NO団体名主な企画内容
22 伊那市立伊那北小学校(長野県) 「松茸プロジェクト」
森林に囲まれた地元の小学生と、森林から遠く離れた東京都荒川区の小学生が一緒に体験。松茸をはじめとするキノコを材料とした食育を通じて、森林と人とのつながりの意義を、それぞれの小学生の見方を共有し、考えることを目的とする。

速報レポート3 「上牧里山探索」

実施日 10月9日 (主に、午前中)

「上牧里山探索」参加者
全体合計 29 名
≪内訳≫
子供 合計16名
 小学生 計14名
  尾久宮前小学校 児童 6名 (男5、女1)
  伊那北小学校 児童 8名 (男3、女5)
 未就学児 計2名 (男2)
大人 合計13名
 保護者 計5名
  尾久宮前小学校 保護者 4名 (女4)
  伊那北小学校 保護者 1名 (男1)
 ボランティア 計5名
  信州大学学生 1名 (男1)
  自然観察員 2名 (男2)
  上牧里山づくりメンバー 2名 (男2)
 小学校教員 計2名 (男2)
 森林インストラクター 計1名 (男1)

活動内容

第2回現地交流会の速報レポート2「キノコを使った夕食と星空観察」に引き続き、以下、「上牧里山探索」の速報レポートです。

前日の星空観察の後、伊那北小学校の多目的室で寝袋を使って一泊した児童らは、朝5時にもなるとほぼ全員が起床し、朝6時前には元気に小学校の校庭を走り回っていました。伊那北小学校の2年生が飼育している山羊2頭の紹介をしてくれたり、使われなくなった牛舎に案内してくれたり、鬼ごっこをしたりと、朝から小学生同士、盛んに交流を行い、にぎやかでした。
朝食には事前準備の段階から歓迎の声が出ていたチキンラーメンの実食を行いました。大鍋に本プロジェクト助成決定時に安藤スポーツ・食文化振興財団から届いたチキンラーメンを入れ、昨晩のすき焼きで余った卵も加えて大量のチキンラーメンが完成しました。「おかわり何回していいの?」と大好評でした(写真1)。また、昨晩食べきれずに余ったキノコ汁も一緒にいただきました(写真2)。


写真1 チキンラーメン有難うございました

写真2 2日目の朝食

朝食が終わり荷物のパッキングも終えたころ、上牧里山の道先案内人として自然観察員のお二方が小学校に到着し(写真3)、参加者一同挨拶をしました(写真4)。夏とはまた違った秋の里山の生き物を探しに出発しました(写真5)。1日目の松茸山とは異なり、上牧里山内は地元住民や伊那北小児童らの管理のもと、遊歩道もしっかり整備されていてとても歩きやすい里山です。秋の様々な生き物を、自然観察員さんが丁寧に分かりやすく教えてくださり、参加した児童らは(大人も含め)真剣なまなざしで聞き耳を立てていました(写真6、写真7、写真8)。上牧里山は約25ヘクタールほど面積ですが、その中にはアカマツ林、コナラ林、スギ林、ヒノキ林、カラマツ林など様々な林が広がっています。また、所々に休憩スポットが整備されていて環境も多様です。林ごとに雰囲気も変わり、生物も変わり、いろいろな生き物との出会いがあったようです(写真9、写真10、写真11)。


写真3 案内してくれた自然観察員さん

写真4 上牧里山探索に向けた朝の会

写真5 上牧里山探索1(自前の網と虫かごを手に張り切って参加する児童もいました)


写真6 上牧里山探索2(この虫なあに?)

写真7 上牧里山探索3(こんな虫も!)

写真8 上牧里山探索4(こんな実も!)


写真9 展望台で休憩

写真10 開けた場所

写真11 「この蜘蛛食べられるよ」「え”ー」

1時間半程度の上牧里山探索のゴール地点は、上牧里山づくりの皆さんが作ったマレットゴルフ場とその横にあるピザ窯およびログハウスでした。ゴールした児童らは昼食のピザづくりを早速始めてくれました(写真12)。地元の野菜などをトッピングしたピザは、ピザ窯で次々に焼き上げられ、手際よく食べる準備が進められました(写真13、写真14)。
今年は、里山の中に生えているヤマグリの実が豊作でした。里山探索の時に児童らが拾ってくれたヤマグリの実や食べられるキノコもピザ窯で調理しました(写真15、写真16)。チキンラーメンを砕いてトッピングするなど、子供ならではのオリジナリティーあふれるピザもあり、笑い声の絶えない昼食でした。焼き栗は、煎り大豆のような風味があると好評で、地元の児童も東京の児童も、お土産に持ち帰る姿がありました。


写真12 昼食づくり1(ピザのトッピング)

写真13 昼食づくり2(ピザ窯で焼きました)

写真14 昼食づくり3(出来立てのピザをカッティング)


写真15 山栗の調理1(ノウタケも)

写真16 山栗の調理2

写真17 ピザ実食(出来立てのオリジナルピザを熱いうちに食べました)


写真18 ピザ実食(大人も子供もおいしくいただきました)

昼食を食べ終わり、第2回現地交流会も間もなく終了です。参加者の皆さんには、最後まで怪我なく、元気に活動してもらえました(写真19、写真20)。別れを惜しみつつ、東京都荒川区尾久宮前小学校の児童と長野県伊那市立伊那北小学校の児童らはそれぞれの帰路につきました。


写真19 他校の児童と嬉しそうに記念撮影

写真20 参加者の集合写真

今後の予定

バックグラウンドの異なる東京と長野の複数児童が参加するプロジェクトで、なおかつ自然が相手であったため、当初の計画がどの程度遂行できるか手探りでしたが、多くのボランティアの協力を得て、2回の現地交流会を終えることが出来ました。うまくかみ合ったイベントがたくさんありましたが、改善が必要な部分も見えてきました。
里山は手入れが必要なこと、里山には季節変化があること、里山からは直接的な恩恵(例えば、キノコ)があることを、次代を担う子供達にぜひ体感して欲しいというのが、このプロジェクトの目的の一つです。そのためには、今回のように同じ場所を継続的に見てもらうことも一策ではないかと考えます。特に、里山の変化は農作物のように1年では完結しません。例えば、今年は松茸が不作でほとんどとれませんでしたが、去年はたくさんとれました。経年的に変化を共有できるようなモデルケースが構築できたら理想的だと思いました。
今後は、第1回と第2回の交流会および事前説明会の反省を行いつつ、本プロジェクトのまとめを行い、モデルケース構築に向けて意見交換をする予定です。



速報レポート1
速報レポート2 第2回現地交流会に向けた事前準備会
速報レポート3 「キノコ狩り」
速報レポート4 「キノコを使った夕食と星空観察」
速報レポート3 「上牧里山探索」

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