NO | 団体名 | 主な企画内容
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名古屋大学博物館(愛知県) |
「愛知県の石「ピッチストーン」ってどんな石?自然と歴史のフィールドセミナー」 河原でピッチストーンを採取し、ピッチストーンで石器づくりを行ない、巨大ピッチストーンの露頭までハイキングする。野外活動体験を通して、郷土の自然や歴史に対する興味と理解を深めてもらうプログラム。 |
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速報レポート1
実施日:2017年8月26日(土)〜27日(日)
場所:名古屋大学博物館(26日)、新城市鳳来寺山(27日)
参加者:小学生(7名)、中学生(5名)、高校生(2名)、保護者(11名)、一般(6名)
指導者:12名(名古屋大学・名古屋市科学館・愛知大学・金沢大学の教員、学芸員、研究員、学生)
活動内容
8月26日(於:名古屋大学博物館)
・松脂岩の観察
・松脂岩と火山の関係に関する講義
・松脂岩のできかたを理解する実験
・火山ガラスの石器づくり体験
8月27日(於:新城市鳳来寺山)
・旧花垣鉱山の露頭で火山岩の見学
・玖老勢の河原で松脂岩の観察
・鳳来寺山自然科学博物館の見学
・鳳来寺山山頂の鏡岩(松脂岩)の観察
※名古屋大学博物館を集合・解散の場所とし、現地へは大型バスを借りて参加者の引率を行いました。
主な活動の報告
8月26日(於:名古屋大学博物館)
松脂岩と火山の関係に関する講義
松脂岩(英語でピッチストーン)は、日本語で「松脂(まつやに)」、英語でも「樹脂やタール、アスファルト」を意味するピッチという語が使われています。それは、ツヤのある見た目にちなんで名づけられたためであり、松脂岩が樹木からできたことを意味するわけではありません。松脂岩のツヤは、黒曜石などと同じように火山ガラスであるための特徴である。つまり、溶岩が冷えてできた火山岩の一種である。こうした内容の講義を行いました。
博物館の実験室で講義をしました
松脂岩のできかたを理解する実験
溶岩が冷えて松脂岩のような天然ガラスができる様子を体感するために、簡単な実験も行いました。溶岩を冷やして岩石をつくる実験はできないので、砂糖とエリスリトール(甘味料食品)を溶岩に見立て、溶かした砂糖とエリスリトールを冷やして固める実験を行いました。サラサラしているエリスリトールは固まると結晶ができるのに対し、ネバネバしている砂糖は固まるとガラス質になることを体験してもらいました。
実験の様子、どちらがガラスっぽい?それはなぜ?
火山ガラスの石器づくり体験
松脂岩のような火山ガラスは、割れるとその破片には鋭い刃ができます。この性質を利用して、天然のガラス質岩石はナイフの材料として古代に用いられていました。古代の人々の道具として欠かせなかった石器がどのように作られるのかを知るために、松脂岩の仲間の黒曜石を用いた石器づくり体験を行いました。
真剣にハンマーをふるう参加者
当日は中京テレビの取材をうけ、石器づくり体験が報道されました(自分で作った石器で紙や革を試し切りする様子)
8月27日(於:愛知県新城市鳳来寺山)
新城市鳳来寺山での野外観察
松脂岩は、愛知県新城市の北東部に位置する鳳来寺山の周辺で見られます。全国的にも珍しく、この地域でみつかる特徴的な岩石なので、愛知県の石に選ばれました。この地域では、1500万~1600万年に火山活動が活発となり、その溶岩や火砕流、火山灰などからできた岩石が多く残されています。その露頭観察を行いました。
旧花垣鉱山の露頭で火山岩を見学した様子
鳳来寺山近郊の河原でのピッチストーン採取
元々は山にあった松脂岩が崩れて川に流されてきます。そのあいだに角がとれて丸くなった松脂岩を玖老勢の河原で採取しました。
鳳来寺山山頂の鏡岩(松脂岩)の観察
鏡岩は鳳来寺山の山頂付近にそびえ立ち、鳳来寺山の象徴ともいえる大きな岩壁です(高さ70m、幅200~250m)。このほとんどが松脂岩でできています。鏡岩を間近で観察し、それが形成された火山活動のスケールの大きさを体感してもらいました。
鏡岩(写真左側)を見学する参加者の様子。
アンケートの答え(小中学生)