NO団体名主な企画内容
1 NPO法人 どんころ野外学校(北海道) 「どんぐり冒険隊2013 夏の冒険キャンプ」
つくるぞ! ぼくらの森のかくれ家大作戦!!ロープワークや木工具の使い方などの基本的技術を学び、3つのミッションの下、かくれ家づくりに挑む!沢の上のかくれ家にはターザンロープやブランコも。仲間と共にキャンプをしながら、夢のかくれ家の完成に向けて力を合わせる。

速報レポート3 メインキャンプ ミッション3 「かくれ家を完成させよ!」

実施日  平成25年 7月26日(金)~28日(日)
参加者  小学生18名 中学生1名(申込者数23名中)
スタッフ どんころ野外学校 野外活動指導者1名、アウトドアガイド兼大工1名、野外活動指導者兼看護師1名
     外部指導者 地域の父兄兼大工1名・野外活動指者 1名
会場   北海道空知郡南富良野町 NPO法人どんころ野外学校 敷地内
活動内容

今月のテーマ  ミッション3「かくれ家を完成させろ!」
*今まで用意してきた材料を立体に組み建て、「土台回し」「棟上げ」「屋根はり」「壁はり」の工程を経て、完成させる。
*ターザンロープ、ブランコ、アスレチックネットなどのあそび道具も完成させる
*仲間と衣食住を共にして、キャンプ生活をおくる

【第一日目 7月26日(金)】 
今日から3日間でひみつ基地絶対完成!&たっぷり遊ぶ!そして、みんなが楽しいキャンプにしよう!!
今まで長い間準備してきた材料で、いよいよかくれ家を建てはじめます。あいにく空はどんよりと曇り空。ぽつぽつ雨も降ってきましたが、作業と子どもたちの元気に支障はありません。まずは、屋根代わりのシートを張り“ゲンバ”を使いやすくします。
第一段階の「土台回し」は太い角材をぐるりと敷いて、かくれ家の基礎を作ることです。そして、支え合って柱を建て、長いくぎを打ちこみます。柱が建つと立体感が現れ、なるほど、この材料はここに使うものだったんだな。とだんだんとイメージが形になっていきます。
朽ちるだけだった廃材が、子どもたちの手によってふたたび命が吹き込まれます。




午後からは、山から木を切り出してきて、ひみつ基地に上がるはしごも作ります。枝を落として長さをそろえ、今こそロープワークの見せどころ。雨の中でロープも滑りづらいのですが、しっかりと結びます。木のはしごを使うと木登りをしている時みたいに、木肌が手のひらにしっくりときて、登りやすいのです。



ツリーハウスを作ってきた中学生のメンバーは、高所の作業も慣れたもの。慣れた手つきでくぎ打ちを続け、小学生たちのサポートをしてくれます。どんぐりの活動は、必要のない限り縦割り、横割りのグループ活動や時間割による活動内容のローテーションをなるべくしません。子どもたちが興味を持った内容に、じっくりと許されるだけ打ち込めるように環境を整えます。ずっとくぎを抜く、のこを引く、組み立てる、あきたら遊ぶ。でもまたしばらくすると、作業にもどってきて自分の意志でひみつ基地を完成させていきます。
そして、年長の子どもたちの動きを見て、あこがれを持ち、まねをしていくのです。ナイフや工具の使い方、調理の仕方、火おこし、遊び方など。
もちろん、スタッフも子どもたちへのタイミングの良い声がけ、活動の進捗度合いの見計らい、初めてのことへの興味の持たせ方、安全への配慮など、常に状況を観察し、子どもたちの気持ちをすくうことへの努力、楽しいこと面白いことへのアンテナなどが、このキャンプを作り上げ、ともに素晴らしい経験を分かち合うことができるのです。



さて、今夜はたき火料理の予定でしたが、雨のため、自炊棟の中で炭火料理。
のんびりと火を囲み、ご飯を楽しみます。調理当番はありませんが、スタッフが用意を始めるとおなかのすいた順に子どもたちが集まってきて、ごはん作りが始まります。ごへい餅は薪ストーブと羽釜で炊いたご飯をもんで、竹串につけてやきます。甘味噌をつけて食べると香ばしくっておいしい!ひと釜あったご飯もすっかりなくなってしまいました。ダッチオーブンでは新ジャガと鶏手羽元、玉ねぎ、人参を炒めて炭火へ。同じ釜の飯を食べる、仕事仲間の遊び仲間。子どもたちは本当によく働き、よく遊び、よく食べ、よく育つ! よく寝るとも書きたいところですが、夜が楽しいのですから、遅くまでおしゃべりに花が咲いていました。

【2日目 7月27日(土)】
今日も曇り空。やや雨模様。しかし、今日中に屋根まで何としても仕上げなくては、間に合いません。ほかほかのホットサンドを焼いて朝食をとると、早速、作業再開。準備も手早く、今日の手順を確認します。



