NO団体名主な企画内容
18 魚沼市立須原小学校(新潟県) 「魚沼の四季の自然とふれあうわくわくの時間 ~生活の時間を利用して~」
事前学習で地域の「自然」の違いを学んだあと、年間プログラムを通して、魚沼の四季の自然の移り変わりを実感させ、自然と共生できる心豊かな子どもたちを育むことを目的とした体験学習。

速報レポート2 わくわくの時間・秋 ~自然の中を歩いてみよう、摘んだハーブでハーブティーを飲んでみよう~

事前学習:①9月2日(水)13時55分~・生活科の時間
     ②9月4日(金)14時~・生活科の時間
実施日時:9月9日(水)9時~11時
場所:越後ハーブ香園入広瀬・須原小学校
参加者:須原小学校1・2年生(32名)・教頭・学年担任1名・サポートスタッフ2名
    教育実習生1名
講師:ハーブ香園ヘッドガーデナー・ハーブ香園スタッフ・地域おこし協力隊
事前学習①

9月2日 1年生の生活の時間に須原小学校において、夏休み前に行った「ハーブこうえん」がどのようになっていたかを思い起こす復習を行いました。
先生の手書きによる模造紙の白地図を、春・夏の2枚用意して、写真と雪代わりの紙ふぶきを手に持ちながら、地図のどの位置で活動の写真が撮られたものかを一つ一つみんなで確認し 場所がわからないところは、講師として招いた地域おこし協力隊員に手伝ってもらいながら、写真を切り貼りして地図を完成させました。
完成した地図を比較して、どこが違うかを先生が問います。
みんな元気よく手を挙げ、
「桜の花は無くなっていて、緑の葉っぱが生えていた!」
「雪があった時は虫がいなかったけど、夏に行ったらクワガタとか色々な虫がいたんだ」
「春は雪があったけど、夏に行ったときは雪がなかったよ」
と沢山の違いを発表しました。
二つの季節を比べるだけでも、多くの違いに気づきます。
さてさて、秋はどのような違いが見つけられるかな?

事前学習②

9月4日 1・2年生合同の生活の時間に、須原小学校において「わくわくの時間・秋」の事前学習を行いました。
二日前に1年生が制作した地図を使って、2年生とも春と夏ではどこが違うのかを話し合った後、まずは秋の変化について予想してみます。
春と夏で違いがあった木の葉については、
「木の葉は緑のままだよ」
「違うよ、きっと枯れているよ!」
と自分たちの意見を出し合います。
「夏に摘んだラベンダーはどうなっていると思う?」
と言う先生からの問いには、
「枯れていると思う」
と答える子ども達。
他にも
「違う花が咲いているのでは?」
「前に咲いていた花はみんな枯れちゃったのかな?」
「新しい植物が生えているよ!」
など、まだ見ぬ秋のハーブ香園に思いを馳せます。
たくさんの予想が出た後に、「わくわくの時間・秋」にみんなが取り組んでほしい事を伝えます。
秋の取り組みは、「ハーブティーを飲んでみよう」「木に登ってみよう」「夏との違いを見つけてみよう」と、盛りだくさんです。
ハーブティーを飲むにあたり、まずハーブとは何かを説明し、後は子ども達の五感に任せます。
摘みたてのレモングラス、レモンバーム、スペアミント、カモミールと、ドライのレモングラス、ペパーミント、カモミールをそれぞれ子ども達に触ったり嗅いだりしてもらいました。
「うわ!臭い!」
「これ、とっても良い匂いがする」
普段触れる事のないハーブに触って、子ども達もみんな笑顔。
そのまま嗅がずに、葉をこすると良い香りがする事も教えます。
また、ツリークライミングについては、皆が見てきた「ブナ」の木に登ること、安心・安全に登れること、速く登ったり高く登る事が目的ではなく、木を近くに感じ、いつもは見られない視点から木や周りの景色を楽しむことを、写真を見せながら伝えました。
話を聞いた上で、「自分はハーブこうえんで〇〇がしたい」を一人一人見つけて紙に書きだしてもらいます。
「木登りで高いところまで登りたい」
「虫を発見したい」
「ハーブティーを飲んでみたい!」
たくさんの、○○したいことが溢れていました。

