NO団体名主な企画内容
28 七宗町立上麻生小学校(岐阜県) 「我ら清流と日本最古の石の町!川と緑と石の不思議探検隊!!」
神渕川で「ホタル生息のひみつ」を、飛水峡などで「甌穴群の不思議」や「礫岩の秘密」を探検しながら学ぶ活動。知識と経験が身に付く自然体験プログラムを実施。

活動レポート5 日本最古の礫岩探険コース  

日 時 : 10月 9日(火) 10:15~12:20
場 所 : 岐阜県加茂郡七宗町   野々古屋(飛騨川流域)、石の博物館
参加者 : 小学校6年生 23名 、指導者4名(日本最古の石発見者理学博士足立守氏含)
活動目標

・自分たちが住んでいる七宗町にある飛騨川や神渕川及び険しい渓谷である飛水峡を探検し、日本最古の石に触れ、大自然の偉大さを感じる一方で、郷土のすばらしさを実感することができる。
・事前学習で、地形、岩石に関わる不思議な点を出し合い、仲間と協力しながら探検の計画を自分たちで立てることで、創造性、協調性、主体性をより一層伸ばすことができる。

活動内容

【事前】
・七宗町にある有名な「飛水峡」「日本最古の石」「甌穴群」の写真を見て、そこから疑問に思うことや探検してみたいことを出し合った。

出てきた課題は以下の通り
・飛水峡はなぜ深いか?(上の方まで水が来ていたのか?今はなぜ水が少ないか?)
・石や岩に穴が開いているのはなぜ?(おう穴群(ホットポール))
・日本最古の石は20億年前にできたと、なぜ分かったのか?
(どうやって、日本最古の石を発見したのか?)
・世界には、もっと古い石があるのか?
・いろいろな色の石があるのはなぜ?

【当日】
10:15 七宗町立上麻生小学校を出発した。
10:20 日本最古の石発見場所探検(野々古屋)

 日本最古の石の発見場所の石碑の横を下りていくと、大きな岩が飛騨川の流れに立ちはだかるようにして出ていた。日本最古の岩石の発見場所である。今から40年も前に、ここで20億年前の石が発見された。今日は、発見した本人である理学博士の足立守先生の案内でくることができた。発見した本人から説明が聞けるということで、子どもたちも非常にわくわくしながら参加しているようだった。





 最初は、日本最古の石が入っている岩と近くの岩の違いについて説明を聞いた。堆積岩と火成岩の違いである。そして、昔の生き物の跡である化石があることも説明してくださった。  




 これが日本最古の石だと示してくださり、その特徴を教えてくださった。その特徴を頼りに、子どもたちは、どれが日本最古の石なのか子どもたちは探し始めた。これかなぁと思う礫岩があると、子どもたちは、足立先生を呼んで、
「これですか?」
「やった!発見!!」




 日本最古の石探しに夢中になっていった。どうやら、白っぽく少し光る感じがするものが日本最古の石だということである。中国大陸からやってきたが、太平洋沖のプレートに入り込んで出てきたことが分かった。大きな岩がいくつもあったが、日本最古の礫岩が入っている岩は限られているようである。目の前の石が20億年前には中国大陸にあった石かと思うと石の旅を考えると、子どもたちも何かしらロマンを感じたようである。
 子どもの中には、日本最古の石を判定する自信がついた子もいるようで、今度家族を連れてきて、教えてあげると言っていた子もいた。

11:30 日本最古の石発見場所(野々古屋)出発
11:35 石の博物館到着

 石の博物館も町内にありながら入ったことがある子どもは少ない。日本最古の石は20億年前であったが、世界最古の石はもっと古いものがあるのかという疑問を持っていた。石の博物館に世界最古の石があると足立守先生に聞いたので、石の博物館へ向かった。石の博物館は休みであったが、町の担当者である亀山さんの計らいで特別に開けていただいた。まさに貸し切り状態だった。





