速報レポート 2016年度特定非営利活動法人くまの木里の暮らし

実施日：9月10日（土）午前9時00分～午後12時00分
活動場所：星ふる学校「くまの木」施設内
参加者：小学生20名、保護者4名、指導者2名、スタッフ6名、事務局1名

　しめ縄やしめ飾りの産地である塩谷町ならではの体験をということで、栃木県の県北地域で行われる「ぼうじぼ」で使用するわらでっぽうをつくります。
　ぼうじぼは、9月の十五夜と１０月に十三夜に子供達が集落の家々で「ぼうじぼ当たれ、そば当たれ、、、、」といった掛け声とともにわらでっぽうを地面に打ちつけ、五穀豊穣祈願やもぐら追いをおこない、月見団子などのお菓子やお小遣いをいただく行事です。塩谷町では現在でも行われているものの、わらでっぽうは販売されているものをつかい、報酬もお小遣いがほとんどとなっています。
　そこで、わらでっぽうを自分の手でつくり、時期的にはすこし早いのですが予行練習ということで、ぼうじぼをおこない、白玉団子を食べる昔ならではの体験ができる活動とすることにしました。

　６年生から２年生までが混ざるように班分けをおこない、班ごとにぼうじぼのあとに食べる白玉団子作りからスタート。班ごとに雰囲気は違うもののちゃんと上級生が作業を仕切って、白玉粉などの材料を量ったり、水を入れてこねたり、どの班もいい雰囲気でちゃんと作業が進みました。
　白玉を茹で終わった班から、ぼうじぼのわらでっぽうづくりに入りました。わらでっぽうは、しめ縄、しめ飾りなどの生産者でもある地元の方に指導してもらいます。材料もワラ細工用のもので、しめ飾りなどでワラが真っ直ぐに伸びるところに使う固めのわらを用意してくれていました。
　わらでっぽうは、ぎゅっと握って一握りくらいのワラの束を４０cmくらいの長さまで、わら縄で締めながら巻いて、そこからわらを捩って持ち手をつくってある単純な構造です。しかし、何十回と地面に打ちつけても壊れないように、巻始めを結び（巻き結び）、力を込めてきつくワラを巻き、わら縄の巻終わりも緩まぬように結び（いぼ結び）、持ち手ためのワラの捩り、しっかりしたものをつくるのは子供にはなかなか難しい作業です。
　結び方からみんなそれぞれの性格がでました。結び方を図解したプリントを用意したのですが、それを見てあっさりできる子、結び方をやって見せながら一緒にやってもできない子、最初からあきらめて誰かにやってもらおうとする子、いろいろいました。きつくワラを巻いていく作業は、子どもの力ではうまくできない作業なので一番難しい作業ですが、ゆるくても気にしない子、友達に協力してもらって何とかする子、大人を使う子、この作業も各々に工夫していました。
　みんな苦労しながらもなんとかわらでっぽうを完成させたあとは、星ふる学校「くまの木」の事務室前でぼうじぼがまっています。塩谷町町内でも集落によって掛け声がちがうので、班ごとに掛け声のすり合わせをしました。掛け声は、「ぼうじぼ当たれ、そば当たれ」までは同じですが、その先は言うセリフや掛け声を繰り返す範囲などが違ったりして、聞いている側は面白かったのですが、班のみんなの覚えやすさを優先して一番短いシンプルな掛け声が採用されるパターンがほとんどでした。
　ぼうじぼは、事務室前での「こんにちは！」「ぼうじぼしにきました！」のあいさつから始まり、「ぼうじぼ当たれ、そば当たれ、、、」との掛け声に合わせわらでっぽうを地面に打ち、職員に「ありがとうございました。」のOKをもらって終了です。自分たちで作ったものですが、OKをもらえると報酬ということで白玉団子を食べられます。白玉団子に掛けるものはみたらし、きな粉、あんこと用意し、好きなものを掛けて食べたました。きな粉が一番人気でした。
　活動終了予定の３０分前には白玉団子も食べ終わってしまったので、振り返りシートを書き、各班内で発表もしました。一番面楽しかった作業や好きなものを描くイラストは、メインのぼうじぼやわらでっぽう作りではなく、白玉団子づくりについて書く子が多く、花より団子ならぬ、ぼうじぼより団子で、食べ物の強さを痛感させれました。