NO団体名主な企画内容
47 独立行政法人国立青少年教育振興機構 国立夜須高原青少年自然の家(福岡県) 「夜須高原長期チャレンジキャンプ(困難克服体験)」
~どんなにつらくても仲間がいればチャレンジできる~プレキャンプで登山の知識やスキルを身につけ、目標をもって5泊6日に挑み、仲間と協力し、ハードな体験プログラムを乗り越える。自立とチャレンジ精神の育成をはかることを目的とした自然体験企画。

活動レポート「夜須高原長期チャレンジキャンプ」

日時:7月7日(土) ~8日(日) 1泊2日 38名参加 (プレキャンプ)
   7月28日(土)~8月2日(木)5泊6日 43名参加 (メインキャンプ)
場所:国立夜須高原青少年自然の家、馬見山、東峰村小石原、福岡県立英彦山青年の家、英彦山、筑前町黒岩地区周辺フィールド
対象:小学校5年~中学校3年の児童・生徒 
活動報告

7月7日(土)
【であいのつどい】
レクリエーションをとおして仲間作りをしました。初めて会う仲間と少しずつ話せるようになっていきました。



【キャンプ・登山のオリエンテーション】
メインキャンプで行う登山(縦走登山)や沢・滝登りについての事前学習をしました。また、安全に活動を行うための学習もしました。

【テント設営・野外炊飯】
メインキャンプは自分たちで野外調理をし、テントを設営します。
テントの設営・撤収方法や野外炊飯の方法を学ぶとともに、実際に実践してみました。



【班の役割分担】
このキャンプは班長がいません。食事係、テント係、整美係、タイムキーパー、保健係を誰が担当するか決めました。班長がいないということは、それぞれの係が班のリーダーになります。たとえば、整美係は片付け、掃除、荷物の管理などについて班のメンバーに指示をするということです。係以外に消灯前の班会議の司会者(日替わり)や朝読み(宮沢賢治の「雨ニモマケズ」)の朗読担当者も決めました
【係会議・班会議】
係ごとに集まり、今日の反省点を述べ合い、どうすればスムーズにキャンプを進めていくことができるかを考えました。係会議で決まったことや連絡事項は班会議で班のメンバーに伝えます。班会議は司会担当が進めました。

7月8日(日)
【朝読み】
1班の朝読み担当が進行役です。宮沢賢治の「雨ニモマケズ」をみんなで朗読しました。

【野外炊飯・テント撤収】
コッフェルやガスバーナーを使い朝食を作りました。固いご飯が炊きあがりました。次はおいしいご飯を炊きあげたいです。

【班の目標決め、班旗づくり】
2日間を過ごしてみて班の仲間ともかなりコミュニケーションがとれるようになってきました。メインキャンプに向けて班の目標を決め、目標を布に書き、班旗を作成しました。



【わかれのつどい】
2日間をふりかえり、わかれのつどいです。

プレキャンプが終わり数日後、私たちの活動拠点である九州北部は豪雨にみまわれ、大きな災害が発生しました。当初予定していた登山コースが通れなくなり、コース変更を余儀なくされました。新しく設定した登山コースの下見を念入りに行い、安全を確保した上でメインキャンプにのぞみました。

7月28日(土)
【林間ボブスレー】
3週間ぶりの再会です。プレキャンプは発熱等で欠席の人が数人いましたが、メインキャンプは全員参加でのぞむことができました。再会のつどい後、みんなで施設内にあるボブスレーを楽しみました。

【野外炊飯】
班ごとにテントを立て、野外炊飯にのぞみました。プレキャンプで練習した成果もあり、準備し始めてから食べ始めるまで1時間程度です。このキャンプは、それぞれの活動の始まりの時間を必ず守るようにしています。早く活動が終わった班は自由時間です。自由時間を作ることができた班もあり、順調な滑り出しです。