「土台、柱、けた、塚柱、母屋、棟、垂木、屋根!」とかっこよく建築用語も唱えながら、形になっていくかくれ家に、愛着がわいてきます。この釘はぼくが打った。あの柱材は私が切った。それが今、かくれ家になってきた。たまらないわくわく感を一身に味わいます。

ひみつ基地の装備も作成します。はしごの次は、アスレチックネットを編んで、基地のどこかにうまく取付けようと計画中。なんか、港の漁師のおくさんみたいね~とのスタッフの声も聞こえず、もくもくと編んで瞬く間にできました。それからウォータースライダーづくり。みんなで描いた設計図にもあったスライダーは必須アイテム。太い角材2本に、はしご状に板を打ち、シートを張ります。徐々に遊び道具もそろえ、川遊びに備えます。



一方、かくれ家もとうとう屋根が上がりました。そして、予定よりも屋根を高くして、屋根裏部屋を作ろうという計画が持ち上がってきたようです。キャンプ中に完成できるかどうか、わからなくなってきましたが、子どもたちと大工の納得いく小屋にすることにします。



夜はどんぐり屋台村が開店!お好み焼き屋、かき氷カフェ、炭焼きフランクフルト屋、射的屋、流しそうめん屋など、それぞれお店をつくって、ご飯を楽しみます。みんな準備に余念なく、お店の看板や売り方、ローテーションや景品、試食など相談して、お店を開けます。小さな夏祭りで夜が更けていきました。





【第3日目 7月28日(日)】
さて、最終日。今日も曇り空ですが、今日中に仕上げなくてはなりません。それぞれの担当を確認しあい、まず、朝一番で、五右衛門風呂のお湯を沸かし、川遊びに備えます。そして、現場の片づけ、かくれ家の仕上げ、川遊びの準備に取りかかります。



現場の木材を片付けていると、最初にくぎを抜いた時が、ずっと昔のような懐かしい気がします。いったいみんなでなん百本のくぎを抜いて、廃材を甦らせたのでしょうか。古い材は色もすすけて、ところどころに穴や傷、汚れがたくさんあります。しかし、かくれ家の一部となると、とても温かみがあるから不思議です。
そして、いよいよ落成式をして、かくれ家に魂を入れます。みんなで作り上げたかくれ家とひみつ基地でこれからもたくさんの子どもたちが安全に楽しく遊べますように。



すると、ほんのひとときだけ、灰色の雲と雲との隙間から、夏の日差しがみんなを照らしてくれました。今だ!とばかり、川へ!ウォータースライダーやターザンロープの登場です。この時を待っていた子どもたちは、瞬く間にずぶぬれになりあそび始めました。
冷たい水に体が冷えると、朝沸かした五右衛門風呂に入って温まり、また、川へ飛び込みます。







最後のお昼は、待ちに待ったチキンラーメン。ひみつ基地で食べるんだと楽しみにしてきました。ナベを運んでかくれ家の前で配膳。好きなところお昼ごはん。橋の上にゴザを引いて、ゴロゴロしながら。屋根裏部屋からは景色をながめながら。パリパリ食べる子。つるつるすする子。おかわりする子。川のせせらぎがみんなのおしゃべりも包んでしまいます。本当に、みんなが森の一部となってしまいました。




あっという間の5日間。とうとう、ぼくらの森のひみつ基地&かくれ家が完成したのです。

保護者がお迎えに来た時、子どもたちはひたすら秘密にしてきた場所をとうとう明かして、自分たちの基地を案内していました。

「ねえ今度は、一ヶ月ぐらい泊まって作ろうよ。」
子どもたちの基地づくりは、永遠につづいていきそうです。

メインキャンプのまとめ

3日間とも、曇り、雨の天候となり、暑い夏の日差しの中で遊ぶことはできませんでしたが、こどもたちから天候が悪いことへの不平不満はなく、ただ、目標に向かってひみつ基地を作っていました。くぎ抜きや材料運びなど単調な作業が多いのですが、飽きると川に足をつけて遊び、また作業に戻ってきます。外での薪割や、たき火、テント泊などキャンプ技術を伝える計画もしていましたが、屋内のプログラムへ変更し、野外では、ひみつ基地、かくれ家づくりと川あそびに集中し実施いたしました。
その結果、子どもたち自身がゼロから手掛け、完成するに至った達成感を十二分に得ることができました。
どんぐり冒険隊を開始してから8年がたち、兄弟姉妹の入れ替わりや、新しい参加者も増え、リピーター率の高い野外体験プログラムとなってきていますが、キャンプのアイディアは、いつも子どもとスタッフの「ひらめきと笑顔」と豊かな自然からの声掛けです。これからも、子どもたちと一緒に大冒険を繰り広げていきたいと願っています。



速報レポート1
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速報レポート3 メインキャンプ ミッション3 「かくれ家を完成させよ!」

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