NO団体名主な企画内容
16 敦賀市立西浦中学校(福井県) 「第19回いかだレース」
中学生が手作りのいかだに乗り、学校前の浜から水島までの約800mを競う。学年の枠を超え、全校生徒と地域の小学校とも協力し、郷土の自然を利用した特色ある自然体験を展開。

速報レポート

参加者数:中学生8名、小学生11名
題材について

 「水島」は敦賀半島の先端に浮かぶ小さな無人島で,海水の透明度が高く,景色が美しいことから「北陸のハワイ」とも言われ,毎年大勢の海水浴客が訪れる。保護者が民宿業や漁業を営んでいる生徒も多く,この島には幼い頃から親しみがある。また,西浦中学校から約800mの位置にあり,毎日の登下校の時はもちろん,水島の見えるランチルームで毎日給食を食べている。毎年夏に地域の方々と一緒に清掃活動も行っており,水島は生徒にとって大変愛着が深く大切な自然である。
 その水島を題材にした「いかだレース」は今年で19回目を迎える。第1回のレースは平成5年9月14日に行われた。当時の記録によると,「生徒が主体的に取り組み,ゆとりのある充実した学校生活が送れるよう共同体験学習を組み込むことで,地域の実態に即した学級づくりを推進する」ことを目的として,3隻が参加して行われた。いかだの素材は竹やうき(発泡スチロール)でごく簡単なつくりであった。毎年,工夫が施されレベルアップを図り,今日に至る。西浦中学校の夏の伝統行事として生徒や地域の方の意識の中に定着してきた。

学習のねらい

・いかだレースを成功させるための課題を見つけ,話し合いや調査を通して課題を解決する。
・活動を通して生徒の自主性や協力性を育て,友情や信頼を深める。
・地域に関心を持ち,ふるさとを大切にする心を育て,郷土愛や愛校心を高める。
・いかだレースへの取り組みをふり返り,自分たちの活動の工夫した点や感想を伝え合う。 

4 指導計画【11時間配当】

時配日時主な内容
6月21日(火)6限テーマの決定   *ゲストティーチャー
6月28日(火)6限チーム決め,ルール検討,係決め,学習の計画
6月30日(木)6限いかだの構造や設計に向けての調査
7月 5日(火)6限いかだ集会①に向けて
7月 6日(水)3限いかだ集会①・ルール確認,チーム紹介,応援方法の話し合い
7月 7日(木)6限いかだの設計
7月12日(火)6限いかだ集会②にむけて 
7月13日(水)3限いかだ集会② 小:応援グッズ・旗の製作 中:おたより作り,いかだの設計

9 7月14日(木)6限 いかだ製作の計画
10 7月19日(火)6限 いかだ製作の計画
夏季休業 7月26日(火)~8月11日(木) いかだの製作
8月22日(月) 本番
11 9月 1日(木)6限 いかだレースのまとめ


1〜8 調査活動・課題解決
9、10、夏季 制作・本番
11 まとめ

主な実践内容

(1)テーマの決定
 6月21日(火)に,今年で19回目となる「いかだレース」の最初の話し合いを行った。平成5年のレース発足当時の教頭先生(石亀嶽さん)とOB(竹腰優一さん)に来ていただき,レースが始まったいきさつや,いかだ製作の苦労話などを聞く。とても貴重なお話で驚きの連続であった。そして話し合いの結果,「楽しく競って西浦らしく」というテーマで活動を進めていくことになった。このテーマには,みんなのよい思い出にする,西浦の伝統を受け継ぎ発展させるという意味がこめられている。




(2)いかだ集会
 7月6日(水)に,小・中学生全員でいかだ集会を行った。まず,テーマ発表を行い,次に小学生にいかだのチームを紹介した。(侍ブルーチーム,西浦ストロングチーム,ペンギンチーム,そして教員のレッツゴーチーム)また,レース当日は応援をしてくれる小学生の所属チームを発表し,これからがんばっていこうという決意を固めた。
 さらに,応援旗のデザインについて話し合い,決まったチームは下書きに取りかかった。その後の制作は小学生が中心になって行った。




(3)いかだの設計
 チーム名をもとに,いかだの設計が始まった。侍ブルーチームは,侍→兜→カブトムシという発想で,西浦ストロングチームは,ストロング→クジラを,ペンギンチームはその名の通りペンギンをモチーフに設計を進めていった。
材料は侍ブルーチーム,西浦ストロングチームは従来通りの発泡スチロールを主としたものに。ペンギンチームは,原点(第1回いかだレース)にもどり,ものの再利用に挑戦。養殖のいけすに使われていた発泡スチロールの浮きを利用することにした。教員チームは,今では少なくなったタイヤチューブを浮く素材として活用することになった。




(4)いかだの製作
①発泡スチロールの切断
手作りの電熱線カッターで,発泡スチロー ルを切断。切り口がなめらかで,切りくずが出ない点がよい。切り取り線に沿うように,2~3人で作業を行う。切り取り線を3~4面に入れると,正確に行うことができる。
元になる発泡スチロールは畳1畳分ほどの広さで,約30㎝の厚みがある。水の抵抗を減らしたり,デザイン豊かないかだにしたりするためには,この作業が重要になる。生徒は一瞬も気を緩めることなく,作業を進めていた。



②骨組み作り
切断した発泡スチロールを組み合わせるには,骨組みが必要になる。発泡スチロールは強度が低いため,竹等による骨組みが重要である。しっかりとした骨組みにするために,電動ドリルで竹に穴を開けておき,その穴を利用してロープで結ぶとしっかりとした骨組みにすることができる。
ロープで結んでいく時に発泡スチロールの角がくずれる場合がある。それを防ぐために竹をそえてから結んでいく。その竹にも穴を開け,ロープを通して緩みがないように結んでいく。

下の写真のように,いくつかの発泡スチロールを結合するのに,竹を通す場合もある。2本通すことで発泡スチロールが回転しないようになる。竹の端は発泡スチロールがずれないように,留め金のようなものを付ける。





③船体を削る
水の抵抗を減らすために船体の正面や底面などを削る。800mのレースを制するためには,とても重要な作業である。また,なめらかな船体にしたり,ユニークなデザインにしたりするためにも,削ることは必要である。
削ると細かなゴミが出るが,掃除機も使い
ながら作業を行うと出てくるゴミを回収できて効果的である。



④塗装
いかだ製作の仕上げは船体の塗装である。デザインに従って,耐水性のペイントでカラーリングをしていく。生徒は充実感にあふれた表情で作業を進めていく。色を塗るといかだの雰囲気もずいぶんと変わり,いかだに命が吹き込まれたように感じられる。





(5)いかだレース当日
 最初に各チームそろって記念撮影を行った。また,小学生にはデザイン賞の投票や,いかだへのメッセージ書きをしてもらった。





開会式では,各チームが意気込みを語った後,小学生による応援が行われた。手作りの旗や鳴りもの用のペットボトルなどを使って,中学生を励ましてくれた。
9時30分レース開始。学校前の浜からゴールの水島(約800m)を目指してスタートした。小学生や保護者,地域の方々の応援を受け,精一杯のレースを展開した。
波は水島に向かって右から左へ緩く流れていて,それに流されないように「1,2,1,2…」のかけ声で懸命にオールを漕ぐ中学生。
「がんばれ」,「もっと右」など,たくさんの声援が海上をこだました。

優勝 侍ブルーチーム(24分36秒) 2位 西浦ストロングチーム(32分26秒)
3位 ペンギンチーム(32分48秒)  4位 レッツゴーチーム(先生)(34分57秒)






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