキッズの森もりキャンプ 実施レポート
2010年度 9歳のひとりだち −ひとりで何でもできるもん!!− 実施レポート
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