NO団体名主な企画内容
23 NPO法人 山の遊び舎はらぺこ(長野県) 「野越え山越え時を越え 京都トレイル 自然と歴史に出会う旅」
昨年京都一周トレイルを東山コースからスタートした子どもたちが、今年はその続きとして北山コースから歩く。前年と同じ事と違う事の両方を味わい、日々の生活では気づかない豊かな体験を目指す企画。

速報レポート1

活動日:10月8日(土)~10日(日)
参加者:中学生9人、小学生18人、引率者10人
活動場所:京都
活動内容

 京都のまわりを囲む京都トレイル。昨年はトレイル起点の伏見稲荷から比叡山まで走破した。今回は昨年の続きとして比叡山から先を歩く。

10月8日(土)比叡山~横高山 (6.7km)

(1)伊那
伊那インターに7時に集合。天気予報は雨で近畿地方は大雨に対する注意まで呼びかけられている。雨模様の中、黙々と荷物を積み込んで全体集合。野外保育園「山の遊び舎はらぺこ」卒園後、別々の学校に通っている子どもたちにとって久々の再開となったが、お互いを懐かしむ間もなく早々に出発。天気が持つことを祈る。

(2)伊那~比叡山
行きは中三男子と一緒の車で移動。中には6年生の高学年プログラム以来、3年ぶりの再開となる子供もいたようで、まずは近況報告から。小学生時代のような大騒ぎはないものの、そのころと変わらぬ距離感で、京都が近づく頃にはすっかり昔の関係を取り戻していたようだ。

(3)比叡山
京都に近づくにしたがって雨が少なくなり、京都に着く頃には雨があがっていた。天気予報もくもりになっていて、トレッキングができそうだ。4班に分かれて地図を確認してスタート。


スタート付近

(4)根本中堂
初日の目玉、比叡山の根本中堂を見学。修学旅行で京都を訪れたことがある中学生達も比叡山は来ていないそうだ。京都市街から離れていて訪れるのに時間がかかる比叡山は地方の人にはなじみが薄く、こういう機会でもないと訪れることがない。高学年、とくに戦国好きの子供にとって比叡山はなじみのある地名で、威厳のある建物を見ながら戦国の世に思いをはせていたようだ。


ドラゴンな井戸に興味津々の子どもたち

(5)西塔・釈迦堂
根本中堂から小一時間歩いて西塔・釈迦堂に到着。寺院内を歩くだけで1時間近くかかるスケール感に子どもたちも驚いていたようだ。

(6)比叡山~横高山
お寺巡りから一転してトレッキングらしいコースに。夕暮れも迫る中、子どもたちは黙々と歩いている。


夕暮れがせまる稜線にて

(7)横高山
初日の行動も終わり、開放感にあふれてはしゃぎだす子どもたち。ここまで雨に降られることなく歩くことができてよかった。

(8)琵琶湖畔の宿
琵琶湖と言えば、今の中3が小6の時に自転車で一周したところ。一方、今回初参加の子どもたちにとっては初めて見る大きな湖。「大きいね、海みたいだね。でもちょっと汚いかも」「北の方はもっときれいだったよ」という会話に積み重ねてきた高学年プログラムの歴史を感じる。


湖畔に打ち上げられていた魚。川をさかのぼれなかった魚たちが打ちあげられているそうだ

(9)子どもたちの感想

  • 久しぶりにみんなに会えた。初めてお会いした子たち。(中3 女子)
  • 木々の隙間から見える景色が最高にきれいで達成感を感じた(中3 男子)
  • 山を登ったり下ったりでつかれたけど、ゴールに着いたときに達成感を感じました。(中1 女子)

10月9日(日) 横高山~貴船口(14.6km)

(1)琵琶湖
前夜、子どもたちは早々に就寝していたせいか、朝は元気に起床。小学生は朝5時に起きてテレビを見ていたそうだ。テレビの部屋に寝ていた中学生達は子どもたちに起こされたそうだが、怒ることなく暖かく見守っていたようで、彼らの成長を感じた。
夜間激しく降っていた雨もあがり、雨具を着ることなく出発できそう。これから先は天気も回復するそうで、天気の神様に感謝。

(2)横高山~仰木峠
スタートから100mを越える登りが二カ所続いて、寝ぼけた体を目覚めさせてくれる。子どもたちも快調に登っていて今日も順調に歩けそうだ。

(3)仰木峠~大原
中三生たちに地図読みと先導を任せてみると、先頭としんがりについて小学生達をまとめて歩くようになった。大人先導のときは前に付いていくだけで注意が散漫になっていた小学生達も、コースに集中するようになっている。責任感が子どもたちを成長させるようだ。


