NO団体名主な企画内容
12 猛禽類保護センター活用協議会(山形県) 「自然に見る庄内の現在、過去、みらい」
昆虫採集を通して命の尊さ・儚さを知り、県指定文化財「両羽博物図譜」より先人の観察眼を学び、鳥海山でイヌワシを保護するために戦った人々の活動と、未来のために現在行われている森林施業を知ることで、現在・過去を学習し庄内の未来を思い描く。

速報レポート1

実施日時 平成29年7月22日(土)8:00~14:45
開催会場 鳥海イヌワシみらい館~鳥海高原
参加者  講師:庄内昆虫同好会
    (遠藤弘夫、櫻井俊一、白幡大介、大瀧隆幸、大瀧詠司、門脇まゆ、安喰幸則)
     高嶋清明(昆虫写真家)
     長船裕紀(希少種保護増殖等専門員)
     酒田市環境衛生課:芦野智哉
     猛禽類保護センター活用協議会:本間憲一、村上絹子
     一般参加者:大人12名 子供18名 合計30名 ※当日大人1名キャンセル
開催内容

7:30 スタッフ集合 打ち合わせ
8:00 開会(鳥海イヌワシみらい館 会議室)
    挨拶(酒田市、環境省、講師自己紹介)
    日程説明、活動の注意点説明
8:15 屋外活動の準備
8:30 A班、B班に分かれて活動開始
   ライトトラップ、バナナトラップを回収しながら目的地を目指す
10:15 降雨のためフィールドにある「あづまや」にA班B班合流し雨宿りする。
    あづまや内で櫻井俊一氏より水棲昆虫の話を聞く
10:50 雨足が強くなってきたので外での活動を中止し、保護者の車で鳥海イヌワシみらい館へ移動する。 
11:00 鳥海イヌワシみらい館会議室にて、高嶋清明氏による昆虫のお話を聞く
12:00 昼食
12:40 採集してきた昆虫を使って標本づくり
14:00 長船裕紀氏より生態系「庄内の環境のいま」のお話
14:30 イベントのまとめとアンケート記入
14:45 解散

イベント終了後の振り返り

反省・意見

  • 天候が不安だったがフィールドに出られてよかった。今後もこうした活動ができればよいと思う。
  • 特に問題になってはいないが、ウルシに弱い子もいるので、下見の段階で見つけたら切っておいても良かったと思う。
  • 標本づくりが「チョウ、トンボ、甲虫類」と詰め込みすぎた感があった。内容を絞って短い時間でまとめられると良かったのではないか。甲虫のみでもよかったのではないか。
  • 大人と一緒にできて子供たちは良い思い出になったのではないか。年齢を分けたメニュー作りをしてはどうか。
  • 雨具を持ってきてもらうのを伝え忘れてしまった。また服装も半そで半ズボンの子もいた。
  • 展翅板などの道具を作るようなイベントにしても良かったのではないか。
  • 事故やけががなく良かった。

近年では各地のイベントとして開催されることが少なくなってしまった「昆虫採集」から、環境の「いま」を、実際に手に触れられる形で体感してもらうことができた。当日は今にも降り出しそうな曇り空だったが、2時間ほど外で採集活動をすることができた。チョウやトンボを直接網で捕まえて、前日にスタッフが仕掛けたライトトラップやバナナトラップでもミヤマクワガタやノコギリクワガタなども採集することができた。クワガタムシはホームセンターで買うものという現代の子供たちにとって、自然の中で採集できたことは物以上に大きな収穫になったのではないだろうか。午後から行った子供たちが実際に捕まえた昆虫を、自らの手で命を奪い標本にするという体験は、将来どこかで役立つことを期待する(採集と標本が決して猟奇的で残虐であるような行為としてではなく、理性のある行為として伝えている)。作業が細かいところもあり、子供だけでは難しいところもあったが、大人も協力して標本づくりをしたことは、親子の良い思い出作りになったと思う。こうした命の授業を通して環境について学ぶ機会を作れたことはよかったと感じている。
昆虫写真家の高嶋清明氏によるスライドを使ったお話では、ハムシの小競り合いや、チョウの幼虫からさなぎになるまでの脱皮の様子とその際の気門など、肉眼では確認できないような映像をプロの映像作家によるミクロの世界で紹介いただき、また虫の声なども紹介していただいた。長船裕紀氏のお話では、昆虫の生態系における役割と、庄内地方の現在の環境や最近庄内海岸にある鳥類の巣で生息が確認された「アカマダラハナムグリ」についてもお話しいただき、庄内地方の自然について理解を深めてもらった。
終了後のアンケートと、後日届いた参加者の感想からも概ね良い意見が多かった。貴重な体験だったことや、昆虫に対する見方が変わったなど、また大人にも捕虫網を持たせてイベントを開催したことで、子供だけでなく大人も夢中になって楽しむことができたことが良かったとの意見をいただくことができた。
参加者には標本箱を配布し、2週間乾燥させたのち標本箱に収めるように伝えた。作った標本は夏休みの自由研究として提出するという子供もおり、現在アフターフォローも行っている。
公益財団法人 安藤スポーツ・食文化振興財団様より支援いただき、必要な道具類を準備することができたことに感謝申し上げます。

【参考】観察会への要望やご意見

  • 昆虫が大好きな息子に、昆虫が大好きな大人の方から教えていただく機会を求めていました。ぜひ来年も参加させていただきます。
  • 途中で雨が降って残念でした。もっと昆虫採集したかったです。
  • むしつかまえたのしかったよ。
  • 楽しかった。
  • もう少し昆虫採集の時間を長くしてほしい。
  • ひょうほんがおもしろかった。
  • ミヤマクワガタが見れて良かった。
  • A班とB班で(事前に仕掛けた)トラップに差が出てしまって残念だったがそれもまた自然相手のことなので面白いところだと思う。
  • 雨が降ってしまって大変残念でしたが、とても楽しく時間を過ごせました。子供もとても良い経験ができたと思います。様々準備運営いただき大変ありがとうございました。
  • 小学校低学年には少し長いかもしれない。標本制作は大人でも楽しめた。子供も楽しんでいたと思う。
  • ミヤマクワガタが見れてうれしかった。昆虫採集楽しかったです。
  • 昆虫を探す、採集のための散策が楽しかったです。
  • 丁寧に説明していただきありがとうございました。室内での講座も有意義でした。






















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■別年度のレポート
2023年度 見る!作る!鳥海山(ちょうかいさん)の野鳥とSDGs 実施レポート

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