NO団体名主な企画内容
28 七宗町立上麻生小学校(岐阜県) 「我ら清流と日本最古の石の町!川と緑と石の不思議探検隊!!」
神渕川で「ホタル生息のひみつ」を、飛水峡などで「甌穴群の不思議」や「礫岩の秘密」を探検しながら学ぶ活動。知識と経験が身に付く自然体験プログラムを実施。

活動レポート4 甌穴群探険コース

日 時:10月 19日(金)8:45~12:20 ,10月 31日(水)14:00~15:10
場 所:(1) 岐阜県各務原市川島      (2)各務原市鵜沼宝積寺   
    (3) 岐阜県加茂郡七宗町   飛水峡(ロックガーデン)
参加者:小学校5年生 17名 引率者3名(岐阜大学川上紳一教授含)
活動目標

・七宗町を流れている飛騨川や神渕川及び険しい渓谷である飛水峡を探険し、甌穴群に触れ、大自然の偉大さを感じる一方で、郷土のすばらしさを実感することができる。
・飛騨川の下流域に当たる木曽川が流れている川島や鵜沼地域の川の様子を観察することで、七宗町の山間の川周辺の様子と大きな違いがあることに気づくことができる。
・事前学習で、地形、岩石に関わる不思議な点を出し合い、仲間と協力しながら探険の計画を自分分たちで立てることで、創造性、協調性、主体性をより一層伸ばすことができる。

活動内容

【事前】
・水の流れには浸食、運搬、堆積のはたらきがあることをグランドや砂山に水を流す実験で理解し、日本各地の川の上流部、中流部、下流部の写真を見て共通点を洗い出した。そして、七宗町を流れる川の様子の写真を見て、そこから疑問に思うことや探検してみたいことを出し合った。

【1日目(10月19日)】
8:45 七宗町立上麻生小学校を出発した。
9:35  各務原市川島探検

 到着して川原に降りるようとすると、道がないのに驚き、茂みの中を進んでいくことに少し驚いていた。躊躇する子どももいたが、仲間がどんどん入っていくので、その勢いで茂みを入っていった。しばらくすると、一面が5cmほどの丸い石がいっぱい広がっている様子を見て、子どもたちは「すごい!!」と言って、驚きの声を上げた。
 日頃、川の上流で暮らしている子どもたちからすると、これほど、たくさんの石が広がっている様子を見たことがないようである。ましてや、丸いなんて見たことがなかったようである。
 延々と丸い石の上を歩いていくと、やっと川に到着した。早速、下にある石を拾って石投げをし始める子どもたちがいた。のびのびとした様子で石投げをしている。
 向こう岸には、Y字型をしたブロックが置いてある。なぜブロックが置いてあるかを尋ねると、「浸食されないようにするため。」と答えた。川の流れが向こう岸は急である。カーブの外側だからであることも子どもたちは容易に理解できた。





 川上先生からどうして、こちら側には石がたくさんあるのかと聞かれ、いろいろ話し合いをした。
 次に、「お宝石を探そう!」と川上先生に言われ、子どもたちは夢中に珍しそうな石を探し始めた。「先生、これはどうですか?」と川上先生の所に、自分が見つけたきれいな石を持ってきて見てもらった。岩石の名前を教えてもらい、嬉しそうに探険バックに入れていた。中には、30cmはありそうな大きな石を宝物として持ち帰った子どももいた。
 まん丸の石がいっぱいある中で、ごつごつ四角張った石を発見した。チャートだ。チャートと言えば、七宗町でたくさん見た。よく見ると、ロックタウンの石たちとよく似ている。岐阜大学教育学部地学教室の川上紳一教授もチャートであると断定された。七宗からこんなところまで流れてきたことに気づくように先生から説明を聞いた。

10:45 各務原市川島発

11:10 各務原市鵜沼探検

 川島と異なり、鵜沼では、石が大きいことが分かった。これは、川島より上流になるからであることが分かった。子どもたちは、石が下流へ行けば行くほど、小さくなっていくことを実感することができた。更に、石が同じ向きにきれいに並んでいることに気づいた。これは、川島も同じであった。流れで石の向きが変わったことが分かり、水の流れが地形を変えていくことが理解できた。
 場所を変えると、赤茶色の縞模様の大きな岩があった。チャートである。川上先生から、七宗町にある岩石と同じチャートであることを聞いた。不思議な色をしているチャートを子どもたちは気に入ったようだった。





