NO団体名主な企画内容
14 柏の葉サイエンスエデュケーションラボ(千葉県) 「理科の修学旅行」
「不思議な自然を科学する」のキャッチフレーズのもと、新潟県南魚沼郡を舞台に、子どもたちが不思議に感じるきっかけを提供できるよう構成されたプログラムのもとで行う自然体験活動。

速報レポート4 理科の修学旅行 事後発表会

実施日時:2014年9月28日(日)
実施場所:千葉県柏市 Park City 柏の葉二番街 ワークショップルーム
参加人数:小学2年生〜6年生 計23名、保護者19名、スタッフ9名
はじめに

 理科の修学旅行から1週間経った時点で、学習内容を振り返り、知識の定着を図るとともに、保護者の方々へ実施内容の報告を行う発表会を開催しました。本稿ではその様子を報告します。

活動紹介

 当初は事前学習会と同じ会場での開催を予定しておりましたが、想像以上の来場者数に会場がいっぱいになってしまったため、今回は急遽会場を変更して開催しました。メインイベント終了後ですので、参加者は少ないのではと考えておりましたが、6割以上の子ども達に再会することができ、とても賑やかな会となりました。
 まず始めに、前週に実施した理科の修学旅行の流れを振り返りました。狙いは大きく分けて3つありました。1つ目は子ども達に学んだことを思い出してもらい、知識の定着を図ること。2つ目は、体験したことを振り返り、後のプログラムでのイラスト描きやアンケート記入の際の助けとするとこ。3つ目は後ろで見ていた保護者の方々に旅行の間の子ども達の行動や様子を報告することです。したがって、炭作り、BBQ、星空観察、登山の各プログラムだけでなく、バスの車中や食事中の様子なども交え、写真を多用して視覚的に振り返れるよう、工夫しました。


開始直前の会場の様子。余裕のある会場を用意しました。

先週の理科の修学旅行で体験したことを振り返りました。

 当初の予定では、現地で作成した炭を利用してBBQを行なうつもりでしたが、速報レポート2で報告した通り、子ども達の自主性に任せて炭を作ってもらったため、十分な量の炭を作成することができませんでした。そこで作成した炭は持ち帰り、発表会の場で一斗缶を開けて、出来を確認しました。一部しか炭化していないものと、完全に炭化したものはそれぞれ、一斗缶のどの辺りにあったのか、などを観察し、炭になる過程で熱の伝わり方が重要であることを考察しました。来年もチャレンジしたい、という意見が多かったので、今年の反省を踏まえて来年こそは十分な量の炭を作れるようになってほしいと願っています。


一斗缶を開けて、炭を取り出しているところ。

今回の旅行中に自分で作り上げたものはこの炭が唯一なので、思い入れも強いようです。

取り出した炭。スタッフに声をかけられなくても、炭を折って芯まで炭化しているか確認していました。

 炭を取り出し、2日間の流れを全て振り返った後は、一番印象に残った場面を絵に描くワークショップです。短い時間の中で描き上げなければならないので、かなり難しい課題かもしれないと不安視していましたが、皆しっかりと描き上げていました。描き出したイラストを壁面に張り出したところ、星空観察に多少集中したものの、全てのプログラムを受け止めてくれていた様子が分かりました。


クレヨンを使ってA4の画用紙に描き上げていきます。

班内で画材を融通し合いながら描いていました。

描いたイラストは壁面に張り出しました。

 後半戦は、アンケート記入とその発表を行ないました。半分の児童は一番印象に残ったこと、感想とそう感じた理由を、残り半分の児童はプログラムの中で記憶に残ったランキングと宿題の発表を行ないました。宿題は、事前学習会や理科の修学旅行の最中にスタッフが紹介した以外に、自分で気付いた不思議な自然現象を書き留め、それについて調べてこよう、というものでした。皆それぞれ自分が興味を持ったテーマについてしっかりと調べてきていて、関心の高さを感じました。


A班

B班

C班


D班

 最後は子ども達とスタッフで集合写真を撮り、解散です。帰りがけに子ども達から、来年も楽しみにしているよ、と声をかけてもらえて、とても暖かい気持ちになりました。


描いたイラストをバックに全員で記念撮影!

