NO団体名主な企画内容
11 独立行政法人国立青少年教育振興機構国立妙高青少年自然の家(新潟県) 「妙高ジュニアアドベンチャー2011〜この夏 出会える 新しい 自分〜」
「次代を担うリーダーの育成」に資する3ヵ年計画の3年目の取組。小学5・6年生の子どもたちが「食」「住」「村づくり」をテーマに14泊15日の長期滞在型チャレンジプログラムに挑戦する。森小屋・風呂作り、登山など村を拠点とした活動を実施する。

速報レポート

日 時:平成23年7月24日(日)~8月7日(日) 14泊15日
場 所:国立妙高青少年自然の家
参加者:対象 小学校5,6年生  参加者数  18名(男子8名,女子10名)
事業内容

 国立妙高青少年自然の家のプログラム開発事業である「妙高ジュニアアドベンチャー2011(以下「MJA」という)」は,リーダー性の素地となる5つの力(以下「妙高5力」という)を引き出すプログラムである。「妙高5力」とは①集団内の人間関係をより円滑にしようとする力②困難に立ち向かおうとする力③自ら考え行動する力④集団を目的やねらいに導こうとする力⑤創造力を働かせ工夫して課題を解決しようとする力をいう。3ヵ年計画の3年目となる今年度は,施設内の未開拓地を自分たちの手で開拓し,森小屋を建て,生活に必要なものを作り,自分たちの村(以下「MJA村」という)づくりを行った。15日間の活動を「夢づくり」,「村づくり」,「アクティブチャレンジ」,「村祭り,ふりかえり」の4つのステージに分け,実施した。

妙高ジュニアアドベンチャー2011スタート!

いよいよ14泊15日の長期キャンプ「MJA」が始まった。
 今年のチャレンジは「森で生きる15日間」である。住むところや食べるところなど,自分たちに必要な場所は全て森の中に手つくりしていく。子どもたちの思いが,森の中にMJA村をつくり上げる。MJA村ができ上がっていく過程には,子どもたちの成長が重なっていく。


開会式で所長より激励の挨拶

いよいよスタート。元気に頑張るぞ!

第1ステージ「夢づくりステージ」

第1ステージは森小屋を建てるとともに,どんな村をつくりたいか夢を膨らませることをメインとしたステージである。
子どもたちは,3つの班に分かれ,新しく出会った仲間と慣れないキャンプ生活を送った。毎日の朝5時起き,日中の作業生活に疲労がたまる。また,時々降る集中豪雨がさらにストレスをもたらしているようだ。
そんな中で迎えた第1ステージの最終日。子どもたちは,MJA村で生活するための森小屋を,「今日中に完成させたい!」「完成させなきゃ!」という思いをもって作業に取り組んだ。正直,完成するかどうか心配だった。小学生3,4人が,4mもある丸太や大きな構造用合板をたくさん使用して,6畳一間の部屋をつくり上げるのだ。重労働になることは明らかである。それでも,子どもたちは,やり遂げた!!
完成を迎えるまでには,メンバー同士の衝突や,材料確保のトラブルなどがしばしばあった。しかし,最後にはしっかりと柱を組みあげ,幕を張り,上からブルーシートをかけることができた。一生懸命に作業をして,自分たちの力で作った森小屋の完成をうれしく思い,大事に住もうと考えている様子だった。
【ふりかえり作文より】
「今日,MJA村にあった私たちの森小屋が出来上がりました。屋根の木をひもで結ぶのが難しかったです。シートをかぶせたりするのは,スタッフの方々に手伝ってもらったけど,骨組からつくった私たちの森小屋。たったこれだけの日にちでつくってしまったのは,今になってちょっとありえない・・・かな?と思いました。でも,これだけの時間でつくれたのは少しすごいかな?と思いました。」(小6・女子)


