NO | 団体名 | 主な企画内容
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ひょうご自然教室(兵庫県) |
「子どもたちが感じる山・川・人暮らし〜地元兵庫と徳島の山村の比較〜」 簡単にどこでもできる自然度調査であったり、昔は杉を上流から下流まで運んでいた「杉の1本乗り」が、どうして今はできなくなったのか?など専門的な事まで、川と山、人々との関わりなどを比較する。 |
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速報レポート2
実施日 8/20(金)-8/24(火)
実施場所 徳島県那賀郡那賀町木頭 北川ー出原周辺
参加者 小学生 17人
中学生 1人
引率リーダー:11人(社会人4人、大学生6人、高校生1人)
活動概要
徳島県を流れる清流「那賀川」の上中流域にあたる、徳島県那賀郡那賀町木頭で観察や川遊びを通して川の調査を小学4年生を基準に低学年班と高学年班に分けレベル別に行った。
具体的には、前回兵庫県の長谷で行った内容と同様に
・潜ってお互いが見える距離から透明度を測る
・川にすむ魚たちを網で捕獲したり、一緒に泳いで見ることからその川に生きる魚の種類と数(割合)を調べる
・川原から見える景色から川と人々の暮らしの関係性について考える
・体感水温と実際の水温を測定し川の流れと温度の関係を考える
といったことを以下に示すB6サイズの観察カードを用いて、ワークシート形式で行い、記録した。
また、今回はさらに宿泊を伴うため、時間があったので、
・河原で水温と気温を測る際に、河原の石の温度を測定
・土砂崩れが多い地域なので、なぜ土砂崩れが起こりやすいのか?、どんな場所でどんなものが崩れているか?を調査
・現地の暮らしの体験として林業体験、お話を聞く
といった事も行った。
もちろん、兵庫県の市川でも行ったように瀬や淵での遊び、巨石の上からの飛込み・滑り降り、浮き輪に乗って流れる、といった体験も行い、子ども達自身の体に、県外の川として那賀川を記憶してもらい、前回の市川との違いについて考えてもらった。
詳細スケジュール
1日目
9:00 明石集合、バス乗車
14:30 木頭着、間伐のお話を聞く→間伐体験
16:00 流しそうめんを頂く、40分ほど歩いて宿泊場所の北川公民館へ
17:00 到着後お風呂に入ってから夕食
21:00 1日のまとめを各班で行い就寝
2日目
7:00 起床、朝食
9:00 檜の丸太、竹、かずらを用いて筏作り。現地の人に作り方の手ほどきを受ける。
10:00 筏完成、筏に乗って川を流れる。檜の筏と竹の筏で浮き方の違いなど感じながら存分に遊ぶ。
※昔の杉の一本のりについても現地の人に話を聞くことができた。ダム、治水。
ここから班別行動
高学年
11:00 キャンプ地まで歩く、到着後昼食
13:00 那賀川上流域の高の瀬境で魚とりの仕掛けをしたり、川を遡ったりするも、にわか雨のため撤退
14:30 予定より早いが、竹細工にとりかかる。夜に使う箸や皿、竹とんぼ等を作った。
16:00 全員で夕食を作って、竹箸で食べた。
19:00 テントを立ててからナイトハイク。夜の虫観察、星空観察、月の明るさだけで歩く、オバボタルの観察を行った。
21:00 就寝
低学年
11:00 いったん昼食のため公民館に戻り昼食
13:00 別の河原へ向かうもにわか雨で撤退、散歩。現地の方に吊ったアマゴをたくさん頂く。
15:00 昼寝をしてからお風呂に入り夕食
18:30 ナイトハイクへ。夜の吊り橋を渡る。
21:00 1日のまとめをしてから就寝。
3日目
高学年
7:00 起床、朝ご飯
8:00 テントを片付け、仕掛けを回収に行く。収穫はサワガニ一匹のみ。
10:00 公民館へ向けて歩く、到着後早めの昼食。
12:30 公民館の高学年担当場所を掃除
14:00 川の深みが有るところにいく。透明度調査、水温測定、飛び込み、浮き輪で流れるといったことを行う。
※透明度調査の結果
那賀川 5m 先の人まで見える!!(兵庫県市川は 3m 程度)
16:00 お風呂に入ってからバスに乗って移動。
17:30 夕食を食べる予定の西宇神社着。近くの旧トンネルに行きコウモリの観察。
18:00 戻ってきて夕食
19:30 少し遊んでから宿泊場所の木頭文化会館へ向けて出発。夜の田んぼの雰囲気を味わう。
21:30 到着、1日のまとめを行い就寝
低学年
7:00 起床、朝ご飯
8:00 低学年担当場所を掃除
11:00 木頭文化会館までバス移動
12:00 到着後昼食
13:00 キャンプ場所の高原「川島」へ向けて出発。途中の支流のふちで魚とり、飛び込み、透明度調査を行う
※子供が網でアユを捕まえる事に成功!!