学習当日

台風18号による風の影響により、朝の段階でツリークライミングは延期となりました。
木登りを楽しみにしていた子ども達は残念がりましたが、自然を相手にした時に、危ないか危なくないかを決める判断をすることの大切さを伝えられたと思います。
最初は全員で、春と夏に見た、桜の木の変化を見つけます。
春と夏の写真を見せて、どこが違うかを観察してもらったところ、たくさんの違いに気づきました。
「葉っぱが少なくなっている!」
何で少なくなっているの?
「紅葉して落ちたからかなぁ?」
木の根元を見ると、確かに落ち葉が落ちています。
夏の写真を見て、新しい植物が生えた事にも気づきます。
「小さくてわかりにくいけど、写真にも植物が写っているね。
前に来た時より大きくなったんだ!」
と、大人でも気づかない違いを次々と見つけます。
同じ場所に来て、春夏秋冬の違いを見つけ、肌で感じる事の面白さ、大切さを感じた一コマでした。
夏に発見した『ネムノキ』には、豆のようなさやがぶら下がっていて、中を開けると豆が入っていました。
どこかで見た形だね?ネムノキはマメ科の植物なのかな?
探求は尽きません。

合同散策が終わった後、1年生と2年生はハーブティー班と園内散策班に分かれて。
ハーブティーは、ハーブ香園のヘッドガーデナーがそれぞれのハーブ(レモンバーム・レモングラス・ペパーミント)の説明をします。
においを嗅いだときは良い匂いがしたけど、実際お湯で抽出してみると…?
「まずい!」
「美味しいのもあるよ」
味覚がまだ未発達な子ども達なので、意見はさまざまでしたが、また一つ新しい味を覚えたと思います。
同じ種類のハーブをフレッシュとドライで入れる事で、香りの違いにも気づけたようです。

園内散策はきのこが豊富でした。
かさの裏が真っ黄色なきのこは変な臭いもして「きっと毒キノコだね」と分析。
夏に虫を沢山見つけた山道では、バッタやコオロギを見つけ、むかごや栗、ヤマボウシなど秋らしい実りも見つけました。
風雨が強まる中、夏にラベンダーを摘んだ庭には、まだ少しだけラベンダーが咲き残りしていました。
「でも、やっぱり枯れているね」
冬に向けて、このラベンダーはどのようになっていくのでしょうか?
今回の活動を通して印象に残ったことは、
「ここに来ると楽しい事がたくさんあるね!」と言った、子どもの言葉です。
そう、楽しいことは四角い画面の中だけじゃない。
何も無いと思っていたところから楽しみを見つけられてこそ、心から楽しいと思えるし、
そもそも人間は自然の中から楽しさを見つける本能を持っているのだなと改めて感じました。
もう一人、将来花屋さんになりたいと話してくれた子がいました。
色々な花に興味を持っており、一つ一つの花の名前を聞いていました。
今から将来の夢の実現のために、活動で知り合ったハーブ香園のヘッドガーデナーやハーブ香園という場所を最大限に利用して欲しいと思います。

ふりかえり

9月10日、雨の中散策してきたハーブ香園での活動を、須原小学校の卒業生で、教員を目指している教育実習生が、子ども達と一緒に活動したことを振り返りました。
ハーブ香園で見つけたものを子ども達に挙げてもらうと、落ち葉やきのこ、どんぐり、栗など、園内には小さな秋が沢山落ちていたことがわかりました。
自分達の知った秋のハーブ香園を、家の人や地域の人達に見て伝えられるように、大きな模造紙に写真を貼った地図と、絵を描いたポスターを制作しようと決まりました。
地図制作は、活動の写真を切り貼りしながらみんなで場所を確認して貼っていきます。
ポスター制作の子ども達は、色鉛筆で思い思いの秋のハーブ香園を描きました。

残るは冬。
10月と言えばまだ秋のイメージが強く、冬の準備には少し早いのでは?と思われるかもしれませんが、魚沼では早ければ11月にも雪が降ります。
そんな、早く来る冬を知ると共に、今まで見てきた春・夏・秋の植物や虫たちがどうなっていくのか?
子ども達の好奇心から目が離せません。

事前学習①


春と夏はここが違うよ!あ、本当だ!

みんなで行ったハーブこうえん。どんなところだったか一生懸命思い出します。


事前学習②


1年生が制作した地図を見て、春と夏の違いを見つけました。

みんなで考える、秋のハーブこうえんの予想。

フレッシュハーブとドライハーブの違いを確認してもらいます

学習当日(園内散策)


桜の木は、前とどこが違うだろう?

夏の写真と違うのは、あそこじゃないかな~?

葉っぱについた何かの卵発見。育ててみよう!



ネムノキの鞘を開けたら、豆が出てきたよ!

このきのこ、ものすごく臭い!!


葉っぱで傘~♪

この木、ぶら下がれるよ!

ラベンダー、少し花はあるけど枯れているね。

学習当日(ハーブティー)


フレッシュとドライのハーブが並びます。

味はどう?「う~ん…」

ふりかえり


見つけたものを、地図とポスターにまとめてみよう。

えーと、あそこはどんな感じだったかな? 




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