NO団体名主な企画内容
5 小川原湖自然楽校(青森県) 「2013夏冒険キャンプ」
青森県内でも、風土気候が違う津軽地方の岩木川と南部地方の高瀬川の源流から河口までを体験する、8泊9日の冒険キャンプ。環境の異なる水系での体験を通じて、風土の違いや自然と人、文化の関わりを学びながら水辺の体験に強い「水ガキ」を養成。

速報レポート1

日 時:2013年8月12日(月)~20日(火) 8泊9日
場 所:大川(岩木川源流)、岩木山、岩木川、根井団体活動センター、八甲田、高瀬川、大坪川(高瀬川源流)
参加者:子ども14人、大人8人(スタッフ)
活動のねらい

  • 青森県において、気候風土の違う津軽地方と南部地方の川体験を通して、山・川・海のつながりから水循環の仕組みを体感します。岩木川源流大川探検、岩木山登山、岩木川カヌー体験、八甲田登山、高瀬川源流大坪川川流れ&飛び込み、小川原湖~河口カヌー体験など、いろいろな体験を通し、自分への挑戦と自然の厳しさ、大切さ、そして生きる力を学びます。

活動内容

1日目(12日)
 開校式は根井団体活動センターです。途中参加の子どももいますが、初日に集まったのは9人。これから津軽の母なる川岩木川の源流目指して出発です。大川着は13時でこれから幹回り17mというカツラの巨木を目指します。まずは第一関門、10mぐらいのがれ場の通過です。フィックスロープを張り慎重に下ります。20分ぐらいで大川の川原に着き、第二関門、大川の渡渉です。大川を渡らないと対岸にある取付き点に着きません。渡渉も各自慎重に行い、取付き点から山に入ります。いきなりの急登が20分ぐらい続き、持ってきたペットボトルの水がすぐに空になります。あたりは世界遺産である白神山地の入り口ですが、ブナやナラ、ホウ、トチ、カエデなどが立派な森を形成し、足元は枯葉が覆いつくし天然の水がめです。カツラの巨木は奥まった斜面にポツンとありますが、近くに寄って並んでみないとその大きさは分かりません。子どもたちと手をつないでカツラの木の前に立って初めて実感します。すぐ近くにはもう1本同じくらい太いカツラの木があり、白神の森の大きさを感じます。登山道ではないけれど、踏み跡は明瞭で迷うことはありませんが、それでもところどころでけもの道のようになっていて注意が必要です。帰りは同じ道を戻りますが、急坂の下りでは何人も転んでいました。大川も再渡渉して、車に着いたのは予定より1時間遅れで、今夜の宿泊地である岩木山の麓を目指しました。


ガレ場通過

大川渡渉

幹回り17mカツラの巨木

2日目(13日)
 今日は青森県で一番高い岩木山の登山です。8合目までは津軽岩木スカイラインを利用して、1247mの駐車場に着きます。目の前には岩木山の山頂が見えますが、9合目からは岩場の連続です。まずはリフト脇にある入口から樹林帯の中を進んでいきます。しばらくリフトの運転音が聞こえていますが、それを過ぎるとあたりは鶯の声があちこちから聞こえ、人工音は聞こえなくなり30分ぐらいで9合目に着きます。目の前には鳥の海噴火口の跡が大きく口をあけています。さあいよいよ岩場の連続です。ほどなく鳳鳴ヒュッテに着きます。ここはかつて冬山で遭難した高校生たちを偲んで建てた無人の山小屋です。まずは第一の急登。平らな所に出たら次は第二の急登。歩き始めた頃は山頂が見えていたのに、山頂が近づくにつれてだんだん雲に覆われていきます。やっとのことで山頂に着いた時にはすっかり雲の中。それでも記念撮影するときには雲の合間に青空も見えたりしていました。慣れない岩場の下りで時間はかかりましたが、それでも全員落伍者もなく無事下山できました。これから火照った体をクールダウンするため、中村川で水遊び。アブの多い中、カヌーで遊んだり水を掛け合ったりして十分クールダウンして宿泊所へ向かいました。