16:00 川島着、テントを張って夕食準備、夕食
18:30 源流探し兼ナイトハイクへ。源流を見つける。星空観察、夜の虫の声を聞く。
21:00 1日のまとめをして就寝
4日目
高学年
7:30 起床、朝食後養殖場から頂いたアマゴの解体を行う
11:00 アマゴを焼く
11:30 低学年が帰ってくる
低学年
7:00 起床、テントを片付けてから朝食
9:00 文化会館へ向けて移動、途中の支流で遊ぶ
11:30 文化会館着
全体行動
12:00 昼食、お昼ね
14:00 川へ行き、網や針と糸を木につけただけの簡単な釣り竿で魚を捕る。また浮き輪で長い距離を流れに身を任せ流れた。
※シマドジョウ、カマツカがとれた!!
16:00 戻ってお風呂、散歩
19:00 夕食
20:00 ナイトハイク、肝試し
21:00 戻ってきて1日のまとめをしてから就寝
5日目
7:00 起床、朝食、使ったものの片付け、文化会館の掃除
10:00 昼食用のおにぎり作成
11:00 河原へ。足をつけるだけ。石切をしたり、水温、気温、石温を測定。また河原にどんな石が落ちているか、形や堅さ、色を調べた。
※水温22.5℃、気温36℃、石温46℃!!
12:00 昼食後、バスにのり移動
18:00 明石で解散
調査結果の簡単なまとめ
①透明度(何メートル先の人までみえるか?)
兵庫県市川 3m
徳島県那賀川 5m
→水のきれいさの違いがはっきりと出た結果。また実際には水の色も違い、市川がほとんど透明なのに対して、那賀川はエメラルドグリーン色。
②魚の種類
兵庫県市川 カワムツ、ヨシノボリが多い。カマツカ、ムギツク、オイカワもいた。
徳島県那賀川 アマゴ、ウグイ、アユ、ヨシノボリが多い。カマツカ、シマドジョウ、カワムツもいた。
→自然環境の違いや、放流しているかどうかが大きく関係していると考えられる。
③周囲の環境
兵庫県市川 田んぼがメイン。川の利用も農業用水が主。
徳島県那賀川 もちろん農業用水にも使っているが、現地は田んぼよりもゆず畑や杉林、森が多い。
未だに川床が有ったり、つりをしている人を良く見かける。活動中も現地のつり名人の方からアマゴをたくさん頂けた。
④水温
兵庫県市川 21℃程度
徳島県那賀川 22.5℃前後
→那賀川の方があったかいという結果ではあったが、リーダー、子供たちともに、感覚としては那賀川の方が冷たいという感想だった。流れの早さ、日当りの善し悪しが関係しているのではないかと考えられる。
全体のまとめ
天気に恵まれ、ほぼ予定通り活動することができた。
子供たちも満喫した様子であった。
調査に関しても、高い透明度や意外な水温には子供達からも驚きの声が聞けた。
なにより長い時間をかけた魚取りでは、子供達は必死になって魚をおいかけ、アユを低学年の子供達がとった事に対してはリーダーたちも驚いた。
また現地の方々の多くの協力を得て、様々な体験が出来充実した活動が出来たのではないかと思う。