NO団体名主な企画内容
18 魚沼市立須原小学校(新潟県) 「魚沼の四季の自然とふれあうわくわくの時間 ~生活の時間を利用して~」
事前学習で地域の「自然」の違いを学んだあと、年間プログラムを通して、魚沼の四季の自然の移り変わりを実感させ、自然と共生できる心豊かな子どもたちを育むことを目的とした体験学習。

速報レポート4 わくわくの時間・冬~木に登ってみよう 約半年間雪の下に眠る植物たちは、どのように冬の準備をするのだろう~

事前学習:10月16日(金)14時5分~・生活科の時間
実施日時:10月20日(火)9時~14時
場所  :越後ハーブ香園入広瀬・須原小学校
参加者 :須原小学校1・2年生(31名)・学年担任2名・サポートスタッフ2名
講師  :ツリークライミングインストラクター5名・ハーブ香園ヘッドガーデナー
     ハーブ香園スタッフ2名・地域おこし協力隊
事前学習

いよいよ最後の『わくわくの時間・冬』が迫った10月16日、生活の時間を利用して事前学習を行いました。
まず、子ども達に冬に近づいたハーブこうえんで何がしたいかを問いかけます。
「葉っぱや植物などを観察したい」
「またハーブティーが飲みたい!」
「体験を絵に描きたい」
色々とやりたいことが挙がった中でも、子ども達が一番楽しみにしているのが秋の体験でできなかった『ツリークライミング』です。
「木のぼりしたい!」
という声が、多く聞かれました。
夏~冬にかけて、植物を乾燥させて形を変えて楽しむ事も知ってもらおうと、夏に摘み取ったラベンダーは、学校のピロティで陰干しし、乾燥させていました。
摘んだラベンダーを乾燥させるとポプリが作れるという話をした後、乾燥して濃厚な香りがするラベンダーの花をとる作業に取り組んでもらいました。
とり始めると、教室内はラベンダーの香りでいっぱい。
心癒される香りに包まれながら、「かわいい匂い袋が作りたい」と期待をふくらませる子ども達の目は輝いていました。

冬の体験のポイントは、春・夏・秋と見てきたハーブこうえんの植物たちが、11月の後半くらいから約半年間雪の下に眠るためにどのような準備をするのかということ。
今回は夏の活動で摘み取りを行ったラベンダーの冬の準備を教えてもらいます。
「ツリークライミング」「ラベンダーの刈り込み作業」「匂い袋づくり」と、春・夏・秋の集大成を冬の活動にしていきます。

学習当日

今回は1・2年生合同で3班に分かれ、それぞれの体験をしていきます。
ラベンダーの刈り込み作業班は、今までの活動でも行っていた、同じ場所から見る園内散策から始めました。
春、雪の上で見た桜の木の下は、きれいな黄色の葉、緑から黄色になりたてのような葉など、色々な落ち葉でいっぱいになっていました。
落ちたての落ち葉を拾ったり、不思議なこぶのできた枝を拾ったりと、すべてが子ども達の大切な宝物になっていきます。
「夏や秋に比べると、あんまり虫に出会わないね」
と子ども達に尋ねると、どこからかイナゴやキリギリスを見つけてきました。
夏や秋に見たナメクジはどこだろう?
「ナメクジ見つけたよ!」
秋口に元気に活動していたナメクジは、枯れた木の皮の裏側にいました。
もう、虫も冬支度でしょうか。
今年はブナの実のなり年で、たくさんのブナの実が足元に落ちていました。
「ブナの実は熊の大好物だから、今年は熊をいっぱいにして島民できるね」
と、子ども達に伝えました。

夏にラベンダーを摘んだ庭に行くと、花が落ちた茎が伸びているラベンダーの株がありました。
ハーブ香園のヘッドガーデナーから「ラベンダーを今ある高さの半分くらいに刈り込みします。そうする事によって、春雪がとけた時に、新しい芽が出て、また来年も綺麗なラベンダーが咲くのですよ」と教えていただきました。
来年きれいな花を咲かせるために、子ども達の刈り込み作業は責任重大。
一人一人ハサミを持ち、丁寧にカットしていきました。
枝を切ると、ふわりとラベンダーの香りが立ち込めます。
夏からお世話になったラベンダーは、子ども達の手によって、来年も綺麗な花を咲かせることでしょう。