子ども同士でしっかり歩く

(4)大原~静原
山歩きから一転して里歩きに。里山をトレッキングするのは4年前の塩の道以来か。京都から車で30分ほどとは思えない静かな山里。古い味のある民家を前に小学生が「いいな~、この家」と言っていたのがこの日のハイライト。歴史ある生活の良さに気づいてほしいと思いながらこの活動を続けて7年、大人の思いはちゃんと子供に伝わるんだな。


「いいな~、この家」

静原~鞍馬
のどかな集落を離れてトレイルは再び山道に。不思議な建物や民芸品がある急坂を登っていく。うち捨てられたコテージや倒木で荒れたトレイルはあまり歴史を感じさせない。千年前の行者もここを通ったんだろうか。


あちこちに沢が流れ、サワガニもたくさん

(5)鞍馬寺
山道を抜けると鞍馬寺に。美しい石畳に緑の紅葉、赤い灯籠と京都風情満点で、子どもたちも修学旅行気分に。山門を前にして友達同士で写真を取り合っている。伏見稲荷といい清水寺といい、京都トレイルは山と社寺が織りなす景色が心地よい。


A班集合写真

(6)大原の宿
夜はトランプ大会。静かな大原の里に子どもたちが遊びまわる声が響き渡ってしまった。


トランプ大会

(7)子どもたちの感想(2日目)

  • くらま寺が大きくてすごいと思った。けっこうつかれた。(5年 男子)
  • こけがはえたみどりの木々がとてもきれいだった。(5年 男子)
  • 年上の人がやさしくしてくれた。つかれたけど、えがおでふきとばしたので、あしたもがんばる。(4年 女子)

10月14日(月) 貴船口~上賀茂神社 (8.8km)

(1)貴船口~二ノ瀬駅
鴨川上流に沿って歩く。交通量の多い車道脇を歩くため大人が先導して細心の注意を払って通り過ぎる。鴨川は大都市京都のすぐ近くとは思えないほど水が透き通っていて美しい。


森の中の鞍馬線

(2)二ノ瀬駅~向山
二ノ瀬駅からは再び山登り。今日も子どもたちが先行。要所要所で立ち止まりながら地図を見ている。分岐が多い町歩きよりも、山歩きの方が迷いにくいようだ。


木もれ日のトレイル

(3)向山~鴨川河畔
向山からは稜線歩き。稜線を吹き抜ける風は冷たく、休憩中は子どもたちも上着を羽織る。行動中は「あとどれぐらい?」と残りの距離を気にすることが増え、だいぶ疲れてきているようだ。

(4)鴨川河畔
泳ぎたくなるような河原で昼食。久しぶりの日差しと冷たい水で子どもたちも元気が出てきたようだ。


河原で昼食

(5)鴨川~上賀茂神社
班別行動もここまで。ここからは全員一緒になって上賀茂神社を目指す。子どもたちも班を離れて自由に歩いている。自分の歩きを楽しんでいる子ども、久しぶりに再開した友人との会話を楽しむ子ども、様々だ。
鴨川沿いの遊歩道はこれまでの山歩き、里歩きと違って、都会の河原らしくレクリエーションを楽しむ人たちで賑わっている。そんな中をリュックサック背負って歩くのも面白いもの。

(6)上賀茂神社
全員ケガなく最終目的地に到着。子どもたちの顔は心地よい疲れと達成感にあふれている。

(7)上賀茂神社~伊那
途中の大津SAでお土産を買い、養老SAで夕食を食べて伊那まで戻る。中3男子は「高校生プログラムでみんな集まろうよ。何もしないと次に会うのは成人式になっちゃうよ。」と名残惜しげ。新しい進路を前に、自分たちの足下を確かめることができてよかった。

(8)子どもたちの感想(3日目)

  • 自分の歩いたきょりが長くてびっくりしたし、かんどうした。(5年 女子)
  • 山をのぼるのはたいへんだったけどたのしかったです。(5年 男子)



■別年度のレポート
2023年度 山と里を歩いて巡る旅 ~信越トレイルを味わい尽くす~ 実施レポート
2020年度 ぐるりぐるぐるふじさん周辺トレッキング ~歩いて出会って風に吹かれて~ 実施レポート

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