NO団体名主な企画内容
22 伊那市立伊那北小学校(長野県) 「松茸プロジェクト」
森林に囲まれた地元の小学生と、森林から遠く離れた東京都荒川区の小学生が一緒に体験。松茸をはじめとするキノコを材料とした食育を通じて、森林と人とのつながりの意義を、それぞれの小学生の見方を共有し、考えることを目的とする。

速報レポート1

実施日 8月4日-8月5日
参加者 計15名
内訳
(小学生)
伊那北小学校 5名(男2、女3)
尾久宮前小学校 5名(男4、女1)
(大人)
参加児童の親 3名(男1、女2)
伊那北小学校の教員 2名(男2)
森林インストラクター 1名(男1)
活動内容

7月吉日、安藤スポーツ・食文化振興財団からの助成が決定し、「松茸プロジェクト」が始動できることになりました。7月14日に荒川区立尾久宮前小学校で、7月25日に伊那市立伊那北小学校で、それぞれ参加希望者に本プロジェクトの趣旨説明を行い、今回報告する「第1回現地交流会」の実施計画を説明しました。また、現地での活動時間は限られているため、交流会当日までに、森林インストラクター(黒河内)の方から、参加者に危険生物や危険個所に関する注意喚起ファイルを共有したり、尾久宮前小学校の参加者には近くの公園を使って交流会に関わる情報を直接会って共有したりして、交流会当日の準備を進めました。
「第1回現地交流会」の目的は大きく次の3つで、これらの達成を目指して参加者一同活動しました。

  • 長野と東京の児童が仲良くなる
  • 松茸山の実態を知り、秋の収穫に向けて作業する
  • 里地里山の豊かな恵みに触れる

≪8月4日の活動≫
尾久宮前小の児童らを乗せた朝一番の高速バスが新宿を発ち、午前10時に伊那市に到着しました。その後、尾久宮前小と伊那北小の児童が伊那市のバスに乗りこみ、松茸山のある伊那市富県にある公民館に向かいました。公民館に行く道中、伊那北小の児童が前もって捕まえてくれたクワガタムシに、尾久宮前小の児童らは興味津々でした。
公民館では、参加者の皆さんに自己紹介をしてもらった後、昼食を食べました(写真01、02)。違う小学校の初めて会う児童に、最初は緊張の面持ちでしたが、昼食を食べ終わった後は仲良く遊び始めていました。
公民館で身支度を整えた後、松茸山に向かいました(写真03)。公民館から松茸山に行く途中、松茸山の所有者さんに入山のあいさつも行いました。松茸山の入り口まで15分くらいの道のりですが、天気もよくとても暑い中での移動になりました(写真04)。小学校の枠を超えて、遅れてしまう低学年の子を高学年の子が助けてくれていました(写真05)。
松茸山の入り口で、山に入るときのルール説明やドリンク補給を行いました(写真06、07)。軽トラックを間近で見ることが初めての子もいて、物珍しそうに荷台に乗っていました。松茸が出る場所は、松茸山の入り口から標高差で200mくらい登った場所です。ヘルメットをかぶって、初めて登る急な斜面を立ち木につかまりながら一歩一歩進みました(写真08)。山を登る途中にいろいろな生き物がいて、誰かが何かを見つけると、急な斜面にもかかわらず児童たちは興味津々で殺到していました(写真09)。
山を登り、松茸が出る場所に参加者を集めて、松茸が夏はどうなっているのかを説明しました(写真10)。また、実際に松茸のシロを掘って、匂いを嗅いでもらったりしました(写真11)。秋には松茸が出てくる予定なのですが、まだキノコは出ておらず、半信半疑の様子でした。その後、周りの安全を確認して、松茸山の管理の一つである落葉掻きを体験してもらいました(写真12)。汗をぬぐいながら、たくさんの落ち葉の山を作っていました。
山は登るのも大変でしたが、駆け下りたい衝動を抑えてゆっくり1列で下っていくのも神経を使いました(写真13)。児童たちは疲れている中、松茸山の入り口まで無事到着できました。
松茸山を下山した後、松茸山の所有者さんが畑で育てている野菜の収穫体験をさせてもらいました(写真14、15)。トウモロコシ、ジャガイモ、トマト、キュウリ、ニンジンなど夕飯の材料を調達しました。
調達した材料をもって、宿泊場所の「ふるさとの家(長野県駒ケ根市)」に移動しました。大浴場で汗を流した後、ふるさとの家の調理場をお借りして夕食のカレー作りを参加者全員で行いました(写真16、17)。夕食づくりは、できる作業を手分けして進め、笑い声や会話が絶えない雰囲気で進みました。出来上がったカレーや獲れたてのトマトやキュウリ、茹でたてのトウモロコシなど、みんなで楽しく食べました(写真18)。
夕食の後は、スイカ割りや花火大会などを通して児童たちの親交を深めました(写真19、20)。

≪8月5日の活動≫
早起きをして、児童たちはふるさとの家の周囲の探索をしました。近くを流れる小川でサワガニやカエルを捕まえたり、昆虫を探したりしていました。準備が不十分でカブトムシやクワガタムシ用の仕掛けは空振りでした。
二日目のカレーを朝食に楽しんだ後、ふるさとの家が用意してくれた収穫体験で家族へお土産のトウモロコシを収穫しました。その後、ふるさとの家に隣接するシルクミュージアムで長野県の昔ながらの産業である絹の生産の歴史などに触れました。最後に、地元の野菜などを使った田舎料理のバイキングを昼食に取りました。
昼食後、尾久宮前小学校の児童らは高速バスに乗り、東京へ帰りました。

活動のまとめ

  • 参加者の皆さんには、初めての松茸山に興味を持ってもらえました。
  • 松茸を取るためには、松茸山をきれいにすることの必要性を知ってもらえました。
  • 松茸山をきれいにすることは大変だということを体験してもらえました。
  • 異なる小学生同士、いくつものイベントを通して、仲良くなり始めてもらえました。

次回の活動に向けて

東京と長野の小学生児童を松茸山でつなぐ初めての取り組みの第1回目でした。夏休みが明けたら、各参加者の児童や家族にアンケートを取り、「第1回現地交流会」の反省を行い、「第2回現地交流会」に生かす準備を始めます。
「第2回目現地交流会」では、実際にキノコを採り、調理して食べます。キノコの採取方法や調理方法について、それぞれの小学校の児童に事前説明の機会を設け、限られた現地交流の時間を有効に使えるようにしたいと思います。


公民館での自己紹介

公民館でのお昼休憩

松茸山に向けて公民館を出発


松茸山に向かう道中1

松茸山に向かう道中2

松茸山の入り口での説明1


松茸山の入り口での説明2

松茸山の登山風景1

松茸山の登山風景2


松茸が出る場所の説明1

松茸が出る場所の説明2

落葉掻き体験


松茸山の下山

野菜収穫体験1

野菜収穫体験2


夕食づくり1

夕食づくり2

夕食風景


夕食後のスイカ割り

夕食後の花火



速報レポート1
速報レポート2 第2回現地交流会に向けた事前準備会
速報レポート3 「キノコ狩り」
速報レポート4 「キノコを使った夕食と星空観察」
速報レポート3 「上牧里山探索」

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