急登の先には山頂が

岩木山登頂

中村川で水遊び

3日目(14日)
 津軽平野を流れる岩木川は全長102kmあり、青森県で一番長い川です。今日はその下流域である五所川原から稲垣公園までのカヌー体験です。五所川原まで来ると高低差がほとんどなくなるので、思った以上に進みにくくなります。乾橋付近にある駐車場近くから出艇すると、五能線の鉄橋が間近にあります。今回のルート中唯一の瀬があり、かなりのスリリングが味わえます。それでも水量がいつもより多かったため、普段よりはスリル度が足りません。それでも子ども達にとっては初めての瀬なので緊張していましたが、逆に喜んでいる子どもたちもいました。 稲垣公園まではおよそ3時間。時折飛び立つ水鳥や、周りの景色を眺めながらのゆったりとしたカヌー旅です。熱中症に気を付け水分補給をし、水を掛け合いながらクールダウンです。目的地の稲垣公園は河川改修で出来た公園で、古い地図には載っていませんので、新しい地図で確認しなければとんでもないことになります。公園に到着後はすぐにカヌーの解体をし、宿泊地である少年の家へ移動です。夕食後、バードコールとリンゴストラップを製作し体験の思い出づくりをしました。


岩木川でイェィー!

唯一の瀬を通過

製作品を手に

4日目(15日)
 今回の津軽地方での目的である十三湖の河口で海を見ることと、気候風土の違いを知るための稲作の観察が、昨日出来なかったため、これから南部地方へ移動する前に確認です。岩木川の源流からおよそ100km近くを移動して、ようやく日本海にたどり着きました。十三湖からは濁った水が日本海に注ぎ、岩木川と日本海がつながっていることが分かります。津軽平野の北部に位置するあたりの水田で、稲作の観察です。稲の穂は垂れ下がり、中にはコメの実が出来ていました。これから戻る南部地方の水田でどれだけ違いがあるのかようーく見ておきましょう。移動後はまずマイ箸作りです。キャンプの基本である自分の使用する道具は自分で作るということで、貴重な青森ヒバを使った世界に一つのマイ箸。それが終わったら夕食作りとドラム缶風呂の用意です。それぞれ分担しながら作業にかかり、美味しいカレーとドラム缶で沸かしたお風呂の完成です。


日本海へたどり着きました

マイ箸の完成

皆でドラム缶風呂

5日目(16日)
 今日はたまった洗濯物の洗う日と、子どもたちの発案によるアクティビティーの実行です。その前に昨日立てれなかったテントの設営が待っています。初めてテントを設営する子どももいるので、スタッフの人たちに手伝ってもらいながら自分たちのすみか作りです。そのあとは子ども発案の“かいぽぽ”、まき投げゲームの“クッブ”そして昼食。午後は本邦初公開のトラックの荷台を利用した“荷台でプール”。トラックの荷台をシートで覆い、その中に水を貯めて子どもたちが入り、トラックは校庭をゆっくり回るというもの。止まるたびに水が移動し子どもたちはおおはしゃぎ。今日一番の体験です。クールダウンした後は、南部地方のコメの観察。津軽地方の稲とは違い、穂の形になってはいるものの、中身は入っていず空洞でした。津軽地方と南部地方の気候の違いは色々ありますが、特に夏場は“ヤマセ”の影響で日照不足と冷夏があります。子どもたちにそのことを伝えると、“ヤマセ”のせいでコメの育成が悪いということになり、気候風土の違いを理解できたようでした。夜はまたドラム缶で沸かしたお風呂に入り、一日の汗を流しました。


まき投げゲーム“クッブ”

“荷台でプール”

稲穂の観察



速報レポート1
速報レポート2

■別年度のレポート
2017年度 小川原湖冒険キャンプ・自作カヌーで小川原湖横断! 実施レポート
2008年度 小川原湖まるごとエコ・防災キャンプ 実施レポート

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