森小屋は,まず丸太で骨組み作り。

最後はブルーシートで雨対策。

第2ステージ「村づくりステージ」

 6日間の第2ステージは,「村づくり」がメインとなる。まず,3つの班が炊事に必要な「かまど」をブロックを組んで作った。次に食事をするためのテーブルを作ったり,遊ぶためのブランコを木の枝を利用して取り付けたりした。ドラム缶で風呂を作る班もあった。村は,日を追うごとにそれぞれに思いが具現化されていき,子どもたちが考える理想のMJA村へと近づいていった。
第2ステージの最終日は,3つの班を解体して,作りたい内容別にチーム分けをして作業をした。MJA村のために必要なことを考え,次の5つに分かれた。
①念願の女子トイレ作り,②村の顔,看板作り,③憩いの場所,足湯づくり,④ある
と便利,薪置き小屋作り,⑤生活に欠かせない,タープの増設
 夕方には,それぞれの作業の成果について発表し合った。
【ふりかえり作文より】
「私は女子トイレをつくりました。さっそく使ってくれた人が,『使いやすかったよ。ありがとう。』と言ってくれてうれしかったです。」(小5・女子),「看板づくりで絵を一生懸命描きました。とってもいい物ができました。」(小6・女子)などの,記述が多くあった。みんなのために行った作業が仲間に認められ,満足している様子がうかがえた。子どもたちは,自らの力で村をつくり上げ,大きな自信を手に入れたのである。
 最後に,場所を移して,保護者から寄せられた「子どもを励ます手紙」を一人一人に手渡した。
 どの子も,一読してからあふれる涙をこらえているようであった。照れくさそうに読む子や目を真っ赤にしながらも繰り返し何度も読む子など,反応はそれぞれだった。子どもたちは,親元を離れて9日間が過ぎていた。慣れないキャンプ生活で少しずつ友達をつくり,活動を積み重ねて心と体を鍛えてきた。村を完成させた自信とアクティブチャレンジに向けた不安が入り交じった心に届いた手紙である。どんな内容が書かれていたのだろうか。きっと,明日のチャレンジ本番で,くじけそうになったとき,新しい力を生み出すきっかけの一つとなったことだろう。


ようやくMJA村の完成!入り口の看板の前で。

保護者からの手紙を読む子ども。目には涙が。

第3ステージ「アクティブチャレンジ」

第3ステージのメインは,「MJA村から日本海までの約35kmを歩く」アクティブチャレンジの実施である。これまでの話し合いから,「つらくて,苦しいのが当たり前,だからこそあきらめないでゴールしたときに達成感を感じることができるんだ。」という思いで臨んだ。
 5時に起床,予定通り5時30分に出発した。気温の上昇が予想される日。涼しい朝の内にできるだけ距離をかせごうと,山からの長い下り坂での歩きをすごく頑張った。どの班にも,足を痛めていた子や疲労からゆっくりとしか歩けない子がいた。全員が,日差しの暑さに体力を奪われていた。給水ポイントで,頭から水をかぶったり,手や腕に水をかけたりしていた。だんだんと口数が少なくなっていった。口を開けば「あと,何km?」が多くなってきた。それでも,誰もリタイヤしようとしなかった。
遅れがちな子を気遣って声をかけたり,追いつくまで待ったりする子がいた。みんなで一緒に歩きたいという気持ちが具体的な行動として表れてきた。
最初に直江津の海岸に到着した班は,16時40分頃。11時間以上のチャレンジであった。後からきた2つの班は,ゴールが近づくにつれて元気が出てきて,最後はすごいスピードで歩いた。そして,同時に到着した。17時20分頃であった。「たくさんのみんなと一緒にゴールしたい!」という子どもたちからの提案で,常に遅れがちだった班と一緒にゴールを目指した。全部の班がきれいな夕日を見ることができた。
 現地でふりかえりを行った。進んで自分の思いを語り合った。35kmを歩き切ることに不安を感じながら歩いていた子がたくさんいたことが分かった。苦しくなったり,痛くなったりしてやめたくなったときに,友達からかけてもらった言葉で元気が出た子もいた。痛くても我慢して,絶対にリタイヤなんかしないと心に決めていた子もいた。「一生の思い出です。」,「新しい自分に出会うことができました。」,「家族に自慢したいです。」など,どの子もアクティブチャレンジについて,目を輝かせながら自分らしいことばで語っていた。自分がやり遂げたことに誇らしげな子どもたちの様子に,スタッフも胸が熱くなった。