ツリークライミング班は、ツリークライミングインストラクター指導の下、まずは登らせてくれるブナの木にタッチしてあいさつ。
「今日はよろしくお願いします!」
安全な登り方を教わった後、いざ木のぼり。
早く高く登る子、高いところが苦手でゆっくり登る子、色々な子がいましたが、ツリークライミングの目的は、木を身近に感じ、友達になり、自然を大切にする心を育むことにあります。
また、自分の力で登る事により、自立心も芽生えます。
最近では木に登る子も見かけなくなりましたが、ロープを使って安全に登りながら、普段では見られない目線から木を見て観察できた子ども達の心には、ただのブナの木ではなく、自分を登らせてくれたブナの木としてしっかりと心に刻まれたと思います。
登り終わった後も、木にタッチして登らせてくれたお礼を言います。
「登らせてくれてありがとう」
もう少し大きくなったら、ブナの木は雪どけのお水をたくさん根元に蓄えて、みんなの住む魚沼の地を自然豊かにしてくれている事を教えてあげたいです。

匂い袋班は、事前学習で摘み取った花を綿に包み、布の袋に入れてリボンで縛る作業を行いました。
作成中には、やはり濃厚なラベンダーの香りが漂います。
「ラベンダーはね、香りがしなくなったら揉むと良い香りがするんだよ」
と、早速発見した子ども達に教えてもらいました。
知らない事も、体験を通して経験することで知識が深まります。
たくさんできたラベンダーポプリをいかして、今回の活動を通してお世話になった方々にも匂い袋をプレゼントする事にしました。
子ども達の小さな手で作られた匂い袋をもらったハーブ香園のスタッフの方々からは
「今まで準備が大変な時もあったけど、すべて吹き飛んだ」と喜んでいただけました。
地域のたくさんの大人にも支えられた今回の活動は、まだまだ狭い子ども達の世界が少し広がり、多くの学びをもたらしたように思います。

『わくわくの時間・冬』は時間を拡大し、お昼は景色の良いハーブ香園内の展望休憩所で
「チキンラーメン」をいただきました。
自宅から持ってきたおにぎりと一緒に、雄大な景色の中で仲の良い友達と一緒に食べる「チキンラーメン」は、特別な味わいだったに違いありません。
「チキンラーメン美味しかったです!ごちそうさまでした!!」

ふりかえり

お昼を終えた後、学校に戻ってふりかえりを行いました。
今日の活動を通して印象に残ったことを言葉や絵で表現します。
匂い袋づくりが楽しかった子、スタッフと仲良くしてもらえて嬉しかった子、お友達と遊んだことを言葉にする子もいました。
ツリークライミングで登った木の葉っぱ黄色で描いた子は「紅葉が綺麗だったから」と
話してくれました。
子ども達にとっての自然体験は、楽しみの中にもさまざまな学びがある事によって「無くしてはならないもの」という気持ちが育まれていくと思います。

四季を通して通ったハーブ香園を離れる時、寂しさから泣いた子がいました。
活動を終えた数日後、自分の作った匂い袋を握りしめて、家族でハーブ香園を訪れた子がいました。
32人の友達と経験した一年間の自然体験の記憶は、色あせることなく心の奥の大切な宝物として、これからも子ども達の心の中で光続けることでしょう。


秋と何が違うかな?

綺麗な落ち葉見つけたよ!

穴から何が見えるかな?


これ何だろう?

ホオノキの実だよ。種がこぼれた後だね!

ナメクジ見つけた!


今年はブナの実が豊作です

この落ち葉、今落ちたてなんだよ!

ラベンダーの刈り込み方を教わります


ハサミにドキドキ 綺麗にカットできるかな?

子ども達が刈り込んでくれたおかげで、来年もきっと綺麗なラベンダーが咲きほこります

よいしょ!よいしょ!気持ちいい~!


リボン結ぶのが難しいなぁ

ラベンダーとっても良い香りだね

大自然の中で「いただきます」


チキンラーメン美味しかったよ!

楽しかったツリークライミング

みんなそれぞれの心に残る一枚が描けました



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