この日は、ゆっくりと時間が流れ、みんな落ち着いて過ごすことができましたが、明日からがハードになります。歩行移動距離は約38km。係会議と班会議を済ませ消灯です。

7月29日(日)
【馬見山登山】
朝読み、朝食、テント撤収、登山準備を手早く済ませ、馬見山登山へ向かいました。天気は晴れです。みんな笑顔で歩きました。

少しずつ険しい道になってきました。登りはじめのような明るい表情は見られません。



やっとの思いで、馬見山の山頂(▲978m)に到着しました。南側に広がる筑後平野。ダイナミックな景色に感動しました。



最高の景色を見ながら、弁当を食べました。おいしかったです。
馬見山山頂からはだらだらと下る登山道が続きます。6km下り続けます。途中、行動食として魚肉ソーセージを食べ、元気が出ました。



6kmの山道を下り終えました。下りは息が上がらないのですが、ねんざをしやすく、みんなへとへとになりました。下った後も、日照りの中で車道を1.8km歩き、やっと東峰村の小石原グランドに到着しました。汗だくの体に水道水を浴び、汗を洗い流しました。



テント設営が終わる頃、ゴロゴロと雷鳴が・・・。1時間半にわたる雷雨です。テント設営も野外炊飯も一時中断。食事を食べ終えたのは22時頃でした。
そんな中である班に変化が起き始めます。それは班員同士のけんかです。お互いの意見のくいちがい、わがままな行動がけんかを引き起こしてしまいました。まだまだ、キャンプは続きます。自分たちで解決していきたいものです。

7月30日(月)
朝靄がかかる中、小石原グランドで朝食を食べ、テントを撤収しました。お世話になったグランドの掃除をして出発です。今日は福岡県立英彦山青年の家まで移動します。陶芸の町「小石原」の石畳を歩き始めます。小石原をぬけ、車道が続きます。山道に比べて楽なようですが、だらだらと続く車道に苦労しながら歩きました。

昼食は川沿いで食べました。この弁当は、「道の駅小石原」の駅長さんが子どもたちのために愛情を注いで準備してくれたものです。昼食後は川に降りて遊びました。冷たい水が疲れを吹き飛ばしてくれました。



昼食を終え、出発です。途中、1時間に1本程度しか運行しない電車にちょうど良く遭遇し、みんなで手をふりました。



貝吹峠を越えようとした頃、ぽつりぽつりと雨が降り始めました。レインコートを着て歩き続けます。あと少しでバスが迎えに来る地点まで来たところで豪雨になり、車道が川になってしまうほどでした。レインコートを着ていても無駄です。びしょびしょに濡れながらも最後まで歩き続けました。バスの中では疲れ切って寝てしまう人も・・・。



福岡県立英彦山青年の家に到着し、すぐに入浴し、この日は食堂の食事を食べました。係会・班会議の前に英彦山青年の家の職員の特別なはからいで明日の英彦山登山についてくわしく説明をしていただきました。その中で、修験者が使うホラ貝を吹かせてもらいましたが、素人の私たちには音を出すことができませんでした。でも、良い経験になりました。
班会議後は、布団で寝て、明日の英彦山登山に備えます。おやすみなさい。

7月31日(火)
英彦山登山の日。天気は雲ひとつない快晴。最高の登山日和です。朝食は野外炊飯です。慣れてきて手早く準備・調理・片付けをできます。そんな中、英彦山登山を前にして不安や疲れから表情がさえない人もいます。

でも、登るしかありません。出発です。登山口の神社で安全を祈願しました。

登山コースは、英彦山青年の家→高住神社→北岳(▲1195m)→中岳(▲1182m)→バードコース→スキー場です。英彦山の登山道は石ばっかり。浮き石を踏まないように注意しながら登ります。北岳までの傾斜がとっても急です。



北岳に向かう尾根まで来ました。一本杉が出迎えてくれ、斜面から吹き上がってくる涼風がとても気持ちよかったです。

北岳で休憩をとった後、北岳と中岳の間の谷で弁当を食べました。そしていよいよ中岳山頂に向かいます。天気が良かったので、途中、阿蘇山を望むことができました。

そして、中岳山頂に到着です。気分爽快。少しの時間でしたが、思い思いに過ごしました。



班ごとの写真撮影を終えた後は、下山です。急なところはあまりありませんが、ねんざに注意しなければなりません。途中で休憩をとりながら、バードライン、スキー場経由で英彦山青年の家に向かいます。