35キロのチャレンジ。ひたすら歩く,歩く

夕日を背景に,それぞれの思いを語る子ども。

第4ステージ「村祭り・ふりかえり」

 第4ステージは,村で過ごす最後の日の記念として,「MJA村祭り」を開催した。
「屋台村」…班ごとに作った食事を,みんなで味わった。メニューは,レタス卵サラダ,フルーツポンチ,お好み風いろいろ焼き,焼き肉,豚汁,フレンチトースト,焼きおにぎり,焼きトウモロコシなど,バラエティー豊かであった。それぞれの班がこれまでの野外炊事で培ってきた力を存分に発揮して,絶品料理をつくった。
 おいしそうにほおばって何でも食べている子どもたちの笑顔がとっても素敵だった。

 「発表会」…思い出の一場面を紹介した。
 アクティブチャレンジのスタートからゴールまでを寸劇で表したり,森小屋づくりの歴史を振り返って,森小屋自慢・みこし練り歩きを計画したりした班もあった。また,村づくりでの道具づくりの工夫と実演やエピソードなども発表した班もみられた。
 どの班の子どもたちも,自分の考えを伝えたい,分かってほしいという思いがあふれていた。そこに「本気になった子ども」の姿を見ることができた。
 また,スタッフのリードで洗濯物ゲームをしたり,全員で輪になって歌を歌ったりもした。これらの内容は,前日に,「最後に全員で何がしたい?」と投げ掛けた結果,子どもたちが決めた内容であった。Funky Monkey Babysの「それでも信じてる」の歌を心を込めて歌っている子どもたちの様子に,スタッフも涙が出そうになった。
 場面の一つ一つに子どもたちの心が込められていた。これまでの体験によって感じとってきた心。仲間を思うこと,進んで仕事をすること,あきらめないこと,楽しむこと,乗り越えることなどである。子どもたちにとって,表現したい思い出がたくさんあったのだということを改めて感じることができた。


村の広場の屋台村でハイチーズ!

発表会では各班が一生懸命自分の役を全うした。

15日目(最終日)

MJA2011も最終日。閉校式では,子どもが一人ずつ15日間の思い出などを話した。野外炊事のこと,小屋作りのこと,アクティブチャレンジのことなどを,自分の言葉で語った。どの子も言葉は違っていても,「仲間の支えや協力があったから達成できた,最後までやり抜くことができたのだ。」ということを懸命に伝えようとしていた。2週間前とは違う,堂々とした態度で話していた。久しぶりに会った保護者も,子どもの成長ぶりに驚かれていた。
 また,閉校式後に,保護者と一緒に,MJA村に行ってきた。子どもたちは,村に着くと,保護者を自分の小屋に進んで案内していた。どの保護者も,子どもが作った小屋のできばえに驚いていた。おそらく「我が子の成長ぶり」,「やり遂げたことの大きさ」を感じたのであろう。また,仲間とのかかわりの様子も目の当たりにされていた。2週間前に初めて出会った者同士が,一体となってスタッフの話を聞いたり,仲のよい兄弟姉妹のようにじゃれ合ったりしていた。文字通り「寝食を共にした仲間」だった。
 「森の中で生きる15日間」と銘打って始まった長期キャンプ。連日,豪雨に悩まされた。毎日,野外炊事を行った。合計19回。友達とも何度もけんかをした。納得のいくまで話し合った夜。毎日の振り返り作文を半分寝ながら書いている時もあった。森の中で楽しく,ゆっくり過ごす時もあった。自由な時間と材料がふんだんにある村の中で,子どもたちは,大きく,のびのびと育っていったのである。


自分たちがつくった小屋を保護者に説明。

15日間お疲れ様でした。ヤッター!!



■別年度のレポート
2021年度 チャレンジキャンプ2021 ~妙高で見つける新しい自分~ 実施レポート
2010年度 妙高ジュニアアドベンチャー2010〜日本一の体験と感動を in信濃川〜 実施レポート

プログラム検索に戻る