NO | 団体名 | 主な企画内容
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NPO法人 里豊夢(りほうむ)わかさ(福井県) |
「里山の自然に触れ、生きる力を育む体験活動~遊びと学びのある活動を通して人間力を高め、生きる力を育む~」 里山の自然に親しむ植樹活動や農業体験、四季を感じられる体験活動を行い、子どもたちに自然の中で過ごす心地よさ、安らぎを味わってもらう。また、異年齢集団による活動を通して、社会的スキルを高め、生きる力や人間力を育む。 |
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速報レポート2 「森のSDGs~森の獣害の実態観察と薪づくり体験~」
活動日: 2024年6月9日(日)
活動場所: 福井県若狭町能登野区地係 里地里山「のとのの里」
参加人数: 小中学生 8人 / 幼児2人 / 大人 6人 / 指導者 7人 / 合計23名
<活動内容>
身近にありながら現代は疎遠で見向きもされない里山であるが、かつては身近な存在で、特に子どもにとっては四季を通して遊びの宝庫であり、生活とも密着していた。里山での遊びを通して意識することなく自然との関わりを学び、人との関わり方も育んできた。かつてのような身近で魅力のある里山にするため、子どもたちの力で豊かな森を作る体験活動を行う。具体的には3年目を迎える「森のSDGs」と設立時当初から取り組んでいる17回目を迎える「ミニ植樹祭(植樹活動)」を実施する。
(1) 森の観察と薪づくり
雑木林の広がる「冒険の森」と植樹地に入り、被害にあった木々を観察し獣害の実態を学ぶ活動と倒木を有用に活用する薪づくりを行う活動である。参加者が低学年の児童中心となったため獣害の調査活動から観察活動に変えて実施した。子どもたちは樹皮が剥ぎ取られて間もない獣害にあった木を触ったり、倒れている木を観察して獣害のひどさを実感していた。植樹地では、ボランティアの大学生が自分の植えたヤマモミジの上部がなくなっていることに注目させ、1本1本の植樹木を守るために取り付けた1m80cmの獣害ネットでも完全に守ることができないなど獣害の実態を説明していた。子どもたちは他の植樹木を見て回り、深刻な獣害実態を学んでいた。
獣害の観察後、獣害によって枯れた倒木を森から引きずり下ろして玉切りし、薪づくりを行った。自分で作った薪は、自分で薪置き場まで運んで積み上げるまで行った。
(2)ピザづくりと昼食
小麦粉を練って生地づくりから本格的なピザを作る活動で昼食のメインメニューである。幼児を含め参加者一人一人が自分で作って食べるピザであるため、満足感もあり最も人気の高い体験活動である。活動は、スタッフの指示は一切なく、自然発生的に生まれたリーダー的存在の子どもたちがお湯の準備や塩・オリーブオイルの配布、ピザソースやチーズの準備など率先して取り組んでいる。ただ、500℃近くに熱したピザ窯の管理と焼き上げる活動は、危険が伴うため専従のスタッフが行っている。
活動は生地作りから始まり、時間をかけて発酵させる。発酵し2倍以上に膨らんだ生地をほぼ円形に伸ばし、各自が持参した好みのトッピング材料をのせていく。
500℃近くまで上がったピザ窯でスタッフが焼き具合を確認しながら焼き上げる。
焼き上がったピザをメインに昼食タイム。里山の自然の中で食べるとおいしさが増し、幼児も1枚のピザをしっかり平らげる。
(3)フリータイム
ピザ道具の後片付け後、約40分のフリータイムを持った。この活動は、自然発生的に生まれた活動で、そこにはかつて路地裏や空き地、身近な里地里山の自然の中で過ごした異年齢集団による遊びの場である。少子化で異年齢で遊ぶ機会がほとんどない子どもたちにとって貴重な時間となっている。
昼食を終えると3年生の子どもが幼児を誘って走って向かったのはブランコである。幼児優先でブランコ遊び楽しんでいた。芝生広場では、10年以上前の手作りし、既に役割を終えているミニジップラインで芝生の上を滑り降りる遊びを作り出し、失敗して転げまわることを楽しんでいった。子どもならではの楽しい、有意義な時間を過ごしていた。子どもは遊びの天才である。
(4)クラフトづくり
薪づくりに使った倒木は硬かったためのこぎりで切るのに苦労していた。細い木は何とか切っていたが、腕ぐらいの太になると腕が疲れ、止める子も出てきた。小さい子にとっては活動を楽しむのではなく、やらされている感が強い活動となったため、フリータイム時に親と午後の活動について相談した。親からはできれば子どもたちが熱中するクラフトづくりさせたいとの要望が多くあり実施することとした。
活動内容は、グルーガンを使ったモノづくりとラミネートを使った押し花などを自分のやりたいものを選び実施した。両方とも取り組んだ子どももいた。
<子どもたちの感想>
・たくさんの木の皮が食べられていた。なんで鹿がこんなひどいことをするのか分かったが、でも木かわいそうに思った。(小1年)
・冒険の森に入ったら鹿の糞がたくさんあったので、たくさん鹿がいることがわかった。鹿はかわいいと思っていたが、こんなに悪いことをすると嫌だなと思った。(小2年)
・せっかく植えた木が鹿に食べられている様子を見て、とても残念に思う。食べられている木は、山桜やヤマモミジなどでクヌギやヤマグリの木は被害にあっていなかった。2年まえから活動に参加して、ミニ植樹祭で2回ともクヌギの木を植えたが、なぜ同じ木なのか不思議に思っていたが理由がわかった。(小6年)
・竹は切れたが、木は切れなかった。お母さんに助けてもらって切った。(保育園年長)
・家でもピザを作るようになり、今日のピザは、完璧と思うほどうまく作れ、今までで一番美味しかった。MMネット(地元のケーブルネット会社)のお姉さんにピザの作り方を教えて、お陰でおいしいピザができたと喜んでもらえた。(小5年)
・予定になかったクラフトが行われ、初めてラミネートを使った。きれいにできたので部屋に飾ります。(小2年)
速報レポート1 「農業に親しむ」 田植えとサツマイモの苗植え
速報レポート2 「森のSDGs~森の獣害の実態観察と薪づくり体験~」
速報レポート3 「水あそび~竹細工と流しソーメン~」
速報レポート4 「植樹とサツマイモの収穫」
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