NO団体名主な企画内容
8 網地島ふるさと楽好(宮城県) 「網地島ふるさと楽好 ~自然体験活動による 愛され、大切にされる記憶の醸成~」
限界集落の社会貢献として子どもたちを招待。おじいちゃん、おばあちゃんと一緒に島で獲ったうにやあわびなどを使った料理、島伝統の魚釣り「アナゴ抜き」、シーカヤック 、獅子踊りなどとことん網地島を満喫するキャンプ。

速報レポート1

実 施 日   2017年8月4日(金)~6日(日)
参加者数   小学生27名
指 導 者   島のお年寄り18名
ボランティア 首都圏・仙台市からの学生ボランティア等17名   
同行施設職員 7名
目的

  • 透き通った海と豊かな森の自然体験や海と生きる島のお年寄りとの生活体験を通じて,虐待や震災で親を失った悲しみを少しでも癒してほしい。
  • 網地島の自然体験験で,子どもの頃の楽しい思い出をたくさん作ってほしい。

迎え入れる準備

 うにやあわびや海藻は,「口開け」といって,取ることのできる日が決まっているので,半年以上前から,島のお年寄りは,迎え入れる準備のため,食材を少しずつ集めていきます。
 来てくれる子どもたちのことを思いながら集めます。
 「マルコ」という貝は,東日本大震災の地盤沈下で,陸地が1.5mも水没したため,6年経った今でもなかなか取れなくなっています。島のお年寄りは,早くマルコが復活し,子どもたちにたくさん食べさせてあげたいなあといつも言っています。

体験内容

8月4日(金) 1日目
7:30  仙台出発
10:00  かつての捕鯨基地「鮎川港」に到着
 海をのぞき込み,魚を見つけて,大喜びでした。

10:00  島のお年寄りがチャーターした船に乗って,網地島に渡る。
 船では,ウミネコにエサをあげる。
 ウミネコのうまい空中キャッチに,みんな驚く。



10:30  網地島に到着。島のお年寄りが出迎え。島のネコも出迎え。
11:00  開校式
 みんな緊張していました。

11:30  昼食・準備・片付け
 島でとれた貝や島でとれた野菜をたっぷり入れたカレーライス。
 子どもたちは,「おいしい,おいしい」と言って,何回もお替りします。



13:10  網地白浜でのシーカヤックやライフジャケットを着た海水浴
 シーカヤックは,昔の子どもたちが使った小舟の代わりになる体験です。シーカヤックは,海を身近に感じることができる舟です。子どもたちは,初めは,漕ぎ方が分からず,思うように進むことができませんが,子どもたちは,すぐにコツを覚えて,簡単に操作できるようになります。1年生でも,自分が船長であり,自分の判断で操作しなければならないことから,うまくできたときには自信になります。みんな頑張って,操縦し,一人で,岸に戻って来てくれます。子どもたちの諦めない心を鍛えます。
 シーカヤックが転覆し,慌ててしまい,海水を飲んでしまった子どもいます。海の怖さを感じる瞬間です。漁船で子どもたちを見守ってくれていた島のおじいさんが助けてくれました。なかなか船に引き上げるのが,難しく,落ちた子どもも,びっくりしていました。
 初めて着たライフジャケットの浮力に,みんな驚きます。沖の方に泳いで行き,「も   う足が届かないところまで来た。」と自慢します。海の中を見ると,3m以上の深さがあっても,海の底を見ることができます。海の砂の中には,ひらめが隠れていて,子どもたちが踏むと,ムニュとした感覚があります。ひらめは大急ぎで,逃げていきます。


シーカヤック最高

大きな船が来た

シーカヤックが転覆し おじいさんに助けられる


ひらめがたくさんいる網地白浜

16:00  夕食準備
 おばあちゃんたちが,あじ,鮭,いか,カツオ等の魚をさばいて行きます。ふだんは,切り身になっている魚しか見ていない子どもたちは,台所で,おばあちゃんたちに,「この大きな魚の名前は?」といろいろな質問をします。あじは,網地島の大謀網からもらいまいた。大謀網では,年に何回か,島の人たちに,魚を無料配布します。無料配布が島内放送されると,バケツや鍋を持って,たくさんの人が集まります。これを楽しみにしているお年寄りもたくさんいます。今回は,子どもたちのために,たくさんいただきました。
 島で育てた鮭のちゃんちゃん焼きは,子どもたちにも手伝ってもらいながら,作ります。火おこしは,子どもたちにとって,初めての体験です。煙が目にしみると言いながら,一生懸命にうちわであおぎます。


島のおばあさんたちが魚をさばいてお刺身にします


くじらの脂身のトイ汁

17:00  夕食・感謝状贈呈式・片付け
 児童養護施設では,食中毒の危険があるため,お刺身は出されません。そのため,子どもたちは,ふだん食べられないお刺身をお腹いっぱい食べます。
 今年の網地島ふるさと楽好で,1人の女性に感謝状を贈りました。10年以上前から,ボランティアでも来てくれているかあちゃん(ニックネーム)です。かあちゃんは,先生を目指していましたが,なれませんでした。しかし,網地島ふるさと楽好のボランティアを通じて,児童養護施設の子どもたちのことを知り,その先生になりました。子どもたちに慕われる,明るく元気な先生です。今年の夏,このふるさと楽好に,児童養護施設の子どもたちをたくさん連れて,網地島に戻って来てくれました。施設の雰囲気も明るく楽しく,一変させた,すばらしい先生になっていました。その生き生きとした様子に,島のお年寄りたちも,たいへん喜んでいました。
 小さな島の小さな楽好ですが,多くの人を結び,それぞれの幸せを高めてくれていると思います。


みんなで運びます

豪快にうにを配ります

うにが動いている


食べられた後も動くのでタワーに

18:30  Tシャツへのロゴ「網地島ふるさと楽好」の印刷
 自分で印刷する場所を決めて印刷します。自分だけのTシャツを作ります。でき上ると,宝物を得たような表情になります。


どこにプリントしたい

イルカさんのマークが上手にできた

19:30  キャンプファイヤー・花火
 島のおじいさんが,山から取って来た枯れた松の木や杉の葉っぱを持って来て,キャンプファイヤーをします。炎は,2m以上の高さになります。子どもたちは,みんな大喜びです。ふだんは,火を間近に見ることがないため,火の怖さを覚えます。火は,一様に燃え続けるのではなく,わずかな風で,方向が変わり,生き物のように襲って来ます。煙も囲まれると,目にしみて,とても痛いです。そういったことも,子どもたちは,体験から学んでいきます。
 花火は,ここでしか体験できないので,子どもたちは,大喜びです。

21:00  就寝
 早起きすると,カブトムシやミヤマクワガタやノコギリクワガタがたくさん捕まえられると教えてあげると,みんな素直に寝てくれます。
 島の夜は,海から涼しい風が吹いてくるので,寝苦しくなく,ぐっすりと眠ることができます。



速報レポート1
速報レポート2
速報レポート3

■別年度のレポート
2021年度 限界集落の社会貢献 温かな愛に包まれる心のふるさと~島の自然が虐待孤児の自分を大切に思う心を育む~ 実施レポート

プログラム検索に戻る