 石の博物館には、世界から集めてきたいろいろな岩石が展示してあった。日本では今のところ、この七宗町の石が最古であるが、世界ではもっと古い岩石が見つかっていた。足立先生の話だと、日本でも更に古い岩石が発見できるかも知れないとのことであった。それは、私たちが勉強して詳しく調べていくとよいと言われた。
 石の博物館には、チャートも展示してあった。甌穴群をつくり出している岩石である。七宗町にはこの岩石がいっぱいある。このチャートを何かに使う方法を見つけ出すと、七宗町も豊になると足立先生が言われた。それもやっぱり私たちが勉強して見つけ出して欲しいと言われた。この子どもたちの中からそんな学者が生まれると嬉しい。

12:10 飛水峡及び甌穴群の観察

 ロックガーデンは地域の中でも有名な場所である。しかし、子どもたちはあまり来たことがない。特に、大きな甌穴群がたくさんある左岸の甌穴群は行く機会がない。とても危険な場所にあるからでもある。また、飛水峡は水の流れがすごく速い。落ちたらあっと言う間に流されそうである。ロックガーデンにも多くの甌穴がある。この辺り一帯がチャート層でできていることが分かる。

12:20 上麻生小学校着   探検隊閉校式を行う。



子どもの声

・日本最古の石を最初に発見した人のお話が聞けてラッキーだったと思いました。これからも今まで以上に七宗町の事を誇りに思い、生活していきたいと思いました。
・足立先生と20億年前の石を探険しに行って、初めて行ったけど、足立先生がいろんなことをたくさん話してくださったので、すごく分かるようになりました。日本最古の石はなぜ20億年前だと分かったのか疑問だったけど、足立先生が教えてくださったのでよかったです。改めて七宗町はすごい町なんだなぁということが分かりました。もっともっと石のことを調べてみたいと思いました。
・石に少しでも鉄分が入っているだけで赤石になったり、余分な物が色を変えたりすることを知って驚きました。自然の力はすごいと思いました。ずっと上麻生に住んでいるのに知らなかったこともいろいろと分かってよかったです。また、日本最古の石の発見場所にも初めて行ったので、今度は家族で行って、20億年前の石を見つけてみたいです。ポットホールであんな変な削れ方は無いと思ったけど、考えてみるとすごいと思いました。
・私は、日本最古の石についてくわしく知ることができて、うれしかったです。地層を見た時に「はい色のところで、生き物が穴をあけた跡」だと足立先生に教えてもらったときに、びっくりしたし、今も残っているということに驚きました。日本の中で一番古い石が七宗町にあるというすごさを改めて感じました。
・ぼくは七宗町がすごいなと思いました。わけは、20億年前の石やポットホールという天然記念物があるからです。どうして、石がポットホールに入っているかが分かったので、良かったです。いろいろなことを知れて良かったです。石は鉱物の集まりと聞いてビックリしました。
・ぼくは、守さんの話を聞いて、七宗町を世界的にすごい町だということが、とても分かりました。ぼくは、これまでただの石だと少しばかり思っていましたが、守さんの話を聞いて、すごい石だと思えるようになりました。でも他の場所で、日本最古の石が見つからないかと少し心配です。話を聞いた事で、前よりも石の不思議さやもっと探究したいという気持ちが増えたと思いました。まだ、不思議だな、もっと調べたいなという気持ちが残っているので、家で調べたり、新聞を読んだりして、調べたいと思います。
・日本最古の石の発見場所に行ってみて、岩の上だから、こわかったけど、とても楽しかったし、勉強になりました。また、今度家族で行こうとさそったので、行けたらいいなと思いました。



活動レポート1 清流神渕川・納古山探険コース(1) ホタル学習
活動レポート2 清流神渕川・納古山探険コース(2) 神渕川の生き物探険
活動レポート3 清流神渕川・納古山探険コース (3) 森のはたらき納古山探険
活動レポート4 甌穴群探険コース
活動レポート5 日本最古の礫岩探険コース  

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