怪我もなく無事英彦山青年の家に到着しました。拍手でお互いに讃え合いました。入浴後、テントを設営し、野外炊飯です。焼きそばを作りました。みんな満足そうです。明日は夜須高原まで戻り、滝登りです。英彦山を制覇して得た自信を滝登りにぶつけてください。



8月1日(水)
今日で夜須高原チャレンジキャンプも5日目。もうラストスパートです。今日は英彦山を後にして、夜須高原に戻り、滝登りに挑戦します。そのため、かなり早く準備をしなければいけません。起床から朝読みまでの間の時間でテントなどを片付けていきます。

朝読みの担当は5班でした。だいぶみんな「雨ニモマケズ」の朗読にも慣れてきました。

朝食、テント撤収後、荷物をまとめて退所です。
お世話になった英彦山青年の家の職員の方にお礼を言います。
今日も素晴らしく晴れ渡っています。



バスの移動は約1時間半。
みんな熟睡モードでウトウトしていました。

筑前町黒岩地区に着きました。
頭を切り替えて滝登りについて説明を聞きます。そして、壁を使い、滝登りの練習をしました。壁に対して直角に体を立てる練習をしました

さて、今回登る滝です。去年のチャレンジキャンプでもお目見えしました「ウナギ止めの滝」です。落差約6mの滝で、今回は水が少々増量しています。しかし、特に問題なしということで滝登りを開始しました。



滝を登り切った後は、黒岩公民館まで歩いて行き、着替え、弁当を食べました。
夜須高原青少年自然の家に戻り、入浴後、夕食です。メニューはなんとバーベキュー。今まで苦労してきた分、テンションが上がりました。けんかをしていた班も解決できたようです。

夜の活動はキャンプファイヤーです。火の神?が登場し、厳か?な雰囲気となりました。
レクリエーションなど大盛り上がりです。



あんなに大きかった火も次第に小さな熾火になりました。この火を見つめながら、今の気持ちを語ります。中には感情があふれ、涙が出てきた人もいました。

楽しいキャンプファイヤーを終え、ゆっくりと眠りたいところですが、最後までテントで寝ます。台風による強風の影響を懸念して、活動場所を変えたので、男子は屋根がついているフリースペースという場所にテントを張り、寝ます。女子は研修室の中に、平たい場所を作り、寝袋で寝ます。

8月2日(木)
長いような短いような5泊6日もいよいよ最終日。夜須高原チャレンジキャンプもいよいよ終わりです。最終日の朝も、朝読み、野外炊飯でした。

今日は最終日。「立つ鳥跡を濁さず」の言葉もあるように、全てを片付ける大事な日です。
テントや自分の荷物、使った場所の清掃なども行います。寝袋用シーツもきちんと片づけます。

荷物を片付け終わったら、スピーチ会への準備です。今までの全てを振り返ります。例えば、楽しかったこと、きつかったこと、どうやって乗り越えたか、感謝の気持ち、これからの生活でがんばりたいこと、おうちの方に伝えたいことなどをふり返りました。



スピーチ会の準備が終わったら、最後の班での昼食です。みんなご飯を作っていただくことの有り難さを感じながら、楽しそうに食べていました。
昼食も終わり、スピーチ会が始まります。自分の思いをまとめて、みんなが聴きます。
聴く方も思いを受け止めるために、しっかりと聴きます。



別れのつどいが始まり、所長から、次長から、スタッフからの言葉がありました。
これからのみなさんへの言葉だったのですが、しっかりと受け止めてくれたことだと思います。これで夜須高原チャレンジキャンプは終了です。参加したみんなのこれからの活躍を心から祈っています。(完)





■別年度のレポート
2014年度 「夜須高原長期チャレンジキャンプ」~九重満喫!体感!「九州の名瀑・名峰」~ 実施レポート
2013年度 「夜須高原長期チャレンジプログラム」~どんな困難でも仲間といっしょにチャレンジできる!~ 実施レポート
2011年度 夜須高原長期チャレンジキャンプ〜“山へ川へ”青春!自分へチャレンジ〜 実施レポート

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