終わりに

 保護者の方にアンケートを実施したところ、非常に多くのコメントを頂戴しましたので、代表的なものを抜粋して紹介させていただきます。

事後発表会について

  • 理科って身近にたくさんあるんですね! 行って終わりでなく、とても良いと思う。
  • 振り返り学習は、息子にとっても親にとても、とてもありがたいです。この様な体験をさせて頂いた事で、もっといろいろな物に関心を持ってくれたらと思います。有り難うございました。
  • とても丁寧な旅行に感動しました。理科の修学旅行に参加できて良かったです。事後報告会は、最初「旅行は終わったし、行かなくても良いかな〜?!」と思ったりもしたのですが、旅行の内容もわかり、炭の出来映えも見られ、旅行を振り返る子ども達はイキイキしてて、旅行がいかに充実したものかがよく分かりました。どうもありがとうございました。
  • 写真を多用して、思い出しやすくするなど、よく工夫されていると思いました。
  • 振り返りで記憶の定着を図っていて良い。事前学習、旅行、振り返り、全て参加することが出来て良かったです。
  • 今回、このような事後報告会は初めてなので、理解を深める上で、とても良いことだと思います。事前学習会についても同様です。
  • 子どもがどんな体験をしたのか知ることができ、良かったです。体験したことを調べて参加できたので、自分で考えるきっかけになって良かった。 理科の修学旅行全体について
  • すべてが良かった。事前学習会で、旅行へのお欲がわき、旅行で豊富な体験、事後発表会ではみんなで旅行を振り返る事ができて、細かな事も思い出せ、自然への興味が倍増したように思います。
  • 事前学習会に参加したので、炭作りについて考えて参加できたので良かった。当日も、今まで知らない事を体験できて、とても楽しかった様です。迎えに行った時に、話したいことが溢れている姿が印象的で、参加させて良かったと思いました。
  • 通常のキャンプとは違い、体験をしながら学べるので、良かった。
  • 楽しみながらも、きちんと理科的な説明をしていただけるので、とても貴重な体験となるから、また来年も参加させたいです。
  • 内容、かなり手厚いと思います。自然科学にふれあう機会ができ、良かったです。特に、事前学習・事後報告会の開催があり、「修学旅行に行っただけ」にならないところが良いと思います。 子どもの意識の変化
  • 身近な自然現象を、どうしてだろうと少し考えるようになったと思う。
  • 身の回りのささいな事にも、何故?を感じやすくなった。
  • 星・動植物、昆虫などに興味があったが、天気の話をする様になった。昨日9/27の噴火の話も興味を持ってニュースを見ていた 保護者の意識の変化
  • 大人が見過ごしてしまっていることや、当たり前だと思っていることに再度、目を向けたいと思いました。
  • 興味を持つ、疑問を持つ気持ちを大切に、危ない!!と止めずにやらせたい。
  • 身近な所に理科の教材はあるのだな、と思いました。
  • 自然と触れ合う体験をもっとさせてみたいと思った。
  • できるだけ子どものなぜ?には答えていきたいと考えています。
  • 普段の会話の中で、子どもに「どうしてだろうね」と問いかけ、当たり前の事として通り過ぎないようにする。 これを機に、新たに取り組んでみた、取り組んでみたいこと
  • 星が特に気に入ったようで、よく星空を見るようになりました。
  • 家族で登山したい。近場の山に登り、登る体験だけでなく、途中の自然に親子で気付けると良いなあ。
  • 家族でキャンプに行ったときに、ぜひ炭作りにチャレンジしたいと思います(息子をリーダーにして)
  • クリスマスプレゼントでもらった天体望遠鏡を使いこなしたい。
  • 千葉の空でも流れ星を見たい。

 無記名でのアンケートにも関わらず、非常に多くの想いを届けていただくことができ、企画者冥利に尽きました。子ども達の意識の変化は狙い通りでしたが、保護者の方々に事前学習会や発表会に一緒に参加していただいたり、旅行から帰った子ども達が話をしたり、宿題や調べ物を一緒に行なったことで、保護者の方々の意識も変わりつつある様子が見られた事が、特に印象的でした。かねてから、子ども達が興味・関心を持つ事項やその強さは家族の後押しにこそ支えられていると考えておりましたので、これを機に、子ども達がさらに理科や自然に興味を持つ環境が整えばと願っています。



速報レポート1 事前学習会
速報レポート2 理科の修学旅行 1日目
速報レポート3 理科の修学旅行 2日目
速報レポート4 理科の修学旅行 事後発表会

■別年度のレポート
2016年度 理科の修学旅行 〜アクティブラーニングで海と山と川と教室をつなぐ〜 実施レポート
2015年度 理科の体験農業 実施レポート

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