11:50 各務原市鵜沼宝積寺発
12:20 七宗町上麻生着

【2日目(10月31日)】
14:00 小学校出発
14:05 神渕川の渓谷の見学




 先日は、時間がなくなって探険できなかった七宗町付近の観察を行うことにした。近いので歩いていくことにした。学校を出るとすぐ近くに橋がある。神渕川が下を流れている。ここでも十分に渓谷の様子が観察できる。橋から落ちないように気をつけながら、渓谷の様子を観察した。下に降りた見学はできなかったが、七宗あたりでは谷が深く、川幅が狭く、水の流れが急であることが分かった。石はごつごつしていて、今まで探検していた川島や鵜沼とは全然異なることがよく分かった。これらは、先日川島や鵜沼を探険したからその違いがよく分かった。

14:20 飛水峡(ロックガーデン)到着
 駐車場の下を降りて、甌穴群のある場所に移動した。子どもたちがいる崖のすぐ下10mには激しく飛騨川が流れている。安全指導を十分に行い、探険を行った。チャート層がへこんでいる場所が無数に出てきた。甌穴群である。きれいな丸い穴はあまり見つけられなかったが、たくさんの穴が点在している。
 甌穴群を作っているチャートは、1mm積もるのに1000年かかることを説明した。子どもたちは驚いた。自然がいかに人間の想像を超えるかを感じたと思う。たくさんの甌穴を観察した後、なぜ甌穴ができるのかについて考えた。石がへこんだ岩に入りこんで水の流れによって、穴の中に入った石がくるくる回転して、長い間に穴がどんどん丸く深くなってきたのだろうという結論に達した。
 子どもたちは、きれいな形の甌穴群を探して、あちこちの岩場へ行き、向こう岸にきれいな縞模様で一部赤茶色のチャート層を発見した。よく見ると、向こう岸にも甌穴群がありそうである。あまりにも雄大な渓谷の様子を見ることができて子どもたちは感動していた。

14:50 飛水峡(ロックガーデン)発
15:10 学校発

子どもの声

・ポットホールが小さくても、形がきれいなポットホールや、泳げそうなくらい大きなポットホールがあってビックリしました。チャートは1000年に1mmしか大きくならないことを知って、歴史を体で感じていると思って、楽しくなりました。
・石にも川にもすごい歴史があることが分かりました。1mmできるのに、1000年もかかるなんて、びっくりしました。ふだん、またいでいる石は約10万年飛び越えているということに、驚きました。
・ポットホールを見たら、きれいに穴が開いていたし、きれいな水があったのですごかった。七宗町にこんなにすごいものがあるなんて思っていなかったので、ビックリしました。七宗町では、川島よりも石がごつごつしていて、とても大きすぎてすごかったです。これだけたくさんの甌穴群があるのは、七宗町ぐらいだから、とてもうれしかったです。
・同じ川でも場所によって、石の大きさや多さ、水の流れの速さが違いました。内側と外側では、全然水の流れの速さが違ったし、川島の川原は石がたくさんありました。石に種類があることも分かりました。鵜沼の川には、川のいろいろな所に石がありました。ロックガーデンと一緒で、穴が開いていたし、川島より鵜沼の方が川の水が深かったです。
・お宝石を探すのが楽しかったです。川島では、カーブの内側は、石や砂があったけど、外側はブロックがあって、様子が全然違っていました。鵜沼には、こけがあるのに、川島はこけがないのはなぜか知りたいです。そして、下流に行くほど、川幅が広くなるのは、なぜかを知りたいです。
・川の流れを見にいった時、まず気がついたのが石の大きさでした。川島の所の石は、小さい石と大きい石と様々でした。鵜沼では、ほとんどが大きい石でした。お宝石もいっぱいとれました。川島はYの形みたいなブロックがおいてありました。けずれないように工夫されていました。



活動レポート1 清流神渕川・納古山探険コース(1) ホタル学習
活動レポート2 清流神渕川・納古山探険コース(2) 神渕川の生き物探険
活動レポート3 清流神渕川・納古山探険コース (3) 森のはたらき納古山探険
活動レポート4 甌穴群探険コース
活動レポート5 日本最古の礫岩探険コース  

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