NO団体名主な企画内容
11 柏の葉サイエンスエデュケーションラボ(千葉県) 「理科の体験農業」
農業体験を通じて子どもたちが、自分たちの感性で不思議だと思うことを自発的に探し出し、お互いに伝え合うことで、好奇心やコミュニケーション力、思考力を身につけることを目指す教育的要素の高いプログラム。

速報レポート3

実施日時:2015年9月19日(日)14:00~16:00
実施場所:ペリカンハウス裏庭(千葉県柏市若柴)
経過観察

開墾をしてハーブの種を植えてから、4週間ほどが経過してからの開催となりました。前回植えたハーブの種は、おおむね2週間程度で発芽するものでしたが、植え付け以降の日照りと、その後の豪雨などの影響により、ほとんど発芽しませんでした。ただし、今回は発芽させること以上に、一番の目的は理科の学びを得ること。そこで、なぜ発芽しなかったのか、一緒に考えました。発芽の条件は、酸素・水・適切な温度です。今回、植え付け直後の日照りによって水が継続的に供給されなかったのが良くなかったのかな?それとも、温度が上がりすぎたのかな?それとも、水没して酸素がなくなってしまったのかな?土の緩衝作用で守られているとは言っても、種が発芽するのって意外と難しいんだね、と、前回のおさらいをしながら学びにつなげることができました。
ハーブの観察ができなかった一方、ハーブ畑は雑草の芽がほとんど成長していないのに対して他のエリアは雑草がかなり伸びていました。耕して地下の茎や根を取り除くのが、農作物を育てる上では大切だ、ということを、身をもって体験した瞬間となりました。そこで、新たに他のエリアにも作物を植えるため、再び開墾を行ないました。前回参加した子ども達が、今回初めて開墾作業を行う子ども達に指導しているシーンも見受けられました。一度学んだことを人に教える体験は、学んだ内容を定着させる上でとても重要なプロセスです。作業を通じて自然発生的に教え教わる関係性が構築されるのは、座学ではなかなか見られない光景であり、ここにも「体験活動を通じて」理科に触れることの効用があることに気づかされました。


前回の参加者が、前回学んだ内容を、初めての参加者に教えながら作業をしていた。

作物を枯らすために取り除きたいツタ植物の地下茎は、掘り出す途中でちぎれると、断面からさらに伸びて逆に数を増やしてしまうため、なるべく無傷のまま掘り出したい。子ども達は趣旨を理解し、地下茎を切らずにどれだけ長く掘り出せるかを競争しあっていた。自分の身長よりも長く地下茎を掘り出した少女。

苗の植え付け

ハーブの種をまいた際には、庭に植物を植えているという意識でいたため、エリアを区切った後はランダムに種をまきました。その際の経験として、後から標札が倒れたり発芽が雑草に比べて遅かったりすると、どこに生えてくるのかわからなくなる、という課題がありました。この教訓を踏まえて、今回は庭の一部に溝を掘って畝を作り、作物を植える箇所を明確にしました。
本プロジェクトでは、自分たちで育てた作物を収穫し、それを調理するところまでで完結するため、冬になって作物の成長が著しく遅くなる前に収穫できるのが好ましい。そのため今回は短期間で成長し、冬前に収穫が可能な白菜の苗とはつか大根の種を植えました。また、事前に(1週間前に)種をまいておいたはつか大根(カイワレ大根)も、あまったスペースに植えておきました。無事に育って恵みをもたらしてくれると良いですね。


植え付けた白菜の苗。奥の畝には、はつか大根の種を植えました。

参加者全員で集合写真撮影。この組数が集まると、教えあいなども自然発生的に起こるという点では、とても有意義な会を実施することができました。

後日談

参加者の皆さんに植えていただいた白菜の苗は、スタッフが翌朝(日曜)様子を見に行った際には、無事に根付いて元気に育ち始めたように見えました。しかし、月曜の朝に見に行くと、苗の部分がピンポイントで掘り返されて周囲に散乱していました。洗って乾かしていたスコップなどの道具類も、元あった場所とは異なるところに散乱していました。風のようにランダムに力が加わったわけではなさそうでしたので、カラスか猫か、はたまた別の要因化はわかりませんが、何らかの生き物の手が加わったように見受けられました。
元に戻せるものは戻しましたが、翌日(火曜)見に行くと再び掘り返されていました。再び元に戻しましたが、水曜朝の段階では、苗は全て、既に跡形もなくなってしまいました。
雑草の生い茂っていたところから、草刈りをして開墾を進め、ようやく軌道に乗り始めたプロジェクトだけに、非常に残念ではありますが、幸いにもはつか大根の方は、無事に発芽し、徐々に大きく育ちつつあります。今後は、とりあえずはつか大根を中心に育てつつ、鳥獣害対策も進めていく必要があることを実感しました。天気が良ければ9月27日に次回実施を予定しておりますので、計画を練り直して対応していく予定です。続報は次回の速報レポートをお待ちください。



速報レポート1
速報レポート2
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■別年度のレポート
2016年度 理科の修学旅行 〜アクティブラーニングで海と山と川と教室をつなぐ〜 実施レポート
2014年度 理科の修学旅行 実施レポート

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